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404  作者: 眠々
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【6.ヴァンパイアと空のレース大会】


「空の国へはみんなで行かない?」

 カレンの提案で、織姫と彦星にはみんなで会いに行くことになったハロウィン隊。

「と、その前にぃ~……」

「どうしたの? 猫姉?」

「私たちは空を飛べないから、魔女にお願いして連れていってもらおうよ」

 するとハウルは言った。

「そうだな、それがいい。ポチも、それでいいよな?」

「ああ、全然オッケーだぜ!」

 ──と、いうわけで魔女の森に来た四人。

 事情を説明すると、魔女はこころよく賛成してくれた。

 魔女は地面にかかれた模様の中に四人を入れた。

「準備はいい? 行くわよ」

 魔女がじゅもんをとなえると、四人はパッと瞬間移動した。

 森のざわざわが人の声に変わると、ラルルは目を開いた。

「うわあ、なんだここ!?」

 目の前にはなんと、大きなドーム会場があった!

「どういうことですか、魔女さん?」

 ハウルが聞くと、通信機から魔女の声が。

『ごめん、到着先間違えちゃったー! てへぺろ!』

 ──ガチャ。ツーッ、ツーッ……。

「えっ……?」 ハウルの目が点になる。

 ラルルが言った。

「キレちゃった」

「切れちゃった、ね。怒りたいのはこっちよ」

 カレンがもう一度かけ直したけれど、つながらなかった。

「うーん、どうする? それにここはどこなんだろう?」

 ハウルが辺りを見回しながら言った。

「地面が雲でできているな。一応、空の国ではあるぞ」

「でも、織姫と彦星はどこにいるんだか……」

 すると、ポチがほえながら走ってきた。

 ──チラシをくわえている!

「わんわんわんわんわんわんわんわんわんわんわん!!」

「はいはいうるさいうるさい」

 ラルルはチラシを手に取った。

「えっと、ナニナニ……?」

『空の国最大のレース大会!! 年に一度、月がこの星に一番近づく日。織姫と彦星が主催!』

「ハウル、主催ってなあに?」

「リーダーってことさ。織姫と彦星が開いたレース大会、ってことだな」

「じゃあ参加して優勝したら、織姫と彦星に会えるんだね!! ボクらも参加しようよ!」

 しかし、カレンは「ぶーぶー」とくちびるをふるわせた。

「えー、めんどくさいなぁ……」

 すると、ポチは大会のチラシを大きな声で読み上げた。

「優勝者にはおだんご一年分がもらえる! ……らしいゼ」

「なに!?」

 カレンは「ならば……」と話を続ける。

「みんな、絶対優勝しよう! おだんご一年分のために!!」

「「「おーーっ!!!」」」


 会場の受付で、ハウルはみんなに聞いた。

「なあ、ペアはどうする? このレースは二人一組で参加するらしい」

 するとポチが答えた。

「じゃあ俺とラルルで決まりだな」

「えっ、どうしてよ? 私、ラルルとがいいわ?」

「そりゃ無理だ。しなやかな猫の背中にラルルは乗せられないだろ?」

「たしかに……」 カレンはしょぼんと落ち込んだ。

「よし、決まりだな。ラルル、俺の背中に乗れば優勝だ、そうだろう?」

 ポチの言葉にラルルは元気良く頷いた。

「うん!」

 ペア決定だ。

 レース開始は二時間後ということで会場の周りはとても盛り上がっていた。敷き詰められるように様々な屋台が並んでいる。

 射的に輪投げ、林檎飴にいももち、カレンはいつも何かを食べている!

 ラルルは自分では買いに行かずに、カレンからちょくちょく貰っていた。

「あっ、射的の店がある。ボク、やってみるね!」

「おう、頑張ってこい!」

 ハウルはラルルの背中をポン、と押した。しかし。

 ……パァン!

「ああ~、はずれちゃった……」

「どれ、ちょっと貸してみな」

 ハウルは狩りをする時のような目で、銃を構えると、ものの見事にぬいぐるみに命中。

「ほれ」

「わぁ、ありがとうハウル!」

 たくさん楽しんだ四人は、二時間後に会場のドームへと入場した。

 ──ワアァァァァーーー。

「すごい歓声ね……」

「きっと、みんなおだんごが楽しみなんだよ」

「あはは、そうかもね」

 それからハウルは言った。

「それじゃあ、俺たちはこの辺で。がんばれよ、ポチ、ラルル」

「ああ、まかせとけって! 優勝だ!」

「ラルルもがんばって、私たちは客席からおうえんしてるから!」

「ありがとう。猫姉、ハウル!」

 そして、レース開始まで残り一分となったところで、実況のペリカンがマイクを手に叫んだ。

「さあさあ今年も始まりました、空の国イチバンのお祭りーーっ! おだんご一年分をかけた超レースだーー!!」

 答えるように歓声がひびく。

「出発はこのドームの中から外へ、コースを一周して再びこの会場へと戻ってくるぞーぉ。みんな、がんばってェーーェ!」

 ──ワアァァァァ……。

 そして、場内アナウンスが響き渡る。

「実況のペリカンのペリドットさん、ありがとうございました。これからのレース解説もよろしくお願い致します。なお、会場のアナウンスはワタクシ、獣耳ミクがお送りします。

