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怪奇箱  作者: にとろ


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流星の落ちた神社

 楓さんが中学生の頃の話だ。良いことが降ってきたという話だと彼女は言う。


 中学の入学祝いにスマートフォンを買ってもらった。もちろん両親はいい顔をしなかったので祖父母に上手くねだったのだが、回線の方を契約してもらうのに苦労した。両親に、『本体だけあっても意味無いし、買ってくれたおじいちゃんとおばあちゃんに悪いよ!』と無理のある理屈を通して回線を契約してもらった。


 当時としてはそこそこのスペックのスマホだったが、カメラの性能が高い代わりにかなり処理能力を犠牲にしていた。友達と写真を取るのでやはりカメラを優先したかった、その結果多少はスペックを諦めカメラのレンズなどの品質を優先した。


 そしてそのカメラは夜景も撮れると言うことなので、夜、庭から出ないのを約束して夜景を撮影してみた。きちんと真夜中に街灯くらいしか灯りが無いのに綺麗に風景が写っている。これはなかなかいいスマホだと思いながらいろいろと撮影していた。そういえば夜の星も撮影できるのが売りだったかと思い、試しに空にカメラを向けた。


 星の明かりにもしっかりセンサーが反応して綺麗に夜空が写っていた。これはなかなかのものだと思い、明日自慢できるのでは無いかと夜空を撮影した。何回か撮影して、また明日も撮ろうかなと思い、スマホをしまった。そして綺麗にとれたなと思いながら夜空を見上げると何か違和感があった。


 それが何なのかよく分からなかったのでスマホで撮った写真を見てみると、肉眼では全く見えないのにひときわ輝く星が写っている。試しにスマホを取り出して夜空に向けてみた。すると確かに存在していないはずの星が一つ輝いている。これはどういうことだと思いながらスマホを通してその星を観察していた。


 するとその星が動き始めた。夜空に見える恒星が何光年も離れていることは知っていたので、そんなものが急に分かるほど動くことは無いはずだ。どうなっているんだろう?


 そう考えているとその星は徐々に地上に近づいていき、流星なのかと思っていると町のまわりの山へと落ちていった。しかし星が落ちたというのに振動も音も全く感じない。スマホを通してその山を見ていたのだが、もうすでに輝きさえも無くなっていた。


 翌日、帰宅をするとあの星はなんだったのだろうかと思った。そのときふと思いだしたのは、あの山には神社があったなと言うことだ。偶然なのかもしれないがたまたま星が落ちていったところに神社がある。興味がわいてそこまで行ってみた。自転車を漕いで山を登るのには骨が折れたが汗をかきながらその神社に着いた。


 鳥居をくぐってみたが、特に誰も目に付かない、普段は大っぴらに活動していない神社なのだろう。一応賽銭箱はあったので、そこに百円を入れて鐘を鳴らした。


 自分でも気休めだと思っていたが、幸いスマホの代金を出してもらったのでお金は多少あった。良いことをした気になって帰宅するとそれから別に特別なことがあったわけではない。


 ただ、彼女によると、記念受験ということでダメ元で受けた高校にしっかり合格してしまった。教師どころか親も無理だろうと思っていた高校に入れたことがあの星と神社に関係しているかどうかは分からないという。

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