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怪奇箱  作者: にとろ


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変わらない同窓会

 友太さんは少し前に不思議な体験をしたそうだ。おかげで人間関係が壊れかけているという。未だ説明がつかないあの時のことを教えてもらった。


 その日、クタクタになって帰宅したのだが、ドアを開けて郵便受けを確かめた。するとハガキが一枚落ちてきて、それを拾い上げると高校の同窓会の知らせだった。今にして思うと住所を何故知っているのだろうと思うだろうが、当時は体力が尽きて考えがそこまで回らなかった。ハガキには地元で大きめのホールが指定されていた。都合よく仕事の方が一段落していたので昔の顔に会おうと思って出席を決め、早速スマホで新幹線を予約した。


 休日前の定時退社にいい顔はされなかったが、有休を断って出勤させた手前向こうも残業を強制はしなかった。そこで帰宅すると準備を整えて、早めの目覚ましをかけて寝た。


 翌日、目覚ましの大きな電子音でたたき起こされると、疲れの取れない体を動かして実家の近くまではるばる向かった。時間自体は新幹線を使用したのでそれなりに短かったが、疲労はそこそこ溜まった。普段の勤務中よりマシだが、疲れるなと思いながら地元に向かった。


 新幹線から更に後、駅前でタクシーを拾ってビジネスホテルへ向かった。予約済みだったし、さっさと入ってグッタリと寝た。移動に一日かかるのは随分面倒だなと思う。それも都市部に慣れすぎたせいなのは分かっている。こんな調子で昔の連中と話が合うのだろうかと不安になった。


 翌日、会場に行くと見慣れた顔が並んでいた。『よう』とか『おう』とか『久しぶり』などと言う言葉が飛び交っている。懐かしい顔に挨拶をしながら近況などを話し、思い出話に大いに花が咲いた。


 高校で担任をしていた先生も出席しており、昔は叩かれたりしたな、などと言ったら『今じゃそういうの禁止だよ』などと言い合って笑った。生徒たちの愚痴を話してくれたりもして、実に充実した同窓会だった。


 その二次会でローカル居酒屋でビールや焼酎を加減もせずにたっぷりと飲んだ。もちろん羽目を外して飲んだので、酔ったまま千鳥足でビジネスホテルへ戻った。水をいくらか飲んでベッドに倒れ込んで寝た。


 翌日にはもう二日酔いのまま、新幹線で帰ることになった。友達だった連中が一人も送ってくれないのが少し寂しかったが、そのまま帰ると都市部の部屋は狭いな、なんてことを考える。その結果、自宅に帰るとあっという間に寝たのだが、急に倒れ込んだせいで胃液が上がってきた。それを無理矢理飲み込んで、胃薬を開けて一包を洗面所に飲みに行った。水を汲んで胃薬を飲むと清涼感が胃を満たし、これでなんとか眠れるだろうと思い鏡を見た。『酷い顔だな』と思ったところで気が付いた。


「同窓会に来てた連中、全員高校の頃と全く顔が変わっていないんですよ。なんであの時気づかなかったのか分からないんですけど、高校から三十超える年になってるんですよ? 十年以上三十人近くの顔が全く変わらないなんてあり得ますか? そう考えると怖くなったんです」


 よく考えればどうやって通知を送ってきたのかも、都合よく全員が参加していたのも、何もかもがおかしいんですよ。ねえ、俺は一体なんの集会に行ったんでしょうね?


 私はそれが何なのかは分からないが、害はないのだから気にしない方がいいですよと言っておいた。

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