 ……準備が整ったようです。それでは、レースの開始です。ペリドットさん、スタートの合図をお願いします!」

 実況のペリドットはゴホンと咳払いをして大きく息を吸った。

「では、いちについて~、よーい」

 会場内はしーんとしずかになる。

「スターーーーーーーーーートッッ!!!!」

 一斉に走り出した大勢の獣達。歓声も興奮も、ダンスフロアのように大きく高まっていく。

 その中心にいるのは──? なんと!!

 実況のペリドットがマイクをにぎった。

「おおっとぉー!? これは速い! 先頭を走るのは──? ハロウィン隊、ポチとラルルのペアだーー!!」

 風を切るはやさでポチとラルルは走る。

「うわぁ、すごいよポチ! ボクたち一番だ!」

 ラルルは落ちないようにしっかりと手綱をにぎった。

「ハッハッハー! オレ様のスピードは、誰にも負けねえ! フェンリルのところで修行した甲斐があったぜ!」

 みるみると後ろの選手を突き放して行くポチとラルル。

 しかし、二人の横を誰かがとんでもないスピードで追い抜いた。

「なんだあ!?」

 横を見ると、そこにはドラゴンとウサギのペアが飛んでいた。

 ウサギは三角に尖ったサングラスをはずして、悪そうな笑みをうかべた。

「やあやあ、こんにちは! キミたち、初参加かい?」

「そうだよ! なんか用?」

 ラルルが聞くと、ウサギは言った。

「早いねぇ。ま、でも優勝は無理だね。なぜなら僕らが勝つからさ! なっ、ヴォル君?」

 ドラゴンはヴォルという名前らしい。 

「そうだ、勝つのは我らだ。ウィルト、無駄話はそのくらいにしてもう行くぞ」

 ヴォルとウィルトはスピードを上げた。

「あっ、待てこらっ!」

 ポチも負けじとスピードを上げようとした。

 が、ドラゴンのヴォルがまきおこした強い風でポチはバランスをくずした。

「くそう、飛ぶなんてありかよ!?」

 ポチは悔しがっていた。

 だけどラルルは楽しそうに目を輝かせた。

「あの子たちもハロウィンに誘おうよ! ドラゴン、かっこいい!!」

 ラルルは、きらきらと純粋な瞳でポチを見つめる。

「はあ!? 何言ってんだよ──」

「さ、はやく追いかけようよ。いけっ、すすめぇっ、ポチ!!」

 ──ぺちーーーーーんっ!

