社畜1
ーーーーーーー有給。
それは人を虜にする魔法の言葉。
誰もが夢見、散っていく幻想。
かくいう俺も散りたる桜のように夢破れた。
まあ具体的に言えば、有給が取れなかっただけだ。
むしろここ1ヶ月は休みすら取れてないわ。
まさに俺の社畜ライフは「月月火水木金金」を地で行く。
就業時刻もタイムカード切っての23時だ。
もちろんサビ残である。
上司のとんち染みた無理難題や新人のミスの後処理。
相手先の圧力。
業務メール作成。 拝啓 お元気ですか。 俺が元気になりてーわ!
こんな風に独り言をぶつぶつ喋ることによる周囲からの失笑。
はぁー、異世界転生しねぇかなー。
てか転生フラグ立ってね?過労死もしくは交通事故で転生するんじゃね?
チートもらってー、王女様がこの世界を救ってなんて言うに違いない。
………
……
…
「バカ野郎!!てめえ何突っ立ってんだ!手ぇ動かせ!!」
「ひぃ!すいません!」
ふぇぇ、辛いよぉ。早く帰ってアニメ見たいよぉ。それにぼくは不知火作って人類を守護るんだ!
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場面転換して仕事終わると思った?ねえねえ仕事終わると思った?
終わらねえよ!!!!!
辛い!!!
社畜辛い!!
場面転換出来ない!!
今日は、あと営業メール送ってー、納品書書いてー、報告書書いてー、部下の指導してー、部長家まで送ってー、終電乗って帰るー。
多いなぁー。
仕事止めてえなー。ばたり。