2-②
どんなに衝撃的なことがあっても、人間寝れるものだ。
それを身を持って痛感した。
(あ、これおいしい…)
そして、食欲も伴ってくるものだと。
「お口にあいましたか?」
「あ、はい。おいしいです。とっても。」
朝、全身マントに包まれた女の人に起こされるまで熟睡してしまった私。
メイドとか、召使いとか、侍女とか呼ばれる人だろう。
それから『失礼いたします』という声かけとともに、頭と肩を撫でられると、フワリと全身が風に包まれるような感覚襲われた。
そのあと自分の服の皺が消え、髪もブローしたてのようなさわりごこちになっていた時には、信じられないという思いはなく、単純になんて便利なんだと感じてしまった。
そして連れてこられたのが昨日神官と話をした、この中央室と呼ばれる部屋だった。
準備されていた朝食はパンにサラダ、スクランブルエッグにオレンジジュース。
味付けは、地球と少し異なるが、食材自体が大きく異なることはなくおいしく感じられた。
私が来た時にコンジキはすでに朝食を終え、紅茶を飲んでいた。
昨日は紺色に大きな花柄の服だったが、今日は紫に昨日よりは小柄の花が刺しゅうされ、これもよく似合っていた。
「よく眠れましたか」
「あ、はい。朝までぐっすり。」
「それはよかった。もう少ししたら、神官様が来られるはずですので、それまで紅茶を飲んで待っていましょう。」
「あ、はい。」
その言葉を待っていたかのように近くにいた侍女の人が紅茶を入れてくれる。
「あ、ありがとうございます。」
「いえ。」
瞳だけしか見えないが、明るい声に緊張感はほどけた。
「そういえば、考えてくださいましたか?」
「え?」
「名前ですよ。」
「あ…えぇと、一応考えたは考えたんですが…」
思わず言いよどんだ。
そう、一応これはどうだろうかという名がある。
けれど、これは考えたというか、言われた瞬間に頭をよぎったものだ。
はたしてそんな直感のようなものを言っていいものか。
もっとよく考えるべきではないかと思ってしまうのだ。
「あ、あのっ」
もう少し考えさせてほしい
そう言おうとしたとき、
「来たようですね。」
コンジキがゆっくりと立ち上がった。