「いてえ!! ケツ叩くんじゃねえよばか!」

 その頃、カレンとハウルはドームの観客席からモニターに映る二人を観ていた。

「ありゃりゃ、なにやってんだよあの二人」

「あっはっは。でも見てると面白いねえ、ほら観客もみんな笑ってるよ」

 おしりを叩くラルル、暴れ馬のようなポチが大きな画面に映った。子供から大人まで、みんな大笑い。

 ハウルは顔を押さえて恥ずかしそうに「ハア……」とため息をついた。

「やっぱり、私たちも出ればよかったかな?」

「いや、いいさ。こうして見ている方がよっぽど面白い」

「それもそうね」

 屋台のメニューを食べすぎて、二人だけ受付が間に合わなかったこと。

 そんな事はもう忘れることにしたカレンとハウルだった。

 もう先頭を走る二人組は見えなくなったけれど、ラルルとポチはそれでも走っていた。後ろにも前にも他のチームはいない。

「絶対に優勝してやるぜ……」

「だって商品はおだんご一年分だもんね」

「そうじゃねえ! 俺はフェンリルのところで修行してたんだ、負ければハロウィンに参加してもらえないかもしれない」

「ええ!? 大変じゃん!」

「だから絶対に、俺は……!」

 たくさんの木をよけながらコースを走る。

「あれ? あそこに大きなトンネルがあるよ!」

 黒い穴のようなトンネル。先が見えない、真っ暗だ。

「おい、コースってこっちであってるよな?」

「うん、間違ってないみたい」

 ラルルは地図を広げて確認した。

「よォし、じゃあ突っ込むぞ。行くぜ!」

「おー!」

 二人は黒いトンネルの中へと飛び込んだ。

 一方で、スタート地点の会場では、真っ黒になってモニターが映らなくなっていた。

「真っ黒だねえ」「どうしたんだろう?」

 そんな声がカレンとハウルの耳には聞こえてくる。

 どうやら、先頭を走る二組のモニターだけが映らない。

 ヴォルとウィルトのウサギドラゴンチーム、それとラルルとポチのハロウィンチームだ。

「二人に何かあったのかしら」

「心配だな」

 すると実況のペリドットがとてもあわてた様子でマイクに叫んだ。

「こ、ここで速報が入りました! なんと、この大会の主催者である彦星が中止を宣言をした模様です! 繰り返します……大会は中止です! 一体何があったというのでしょうか、このペリドットにもわかりません!」

