白 作者: 木下真三郎 掲載日:2024/01/07 閉店間際の露天風呂 蛍光灯に照らされた 絵画と見紛う雪枝垂れ 温みに五体を浸しつつ 見上げる瞳に刺さる冷 融けゆく白に晒される 心地好さと表裏の痛 既に出づる機を見失う 否 我が身は未だに絆されず 刻々 白は烈しく我が身を打つ 嗚呼 この白は何と呼ぶのだろう 二文字で語れるこの白に 字をつける理由(わけ)は何 自問自答 ―――――――――― 一睡の夢を見たように 得も知れぬ怪を見たように 白は已(・)に止(や)んでいた 寧ろ夢であって欲しい 野暮な願いを緞帳に