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怪奇箱  作者: にとろ


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12/24

CDのオマケ

 三笠さんは子供の頃に奇妙な体験をしている。


 当時はDVDがまだ普及していなくてCDは普及している時代でした。当時ゲーマーだったんですが、持っているゲーム機は据え置き機ならメディアがCDの物のみだったんです。それ自体は当時珍しいものでも無かったんですけどね、ただ……あのことだけは説明がつかないんですよ。


 そんな時のことなんですが、一部のゲームに限った話ですよ? CDプレイヤーにかけるとゲームCDを音楽CDと認識してボイスが流れるような物があったんですよ。完全にオマケ要素なんですけど、ゲームの声優陣が豪華だとそのオマケがすごく嬉しいんですよ。一応ゲームCDのパッケージにはCDプレイヤーにかけないように注意が書いてあるんですけどね。


 その要素を期待して買ってきたCDはとりあえず音楽として再生しようとしてみていたんです。ときどき面白いボイスドラマとかが入っていて、それを見つけた時は嬉しいんですよね。そういうのもCDの醍醐味だと思いますよ、カセット方式だとやりようのないオマケですからね。


 あの日はバイトで給料日だったんですが、帰りに早速中古ゲームショップによってワゴンを漁って安くなってるのをたくさん買い込んだんですよ。


 帰るとCDをプレイヤーにかけていったんです。音量を絞ってノイズが流れても迷惑がかからないように気をつけていたんですよ。それなのに何故かアレは……


 某ホラーゲームのCD何ですけど、再生したら絹を裂くような悲鳴が思い切り響いたんです。CDプレイヤーの音量はかなり絞っていましたし、どうやってもあんな音量が出せるはずは無いんですよ。音楽側がどれだけ爆音にしようが、プレイヤーの方で小さくなるはずなんですからね。


 大急ぎでプレイヤーを止めてCDを取り出しました。なんて迷惑な隠し要素を入れているんだろうと開発者に文句を言いたくなったんですが、わざわざ音楽プレーヤーに駆けた方が悪いと納得して普通にゲームをプレイしてみたんです。なかなか面白かったんですよ、ただ、それから誰も家に居ない時にCDプレイヤーの音量を下げてこっそりそのCDを入れたんですけど、あの一回以降悲鳴もなにも鳴らなくなったんですよ。ノイズのようなものが聞こえるだけでした。


 それと、これは関係あるのか分からないんですが、当時声優をいろいろ知っていましたし、声の聞き分けは得意だったんですけど、あの時の悲鳴はゲーム内のキャストに一人も該当する声をした人がいなかったんです。直感で違うと思っただけなので根拠もなにも無いんですが、あの悲鳴はゲームとは関係無いような気がするんですよね。だから何かが起きたというわけでもないですけど。


 それから彼はPCを入手し、そちらであらかじめ音楽CDとして認識するかチェックするようになってそのような謎の出来事には出会わなかったそうだ。


 なお、ゲームのメインがスマホに移ったので、今の彼はそのような要素を探すのを止めたそうだ。

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