 そして、会場内アナウンスが流れる。

「大会参加者は速やかに会場に戻ってきてください。観客のみなさんはその場でお待ちください……!」

 ポチとハウルは不安そうにモニターを見つめていた。

「ポチとラルルはどうなったの!? あそこだけ画面真っ暗なんだけど!」

「おいおい、なんか、やばい感じになって来たな……。よし、オレ達は本部に行って二人の無事を確かめよう」

「そうね、行きましょ!」

 カレンとハウルは急いで大会本部へと向かった。しかし、そこに織姫はおらず、ボロボロの彦星だけが居た。カレンは急いで事情を聞く。

「彦星、何があったんだ!?」

 彦星は悔しそうに話した。

「織姫が、連れ去られてしまった……」

「「なんだってぇ!!?」」

「黒い影の動物が織姫を連れ去っていったのです……まもれなかった!」

「悔やんでも仕方ないわ。必ず、乙姫を助けよう……!」

 そのとき、カレンの通信機が鳴った。

「着信? あっ、魔女からだ!」

 カレンは通信機のスピーカーをオンにする。

『……大変なことになっている』 魔女は低い声でそう言った。

「こっちもなの。黒い影に織姫がさらわれて、ラルルとポチも戻ってこないのよ!」

「なあ魔女、そっちの『大変なこと』は何だ?」

 ハウルの質問に、魔女は一呼吸分の間をあげた後、話し始めた。

「黒い動物たちの影は今、世界中で一斉に悪さをし始めているらしい」

「「ええええ!!?」」

 二人はおどろいて通信機を落としそうになった。

 魔女は話を続けた。

「彼らは、私達にはまだ想像もつかないような大きな事をたくらんでいるかもしれない。二人とも、気をつけなさい」

「うん。魔女はこれからどうするの?」

「……そうだねぇ、まずは黒い影がどこから来るのかを調べてみようかしら。何かわかったら、二人に連絡するよ」

「ありがとう! 魔女も、気をつけてね!」

 通信機を腰のポーチにしまって、カレンは言った。

「人探しの基本は、まず、聞き込みね。行くよ、ハウル!」

「おう!」

 ポチとラルル。謎の黒いトンネルに飛び込んだ。

 でも、あまりの不気味さに二人は立ち止まっていた。 

「な、なんだよこれ。こんな変なコース、おどろきだゼ!?」

 四角い箱のようなものが、暗闇にふわふわと浮いている。

 それに、トンネルなのに出口が見えない。

 ラルルはキョロキョロと辺りを見回した。

「絶対おかしいよ! 一度戻ろうよ、ポチ──あっ、出口が無い!?」

「……このまま進むしかねぇみたいだな」

 一寸先は闇。

 ポチが走っていると、やがて、大きな光に包み込まれて、二人は目を細めた。

 次に目を開くと、そこはとても見覚えのある場所だった。

「あれれ? ここ、前に来た天狗の里じゃん」

「どういうことだ……?」

 広場にいるゾンビ達も、こちらを見ておどろいていた。

 そこへ、ヴォルとウィルトのドラウサチームが空から降りてきた。

 砂埃が舞い上がり思わず顔を背けた二人。

 ラルルはウサギのウィルトに言った。

「レースはどうしたのさ! あっ、まさか手加減してボクらを……」

「違うに決まってるじゃないか! こっちはいつだって本気だ」

「……そっか。疑ってごめんね」

「ま、いいってことさ。それに我らも先ほどは勝負だったとはいえ、酷いことを言ったな。すまなかった」

「いいよ! ねえ、ウィルト達もハロウィンに──」

 そう言おうとしたラルルを、ポチは止めた。

「待てラルル。今はそれどころじゃない。ウィルト、ヴォル。一体何があったんだ?」

「……君たち、黒いトンネルをくぐって来ただろう?」

「ああ、気味の悪いトンネルだったぜ」

「あれはもしかすると、黒い影が作ったものかもしれないんだ、そして──」

 ごくりとつばを飲み込む。

「織姫が黒い影に連れ去られている所を僕は見た」

「織姫が!?」

「おいおい……それじゃあ早く織姫を助けなきゃいけねえな。で、織姫を連れた黒い影はどっちに行った?」

 ウィルトは少し沈黙したあと、人差し指を上に向けた。

「天空の塔だ」

「はあ!? 空にあるのかよ!?」 

「じゃあ、ボクたちは行けないね……ボクは飛べないし」

 それを聞いたウィルトは「まてまてまて!」とあわてて言った。

 ウィルトは大きく両手を広げる。

「このドラゴン、ヴォル君に乗ってけばいいさ」

「乗せてくれるの!?」

 ラルルはきらきらとした目で見つめた。

 ヴォルは小さくうなずいた。

「もちろんだ、さあ乗ってくれ」

 ドラゴンのヴォルは大きな翼を広げた。

 たった一回のあおぎで、ぐんと空高く上昇する。

 真っ白な雲を突き抜けて、深い青の中を進んだ。

 遠くの空には塔が見える。ポチはウィルトに聞いた。

「あれが天空の塔なのか?」

「そうだと思う。黒い影はここらへんで消えたから、間違いないよ」

 深くて青い空。塔の頂上付近は、ぶあつい雲にかくれていて、よく見えない。

 ラルルはゴクリと息をのんだ。

「行こう」

 カレンとハウルは二人の通って行った黒いトンネルを発見していた。

 そして、くぐろうか迷っていた。

「お、おさきにどうぞ!?」

「いやいや、カレンから──どうぞ!」

 怖がっていた。

 いつまで経っても入れずにいる二人。

 やがて疲れたカレンはため息を吐いた。

「こうなったら二人で同時に踏み込むしかないわね」

「……うっ、仕方ないな、そうするか」

 少し恥ずかしいけれど、二人は手をぎゅっとつなぐ。

 そおっと一歩、つま先から。

 そのとき。

「なにやってんの、あんたたち」

「「ぎゃあああああ!」」

 同じ極同士の磁石のように、二人は急いで離れた。

 二人同時に振り返える。

「「魔女!?」」

「ラルルとポチは無事だ。あと、連れ去られた織姫の居場所がわかった。あ、あとそのトンネルは影たちがよく通る、近づかない方がいい」

 魔女は持っている杖で地面を叩いた。

 虹色の魔方陣があらわれる。

「そろそろ行こう。ヴァンパイアのいる天空の塔へ」

「「ヴァンパイア!?」」

 カレンとハウルは魔女に連れられて、天空の塔の入口にワープした。

 ここは、死んだ人をとむらい、魂を安らげる場所だと魔女は言った。

 そして、この頂上にヴァンパイアがいるらしい。

「どうやって頂上まで行くの?」

「これ」

 魔女が右手を上げると、どこからともなく箒が飛んできた。

 箒のふさの部分にはバズーカ砲のような口がついていて、カレンとハウルは目を輝かせた。最新型だ。

「これで行くの」

 魔女はそう言ったけど、ハウルはちょっと不安そうに箒を指さした。

「その箒って二人乗りだよな……?」

「そうなの。だから、悪いんだけどハウルは塔の階段を登ってきてほしいの。本当にごめんな」

 魔女は箒の後ろにカレンを乗せると、ハウルの返事も待たずに飛んで行く。

「そっ、それは酷いんじゃないか!?」

 ハウルがポカーンとしていると、遠くの空からペガサスがやって来た。

「魔女の使いです。さあ行きましょう、ハウルさん!」

 だが、ペガサスはハウルよりも小さくて、ハウルが乗ると飛べなかった……。

「ありがとう」

 ラルルはヴォルとウィルトにそう言った。

 ここは天空の塔の最上階。

 雲の上の塔。星がいっぱいで、宇宙の中に立っているみたいだ。

 ちょっと先には小さな鐘がある。その横には人影が。

「ねえボチ、あそこに誰かいるよ?」

「誰だ? あいつは」

 黒いマントに身を隠した男はこちらを振り返った。

「なっ……!?」

「……え!?」

 絶対にいるはずのない姿に、信じられないとつぶやくラルル。

 金色の髪をなびかせた、ヴァンパイアだった。

 ヴァンパイアとはハロウィン隊を作った初代リーダーだ。

 ラルルは会ったことはないけれど、写真で見たことがあった。

「とっくの昔に死んだはずなのに……」

「あっ、あなたは……どうして???」

 あの、強気なポチでさえもひるんでいる。

 ヴァンパイアは織姫を抱えたまま、じっと黙っていた。まるで寝起きのように、ぼーっとした表情。

 ここまで二人を連れてきてくれたヴォルとウィルトは気がつけば居なくなっていて、書き置きが横に置いてあった。

『ヴァンパイアが怖いので帰ります。ごめんね。ウィルトより』

「「ええええー!?」」

 ヴァンパイアは背中の羽を広げると、織姫を抱えたまま飛ぼうとする。

 ポチとラルルは走り出すが、間に合わない!!

