表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

楽しく書いただけでタイトルはないです

作者: poisson_lena

美しいと、私はついそう思っていた。

一人の男子が夕焼けのしたの海辺ですわっていた。ちょっと憂鬱そうな目で遠く眺めている。髪は夕焼けで金色に染まり、輝いていた。絵みたいに美しい。

そんなに強く景色を絵で残したい気分は初めてだった。頭の中に刻みたかい。そう思いながら、私は絵を描き始めていた。

「誰だ」私が沈んでいた幻は大声で破られた。「何を見てんだよ」ちょっと怒っているように聞こえていた。

「い、いや。夕焼け綺麗なと思って、絵を描きました。」私は精一杯考え出した言い訳を小声で返事をしていた。

「じゃ見せて」彼は言いながら、私の方を向かって歩いて来ていた。

近くなっていたら、私と同じ学校の制服だと気付いていた。顔は見たことないけど。

身長が高くて顔もきれい。それに勉強も運動もできそう。

「モテそうな人だなあ」

「今なんて言った、よく聞こえない」

やばっ、本音、漏らしたのかな。ちょっと気まずいと思ったのか、頬が熱く感じた。

「絵、まだ描く?見てもいい?上手だな、美術を勉強している?」

連続の発問に対してどう答えたらいいのかわからなかった。

うん、と、私はまた絵を描き始めていた。

ちょっと動揺したことを隠すために。

暗くなるまでの間、彼は隣に座ったまま、私の絵をじっと見ていた。沈黙の中、時間が止まったように感じた。楽しかった。

一番覚えていたのは、彼の睫毛は長かったことだった。


~おわり~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