第14話 「オーク村の名探偵 1」
たったひとつの真実見抜く。
見た目はオーク、中身は人間。
その名も名探偵 進!
「決まったぜ……」
三十八歳の俺は某推理ものアニメのドンピシャ世代なのだ。
気分は名探偵で早速調査に取り掛かる。
――――――――――――
進 LV?
職業:ウ〇チ探偵
武器:虫眼鏡
あたま:なし
からだ:なし
うで:なし
て:なし
あし:なし
ステータス:寝不足
――――――――――――
殺害現場がどこなのか特定するため、ひとつひとつオークたちの寝床をしらみつぶしに調べていく。
あっけなく殺害現場の寝床は見つかった。
なぜ殺害現場がわかったかというと、血痕が寝床に残されていたからだ。
オークが殺されたその寝床は、上級オーク民の住む洞窟から離れたトイレにほど近い場所にあった。
風に乗ってウ〇チの香りが飛んでくる。それでトイレが近いということがわかった。
早速、一つ目の現場を実況検分する。
下草のつぶれ具合からいって、恐らくこれは単身のオークの寝床だろう。
ということは、ここは番長一家の寝床ではないということだ。
骨だけになってしまったオークは、ここに寝ていて殺されたのだ。
一体ここにはどんなオークが住んでいたのだろうか?
被害者は年老いた弱いオークだったかもしれない。
そう思った理由はちゃんとある。
社会的に弱いオークは洞窟の入り口から離れて住む。
洞窟は村のトップが住む場所で、洞窟近くの茂みには幹部やその家族の寝床が点在している。
年齢や社会的地位、力関係などが寝床の場所を決める。
そんな社会的な力の弱いオークたちの寝床は、必然的に洞窟から離れた場所になっているのだ。
その寝床を虫眼鏡で丹念に調べたのだが、犯人の遺留品や死亡と関係ありそうな証拠は残念ながら出てこなかった。
「手がかりなしか……」
ここはとにかくウ〇チ臭かった。
トイレは近いから臭いのはわかるのだが、それでも臭い。
鼻にツンとくる匂いが漂っている。
まるでトイレの汚物の中に埋もれて呼吸しているかのようだった。
◇
二つ目の殺害現場は、単身オークの被害者の寝床からほど近くにあった。
下草のつぶれ具合の大きさからいって、これは家族で何人かが寝ている寝床だろう。つまり、ここが番長一家の寝床だとわかった。
家長であるオス、つまり番長のパパは、狩りに出かけていて不在だった。
昨夜ここで寝ていたのは、被害者である番長の母親とその息子と思われる。
寝床や残された血痕の周辺を虫眼鏡で丁寧に観察する。
手がかりは見つけられなかった。
凶器どころかオークを殺した犯人の足跡すら見当たらない。
オークを殺せる力があるモンスターなら相当な大きさがあるだろう。
地面に足跡などが残っていてもおかしくないのだが、それらしき足跡は残っていなかった。
辺りはオークが何度も歩いて踏み固められているから、体重がオークより軽ければ残らないだろう。
それにあの殺害方法。
番長の母親は、頭蓋骨を残したまま綺麗に頭の具だけなくなっていた。
物理的攻撃で死亡したとは考えにくいような気がする。
物理的攻撃でなければ凶器はなんだろう?
魔法か? 魔法ならこんな倒し方ができるのだろうか。
しかし、他にも沢山オークがいる中で、わざわざこのオークを選ぶ理由が見つからない。
隣に小さなオークが寝ているのだ。もし騒がれたら袋叩きにされかねない。
とにかく謎が多い事件だった。
「くそっ、ここも手がかりなしだな……」
くそっで思い出した。
そういえば、今朝はまだウ〇チをしていなかったことを思い出す。
今朝の騒ぎでまだ糞をしていなかった。
トイレも近いのでついでに済ませることにした。
◇
トイレに行くとこれから用を足そうとする先客がいた。
その先客は大人のオークだったので、俺用サイズのトイレの溝幅とバッティングしない。つまり順番待ちする必要はなかった。
昔、中国にニーハオトイレというのがあったそうだが、オーク村に作ったトイレもまさにそれと同じだ。
トイレの溝にまたがりフェイスtoフェイス。
いくら顔を合わせているからって、トイレの溝にまたがりながら「いやー今日は晴れているねぇ!」などと陽気に会話を交わすことはない。
「あ、ども……」という感じで少し気まずい感じがするのは、人間もオークも同じだ。
先客のオークが用を足し終わり広場へと戻って行った。
俺はオークが消えてそこに現れた景色に驚いた。
ウ〇チ山が消えているのだ!
積み上げてあったはずのウ〇チ山が!
これでも真面目に書いているんだぜぇ。
ウ〇チの山が消えるよりビックリだろぉ?
ウ〇チウ〇チ連呼していますが、ちゃんと回収するので大丈夫です。
意味あってウ〇チ書いてます。これからもしばらくウ〇チ小説は続きます。
よろしくお付き合いください。進