 ──そのとき、夜空にひとすじの彗星が流れた。

 ──彗星はあっという間に迫ってきて──三、二、一。

 ドゴォォォオオオオン!!!

「隕石か!?」

「ヴァンパイアに当たったよ!」

 砂けむりが晴れる。そこには、なんと星の形をした小さな船が不時着していた。

 星の船のハッチが開いて、中から出てきたのは──ラルルがさけぶ。

「彦星だ! かーっくいー!!」

 彦星は倒れているヴァンパイアに向かって怒鳴った。

「やっと見つけたぞ、この人さらいめ。織姫を、彼女を返せ!」

 彦星はヴァンパイアから織姫をうばい返した。

「織姫……大丈夫か?」

「ええ、大丈夫よ。助けにきてくれたのね、ありがとう!」

「さあ、帰ろう」

「あ、ちょっと待って!」

 声をあげたのは織姫だった。

「わたくし達も、ハロウィンに参加していいですか!? レース中のあなた方を見ていると、とても楽しそうだったので……!」

 ポチはラルルにお尻をたたかれた時のことを思い出した。

「い、いいぜっ!」

「やったあ、楽しみにしてます!」

 キラン。

 織姫と彦星は星の船で空の国へと帰っていった。

 そして、彦星が落ちてきた時にぶつかった鎮魂の鐘がまだ鳴り続けていた。

 ヴァンパイアはその鐘の音を聞くと涙を流した。

「おれは……? ここは、どこ──」

 細い声で悲しそう。ヴァンパイアは羽を広げて落ちるように地上に降りていった。

「はやくヴァンパイアを追いかけなきゃ!」

 むぎゅう。

 ラルルはまだ変身もしていない小さなポチの上に飛び乗った。

 ポチはブチッとつぶれる。

「いやまてまてまて! ここは天空の塔の最上階だぜ? どうやって追うんだョ」

 二人は塔の最上階から、雲の下の街をながめた。

 すると箒にまたがったカレンと魔女がこちらに向かってくるのが見えた。

「ん? あれは──うおっ!? いきなり前に出てくるなよ!? あぶねぇなァ」

「おまたせぇー。……あれれ、ヴァンパイアと織姫はどこ?」

 ラルルはあきれた顔でため息をはいた。

「もう終わったよ……」

「ええ!? せっかく魔女も来たのに!!」

 ──バン!

