転生②
明日死ぬと言われたら人間は何をするだろうか。
答えは簡単である
"何もしない"だ
あのあと俺は無気力に生きていた。
学校に行かず部屋に引きこもり本を読んだりスマホを眺めたりしてただダラダラしてるだけ。
「あと3日...か」
あと3日で僕は戦場へ向かう。そのことを考えるたびに残りの人生を楽しもうとか考えても心の奥底で何をしても無意味であると言う気持ちがある。
違う。あってはいるが根本はそうじゃない。本当はただ親に裏切られたことが悲しかったのだ。常に元気で優しくてポンコツでそんな俺のお母さんに捨てられた。それが悲しくて悲しくてぐちゃぐちゃになって諦めた
ただそれだけだ
そんな時閃光が走った。最初は何かと思ったがそんなことはどうでもいいと思った瞬間雷が落ちた何十倍の音と窓ガラスを割るのではないかと言うほどの突風が走った。察してしまった。
"爆弾が落ちた"ことを
そして俺が死ぬと言うことを
♠️
次に目を開けた時俺は知らない場所にいた。
視界には西洋風なボロい木造建築と茶髪のかなりボロボロな服を着ながら嬉しそうに涙目になって何か語っている男性と静かに涙を流しながら微笑んでいる赤髪の女性がいた。
どう言うことだろうか俺は死んだ。死んだんだ
それで魂にでもなっているのだろうか?
そう考えていた時。
「おぎゃーおぎゃーー」
とまるで赤ちゃんが大声で泣いたかと思われる声が俺から発せられた。
どうなっているそう思い目の前の二人に質問をしようとすると
「おぎゃー!」
まさか、だけどこんなことがあり得るはずがない。だがこの状況を説明するにはこの言葉以外で表せられる単語を俺は知らない。
つまり、これは"転生"だ。
♠️
あれから1週間が経った。
この1週間で分かったことがいくつかある。まず俺のこの世界での名前がヒルト・シルクそして俺が生まれた時に視界にいた男性がレオ・シルクお父さんだ。そしてもう一人の女性がルカ・シルクがお母さんだ。
この世界の言語は前世とは違うのでこれくらいのことしか理解できなかったが後々覚えると思うので今は気にしないでおこう
あと一日の時間周期や暗くなったら寝るなど前の世界と今の世界での常識は都合のいいことにほとんど同じだ。
ただ一つ問題がありこの家圧倒的に金がない。正直毎日毎日財布と思われるものを確認してため息をついている。これを見ると前世のお母さんを思い出して吐きそうになる。あとご飯が非常にまずいこっちの方が吐きそうになる。
そして俺はいつもの日課をこなす。
「おぎゃーおぎゃーー」
こうすることでお母さんの胸に飛び込める。
これに何の需要があるかって?そりゃもちろん可愛いお姉さんに飛び込んで乳が吸える。
お母さんであるルカは正直無茶苦茶美人。そして年齢的にも俺の性癖ストライクゾーンど真ん中最高だ。至高である。
そんなこんなで俺の異世界生活が始まった。前世での最後は最悪で結局親ともほとんど会話をせず終わってしまったがもう会うこともないし気にしていてもしょうがない。そう割り切るのが一番だろう。だから俺はこの世界で新たに楽しい、幸福な生活を送るとそう強く決意した。