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いったい

作者: aristotles200

アマチュア詩人の私は

ある日

ロイガー&ツァール賞の受賞連絡を受ける

聞いたことのない賞

それでも嬉しい


アラオザル公国

大使館のものですが

A様でしょうか

はい

おめでとうございます!

御作、風のタイフーンが

ロイガー&ツァール賞

詩の部門の正賞が決まりました

え!

あの、応募してませんけど

応募は必要ありません

つきましては、

大使館にお越しください

授与式は○月△日午後2時からです

あの、正賞って

賞金1万LZドルとロイガー像です

おおおー

ありがとうございます


電話を切り

ガッツポーズ

やったぞー、とうとうプロデビューだ

両親、兄弟に電話する

やったよ!

ロイガー&ツァール賞、正賞だって

え! よかったねー!

でも、聞いたことない賞だね

その、アラオザル公国も

うん、ミャンマーに近くにあるって

へー、まあ本当に良かったね!

ありがとう


友人たちにも電話する

やったぞ!

おおー、おめでとう

でも、聞いたことない賞だな

ああ、外国の賞だからな

へー、まあ良かったな

ありがとう


夜、友人たちからのライン

Aよ、騙されてないか

アラオザル公国は存在してないし

ロイガー&ツァール賞も

ググっても検索で出てこない

ああ、20年前まで鎖国してたらしい

大使館の場所は郵送するって

ふーん


ここだな

港に停泊する

錆びたタンカー船を見あげる

ふーん、大使館って船にあるんだ

デッキから乗り込む

ああ、書いてる

A4サイズの紙に、手書きで

アラオザル公国大使館とある

すいませーん

ロイガー&ツァール賞の

受賞者ですけどー

誰もいない

油性ペンと芳香剤の臭いが酷い

思わず鼻を押さえる


船内へ

賞金もらったら、直ぐに帰ろう

不気味だよ、この船

取り敢えず上に向かおう

船体が軽く揺れる

慌てて窓を見ると、出港している

え?

離れる港

そんな馬鹿な

なんなんだよ、誰もいないし

甲板に急いで戻ると

既にタンカーは海上にいる

変だ、これは

誰一人、見かけない

誰も出てこない


幽霊船に一人っきり

大声で叫ぶ

助けてくれー

誰も答えない、いったい

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