 階段の扉が開くと、息を切らしたハウルがみんなをにらんでいた。

 わきには小さなペガサスを抱えている。

「はぁ、はぁ……性格悪い魔女め」

「べろべろべー」 魔女は舌を出して変な顔をする。

 カレンはハウルに飲み物をわたした。

「お疲れさま、ハウル。はい、栄養ドリンク」

「ありがとう──うまい!」

 魔女は箒のふさを、なでながら、ハロウィン隊の四人に言った。

「とにかくヴァンパイアについての詳しい話を聞きたい。一度地上に戻ろう」

 魔女は地面に魔方陣を描くと、みんなを花の街ポロックへと瞬間移動させた。

 その頃、空の国では。

「滅茶苦茶やな」

「滅茶苦茶やね」

 彦星と織姫は、スッカラカンになってしまった客席を見てつぶやいた。

「優勝者に渡すはずだったおだんご一年分も、あまってしまったわ。私たちだけじゃ、さすがに食べきれないよ、どうする? 彦星」

「うーん……。いっそハロウィンの日に配っちゃう、ってのはどうかな?」

「あ、それは良い考えね!」

 そんな話をしていると、会場のフィールドに、大きなドラゴンが降りてきた。

 ヴォルとウィルトだった。

「ふう、ヴァンパイアとか、超怖すぎだよ! ヴォル君」

「……ウィルト、お前はもう少し戦う術を身に付けたらどうだ? これだから王室育ちは……何のために旅に出たかわからんな」

「うるさいうるさいうるさいっ! ヴォル君こそ、いい加減に竜人化の仕方を覚えたらどうなのさ!」

 会場の真ん中でわちゃわちゃとさわいでいる。

「あれは──たしか優勝候補だったペアね」

 織姫はニヤりとずるがしこい笑顔で二人に近づいた。

「ねぇ~、君たちにちょっとお願いがあるんだけどぉー?」

「「ビクッ!!」」

二人はおどおどしていた。

 織姫を助けずに逃げてきたので、怒られると思ったのだ。

 しかし、織姫はつくり笑顔で二人に近づく。

「このおだんご、ハロウィンの日に子供たちに配ってくれないかなぁ?」

「「……え?」」

 予想外の言葉にウィルトとヴォルはポカーンとしていた。

 と、織姫は早口で、低い声で二人に言った。

「逃げたことは彦星に黙っといてあげる。だから、お願いしてもいいかしら?」

 にっこり。

「「は、はい!! わかりましたっ!」」

「ふふっ、よろしくね」

 織姫がはなれると、ウィルトとヴォルは「こわかったね」となぐめ合う。

 織姫は星のまたたく夜空を見上げて、彦星にそっとかわいい顔で笑った。

「月のレース大会、またやりたいわね」

「そうだね。今度は誰にも邪魔されないといいけど~」

「ふふっ、そうだねー……」

 そして彦星は腕をまくった。

「さ、気を取り直して、僕たちもハロウィンの準備をするか!」

「そうね、どんな仮装をしようかしら!」

 ヴァンパイアが行方不明になってから、初めての朝をむかえた。

 ハロウィン隊の四人と魔女は、近くのお店で朝ご飯を食べていた。

 魔女はラルルの隣で熱心に話を聞いている。

「つまり、ヴァンパイアは鎮魂の鐘の音を聞くと涙を流しながら逃げていった。そういうこと?」

「うん。なんだか、自分がした事にすごくおどろいているみたいだったよ」

「そうか。しかし、なぜ死んだはずのヴァンパイアが生きているのだろう。気になる」

 ラルルはもぐもぐと、肉とご飯を口に入れた。

 カレンは魔女に尋ねる。

「鎮魂の鐘に反応して自分を取り戻した、ってことは、ヴァンパイアはゆうれいまふぉかな?」

 骨付き肉を頬張りながら話しているので、何言ってるのかよくわからない。

 そんなカレンにハウルは注意する。

「おいおい、食べながら話すなよ。行儀が悪いじゃないか」

「なによ。そういうハウルだって、顔がベトベトじゃん。あんた、どこに口ついてんの?」

「うっ、うるさい! 腹がへってたんだから仕方ないだろうっ!」

「子供ね~」

「くっ……」

 カレンがハウルの顔をふいていると、後ろから変な音がしてきた。

 ふりかえってみると、お皿のごはんを一心不乱に食べ続けているポチがいた。

「はぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐ!!」

「完全に犬だな」 カレンは言った。

「ああ、犬だな」

「はぐはぐはぐはぐはぐはぐ……はぐ?」

 ラルルはエサ皿の前にしゃがむと、ポチの頭を優しくなでる。

「たべすぎ。……おいしいの?」

「はぐ!」

 魔女とハロウィン隊がお店を出ると、花屋のウサギのお姉さんが走ってきた。カレンは聞いた。

「どうしたんですか?」

「大変なんです! 今、町の広場に黒い影がたくさん集まってて──」

 急いで広場に向かうと、黒い動物の影たちが輪になって、倒れているヴァンパイアを取りかこんでいた。

 黒い動物の影たちは口々にヴァンパイアに話しかけている。

「大丈夫?」「思い出したの?」「ねえ」

 魔女は「ちょっとごめんよ」と言うと、輪の中に入ってヴァンパイアを抱いた。

「君たちは、一度死んだ者たちだね。それも、ずっとずっと昔に」

 すると、黒い影のうちの一匹は答えた。

「そうなんだ。ぼくたち、鎮魂の鐘を聞いてやっと正気に戻れたんだ」

 魔女は言った。

