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怪奇箱  作者: にとろ


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数撃てば……

 最近になって、呪いなどを祓っている石丸さんから電話がかかってきた。宗教か保険か……そう疑ったのだが、私のしていることを知って、『少し愚痴を聞いて欲しい』ということだった。特に断ることもあるまいと彼と会うことにした。


 古い友人と会ったのは近所の居酒屋だ。たまたま最近私の近くに来る用事があったので話をしたかったらしい。


『ホント……子供にスマホを与えるなって思うんだよ』


 そんなことを言いながらうんざりした口調で話し始めた。


 何が悪いってさあ、ガキが呪物を平気で生み出すんだよ。昔のネットにも呪物の作り方なんて結構な数が載っていたけどな、あの頃はガキがアクセスするには難しかったからそんな問題な買ったんだよ。だからそれまでは気にしていなかったんだがなあ……今じゃどこもかしこもスマホでさ、ネットの海から産廃を拾ってくるんだよ。本当に勘弁して欲しいんだよな。


 最近だって隣の市から『息子の様子がおかしいので急いで来てくれ』なんてヒステリックに言われてな、価格交渉もなにも無く祓ってくれとしつこいんだよ。電話を切りたかったんだが、こっちも信用商売なんでなあ、仕方なく車を走らせたんだよ。酒でも飲んでりゃ無理ですと断れたんだけどな。


 その家に行くとさ、もう家の見た目から嫌な感じが漂ってくるんだよ。瘴気っていうのか、よくないものがあることをすぐに理解できたよ。


 その家の中に入ったんだがな、ドアを開けたところで引き返したくなったよ。半狂乱の両親が見えなかったらあそこでさっさと逃げたしてたね。


 そこまで来たら逃げるわけにもいかず、その息子さんとやらの両親が俺を見るなり『助けてくれ』って言うんだぜ気が重いながらも怪異の発生場所であろう部屋に案内されたんだ、中からはわめき散らすような声がするんだわ。尻尾を巻いて逃げ帰りたいが後ろにはガキの両親が居てなあ……仕方なくその息子の部屋とやらに入ったんだ。


 扉を開けた途端に吐き気がしたんだ。中では高校生くらいの男がわめき散らしながら不思議な踊りのようなことをしていたんだ。始めはキツネ憑きか何かだと思ったんだがどうも違うようでなあ……


 部屋の中が散らかっていたので気にしていなかったんだが、床に転がるものを見ると呪具呪物、いろいろ転がってる訳よ。しかたないのでほとんどガラクタだったんだがいくつかの『本物』を経典と一緒に鞄に詰めてひとまず封印をしたんだな。


 それで一応はガキが正気に戻ったんだがなあ……ここからが問題でさ、ああいや、呪物の処分はいつもお世話になっているところへ処分を任せたよ。信用できるところなんでそれは問題無いんだがな……問題は後始末だよ。


 謝礼をもらって帰り際に俺は言ったんだ。


『息子さんのスマホを処分しておいてください、解約をしてスマホ自体はジャンク品として売ればいいでしょう』


 そうアドバイスしたんだが、そこのガキが『仲間はずれにされる!』って喚くらしいんだよ。まあ分からんでもないが、どこで集めたか分からないものの情報はスマホで手に入れたんだろうさ、『また同じ事になりますよ』と念を押したんだがな……俺はそのうちまたあの家に呼び出されるんじゃないかと思うと嫌気がさすんだよ。


 そう言って彼はジョッキのビールを飲み干した。随分とストレスのたまる依頼だったし、『本人が変わらないのにその場しのぎをしたって意味無いだろうに』と愚痴っていた。その日はソイツの愚痴に閉店間際まで居酒屋で付き合ってやった。

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