「ハロウィンは死人の魂が還り来る日なのは知っている。だが、今年はなぜこんなにさわいだり、迷惑をかけたりしたんだ?」

「ヴァンパイアはずっと昔に死んで魂になっていたの。でも、ある日突然、肉体を持って生き返ったんだ。多分、そのときに闇の力が放出されたからぼくたちは……」

 黒い動物の影たちはとても反省しているようだった。

 やがて魔女は手と手を合わせてパチンと音を出した。

「そうか、思い出した!」

「何を思い出したの?」 カレンは魔女に聞く。

「ヴァンパイアは不老不死だという伝説があったんだ。彼が生きていた頃、わたしは信じていなかったけれど、まさか本当だったなんてな……」

 魔女は眠っているヴァンパイアを持ち上げて箒にまたがる。

「あなたの記憶が戻るまで、わたしは何千年でも待っててやるからな。……ヴァンパイア」

 魔女はヴァンパイアを連れて、森の家へと帰って行った。

 しかし、残された動物の影たちは途方に暮れていた。

「ハロウィンが終わるまでは帰れないんだ。ぼくたちは、どこに行こう……」

 それを可哀想に思ったラルルは腕を組んで、いっしょうけんめいに考えた。

 そして『ピコン!』とひらめいた。

「そうだっ、黒い影さんたちもハロウィンに参加しようよ!」

 おどろいたように影たちはざわめいた。

「でも、このままの姿じゃ参加できない……皆に迷惑かけちゃったし、影だし……」

 しょぼんと小さくなる。

「うーん、そっかぁ……」

 こまっているラルルを見て、カレンは思った。

『こんなときこそ、猫姉としてラルルを助けてあげたいっ!!』

 カレンは「ちょっと待ってて!」と、街の入り口の方に走り出した。

 ラルルもポチもハウルも、広場に集まった獣人たちだって頭にハテナマークをうかべる。

「──あった!」 遠くでカレンがさけんでいる。

「なにがあったんだー?」 とハウルが。

「みんな、こっちに来てよ! はやく~はやく~っ」

 みんなはカレンの周りに集まった。ポチが不思議そうに聞いた。

「おいカレン、いったい何を思いついたってンだぁ?」

「ふっふーん。いい? ──黒い影はみんな、この中に入っちゃえばいいのよ!!」

 カレンが手に持っていたのはなんと、顔付きハロウィンのカボチャだった!!

「えええええぇぇえ!? この中に!?」

 ラルルは包帯が取れるくらいに口を大きくあけて、おどろいた。

「でも、猫姉の言うとおりだよっ! ここなら、怖がられずに楽しくハロウィンに参加できるね!」

 カレンは「そのとおりっ!」とラルルの頭をなでた。

「むしろ、絶対に喜ばれるっ!」

 どやっ。自慢顔のカレン。

「……入って、いいの?」

 動物の影たちは聞いた。

「いいよね、みんな!」

 ラルルが町のみんなに聞いてみる、すると──。

「ああ、いいよ!」

「一緒に楽しもう!」

「大さんせいよ!」

 といった声が聞こえてきた。

 影たちはうれしかったようで、泣きながら「ありがとう」と言って、町中にあるカボチャの中に入っていった。

 すると不思議なことが起こった!

「うわあ、猫姉すごいよ! カボチャが光って、動いてるよ!!」

 暗かった夜空が一気にオレンジ色へとそまってゆく。

 カレンは言った。

「これだけ素敵なランタンの灯があれば、ひとりぼっちでもくらやみはこわくないわね! よかったっ!」

 そしてハウルは、世界中にひびくような、大きな声で──さけんだ!

「さあ、今日はハロウィンだ! 性別、人種、はだの色なんて関係ない! みんなで楽しもーーう!!」

 ポチが空中にうかぶ巨大なクラッカーをならした!

 シャッパーーーンっ!

 オレンジ色の空に、たくさんのリボンがふりそそいだ!

 そしてどこからか聞こえてくるすずの音──。

 シャンシャン……シャン……。

「なんの音だ?」

 ポチは聞こえてくる鈴の音に耳をすませた。

「向こうの空から聞こえてくるゼ?」

 すると、ハウルは北の空をながめながら言った。

「もしや、サンタクロースだな!?」

 青鼻のトナカイに乗った、ひげの真っ黒なサンタクロース!?

 しかも、サンタクロースの背中には、あくまみたいな羽まで生えている!

 ラルルとカレンはぶるっと身体をふるわせた。

「「怖っ!?」」

 サンタクロースは町にいる子供たちに向かって言った。

「トリック、オア、トリートォー!」

 おいしいお菓子がふってくるのかと思っていると、なんと、空から降ってきたのは、剣や槍だった!

「うわああああああ!?」

 あちこちから叫び声が聞こえてきた。

 しかし、サンタクロースの投げた剣と槍は、ぽんと花火のようにはじけると、沢山のアメになって落ちてきた。

「アメの雨だ!!」

 ラルルも、街の子供たちも大喜びだ。

「ほっほっほっほー! ハッピーハロウィンじゃ~!」

 サンタクロースがお菓子を見て、ハウルは笑った。

「あのおじいさんも、やるなあ!」

 ──そして、世界のどこかの町では。

 天狗の里からやって来たゾンビ達が、子供達とおいかけっこをしていた。

 でも、なぜだか怖くない! なんでだろう?

 なぜなら、「トリック・オア・トリート!」と言われるたびに、いたずらをえらんでいたから!

 ゾンビの顔はへんてこりん。みんな笑いながら逃げている。

 そんな、楽しそうな子供たちを、カレン、ラルル、ハウル、ポチは高台からながめていた。

「たのしそうでよかったね」 とカレン。

「そうだな、がんばった甲斐があったゼ」

「──あれれ? 海の方から声がするよ?」

 ラルルの一言で、三人は赤紫色の海を見た。

「船かしら? どんどん近づいてくるわ……あれは確か──」

 カレンはラルルと興奮しながら顔を合わせた。

「「船と言えば……!」」

「「──ケット・ボーンズ号!!」」

「ミケ船長の船だ!」

 船が海岸にとまると、とても美しい歌声が波に乗って流れされてくる。

 街の人たちは「なんだろう……?」と砂浜に集まった。

 ケット・ボーンズ号の物見台。

 そこでは、ミケ船長と歌詠鳥が楽しくハロウィンソングを歌っていた!

 船からは黒いスーツを着たガイコツが、カッコいいダンスをおどり始める。

「やっほーい!」

 空の国から降ってきたミラーボールも砂浜でピョコピョコとダンスをおどる。

 疲れたときは、カボチャランタン達があたたかくて、やわらかな光で二人をてらした。

 ──世界中がハロウィンの色になった!


 ハロウィンの隊の四人は、つかれて、いつものお屋敷に戻って来た。

「いやあ、ハロウィンは大成功だね!」

 カレンは興奮ぎみでソファーに座った。

 ポチはその後ろから顔をのぞかせる。

「そうだな。でも、あのサンタクロースだけは、ちょっとこわいくらいだぜ……」

「黒い影も、ヴァンパイアもちゃんと自分の居場所を見つけられてよかったね!」

「そうだな。来年のハロウィンにはヴァンパイアと魔女も参加できるといいな!」

「ねー、みんなぁ~。せっかくだからこの成功を祝って、かんぱいでもしない?」

 カレンの提案にポチはとてもよろこんだ。

「おお、いいなそれ!」

「でしょ~?」 自慢気な表情をしている。

 ハウルはみんなのコップにジュースをなみなみとそそいだ。そして、「では」とコップを手に持った。

「えー、ハロウィンの成功を祝って。乾──」

「まってまって!」

「うおっ、ラルルどうした!?」

「……この乾杯をしたら、ボクらの楽しかった旅が終わっちゃうんでしょ? なんか、ちょっとさみしいな」

「……」

 ポチはラルルの頭にポンと肉球をのせた。

「オレだって寂しいぜ? でも、この旅を終わらせないと、オレたちは前に進めないんだ。でも、やっぱりさびしいな!!?」

 ポチはラルルの腕にしがみついた。

「うーん……困ったなぁ」

 するとカレンが「じゃあさ──」と言った。

「私たちの旅はまだ続くよ、ってことにしたらいいんじゃないかしら?」

「え?」 ラルルはあふれそうな涙を手でふいた。

 カレンは両手を広げる。

「だって、まだ出会っていない人達が世界中に沢山いるんだよ? もっと、もぉーーっと旅を続けなきゃ!」

 するとラルルはたちまち笑顔になる!

「わあ! 終わりじゃないんだね、猫姉っ!」

「ったく、良いこと言うぜ」

「よし、では決まりだな」

 ハウルはもう一度コップを空にかかげた。

「ハロウィンが成功し、俺たちの『旅』は終わった! ──しかぁし! ハロウィン隊の物語はまだ終わらない……! さあ、再び始まる冒険の音を鳴らせ!!」

「「「「かんぱーーーーいっ!!!」」」」

 ──キィン!

 グラスの音がひびくと同時に、なんと、屋敷のドアが突然を開いた!

「久しぶりだな、ハロウィン隊! 元気にしてたか!?」

「ミケ船長! それに歌詠鳥さんも……!」

 カレンは嬉しそうに歌詠鳥に抱きついた。

「お久しぶりです、カレンさん。海岸でのライブは聞いてくれましたか?」

「ええ、もえ最っっ高だったわよ!」

「──俺も忘れてもらっちゃ困るぜ!」 と、ヘンリーはラルルに近づいた。

「俺にもジュースくれよ!」

「へへ。だめ」

「ええ~!!?」

「うそだよ、はい! ヘンリーの分」

「お、ありがと!」

 やがてポチが耳をピクンと動かした。

「外の方でも音がしないか?」

 ハウルとポチがドアを開けると、なつかしい顔ぶれがそろっていた。

 サンタクロースにトナカイ、織姫と彦星、魔女やルーちゃん、フェンリル。あと、サムライと忍者軍団まで!!

「うわぁー、みんな、来てくれたんだ!」

 四人は家の外へと走ってゆく。

 この旅で出会えたステキな仲間たちが待つ、その場所へと。

 カレンはラルルの頭に手を置くと、ニーっと歯を見せて笑った。

「革命、本当におこせたね! ハロウィンの夜にさっ!」

 ラルルも笑顔で返した。

「うんっ!」


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