五人の創生神
一人の少年が、薄暗い部屋の中で一つの映像を見ている。
それは、少年がいる世界が作り出した、とある英雄が覗き見た異世界の様子。
異世界侵略を行う際の偵察として使っているその能力にて、少年は現在ある世界を盗撮していた。
毛皮のスライム相手に大立ち回りを繰り広げる、雨外套を着こんだ二丁拳銃使いの様子を、食い入るように見つめていた。
それからしばらくして、少年の奥歯がギリギリときしみを立て始めた。
あまりに強くくいしばられた歯の根が、悲鳴を上げ始める。
「お前だったのか……」
名前は一緒だからもしやとは思っていた。
だがいくらなんでも、あいつは有名人。身ばれを恐れて同じ名前は使わないだろうと思っていた。
だが、あいつはそんなことを恐れてはいなかった。
バレたなら、バレたでかまわないと。
あの時と変わらあぬ傲慢さを保ったまま、あいつは再び少年の前に立ちふさがった。
「いいぜ、ソート。死神やろうが……今度は僕が」
お前のその慢心を殺してやる。
薄暗い笑みを浮かべながら、少年は暗く燃え上がる。
自らの顔に泥を塗った怨敵に、ようやく復讐がかなう好機を前にして。
…†…†…………†…†…
時刻は、ソートがいまだ現実世界の学校にいる時。
「じゃじゃ~ん! 買っちゃった!」
「バカじゃねェの?」
「ひでぇ!?」
放課後になり、HRも終わって生徒たちが部活や帰宅に三三五五に散っていく中、勇太がWGOのパッケージを見せつけてきた。
「おまえ、シャルルトルムの騒動が終わるまで買わないんじゃなかったのかよ!」
「いやぁ、たまたまB○OKOFFで売られているの見つけてさぁ。これは運命だと思って思わず買っちゃったのよ。ちょっとお高かったけど……」
「もうすでに中古売りがされているだと?」
その事実にソートは少し驚いた。WGOはVR初の本格シュミレーションゲームであるといわれているがゆえに、前評判はかなり良く、ソートが手に入れた初回盤などは、ネットオークションでかなりの高値がついていたのだ。
それが今では町の中古品店で売っているなど、はっきり言って異常と言えた。
「ほら、シャルルトルムショックで辞めちゃう奴が初期ではわりといただろう? そいつが多分売り出したんじゃないのかと……」
「どんだけ悪質なんだアイツ」
ゲームが転売されるってそれもうかなりの被害だろう。と、ソートはため息をついた。
もはやここまで来ると運営が動き出す領域じゃないか? と。
だが、
「まぁ、最近はあいつも鳴りを潜めているみたいだから、そこまで問題にはなっていないみたいだけど?」
「なに?」
「なんでも境界領域に出てこなくなったらしいぜ? ずっと自分の世界に引きこもっているらしい。その情報があったから、俺もこのゲームを買ったわけだけど」
「引退でもしたのか?」
「あいつの数少ない、フレンドという名のパシリがリークした情報によるとログイン自体はしているらしい。フレンド画面にはログイン状況が記載されるからな」
「じゃぁ……」
――いったいどうしたんだ?
いぶかしげに首をかしげるソートをしり目に、WGOに頬ずりしながら、勇太は決意表明を放った。
「とにかく、あのバカが沈静化したのはいいことだ。いい加減親御さんが課金しすぎってキレたりしたんだろう! 俺は今のうちに自分の世界を作って、硝煙渦巻く世紀末世界を作るんだ!」
「世界作り始めた段階で世紀世紀末っておかしいだろ……」
大いなる矛盾を内包しそうな世界の誕生に戦慄を覚えながら、ソートはすっかりシャルルトルムの名前がなくなった掲示板を除き、本当に被害がなくなったことを確認する。
「反省したのか……それとも」
その時だった。ソートの携帯にシェネからメールが入る。
実は、メールアドレスを登録した際に、ソートの世界に入ったメッセージが携帯にも届くように設定することが可能なのだ。
そのサービスがいかんなく力を発揮し、ゲーム世界のメッセージをソートの携帯に届けたのだろう。
――今日の視察に関してか?
と、ソートは考えメッセージを開く。そこには、
「……そうかい」
差出人はシャルルトルム。そこにはただ一つの文章が並ぶだけだった。
『首を洗って待っていろ』
と。
――どうやら今日の視察は、気合を入れないとダメらしい。
ソートはそのメッセージを見て戦意を新たにし、今日の試練に関して思考を巡らせ始めた。
…†…†…………†…†…
夜、ソートが夕食を食べてゲームにログインすると、帰ってすぐログインして招待をしておいた、五人のプレイヤーたちがそろい踏みだった。
「こんにちは~ソート君! やっぱり学生は時間がきちんと守れていいねぇ!」
「仕方ないだろう! チョット残業があったんだからっ!」
どうやら向うの待ち合わせで遅れたらしいテンガロハットの男は、シャノンの嫌味に即座に反応し、顔をひきつらせながら応戦した。
その男のビジュアルを、シャノンから聞いていた四人の特徴と照らし合わせたソートは、即座に名前を割り出す。
「ミスター・キッドさんですね? どうもこのたびは御足労頂いて」
「キッドでいいぜ? マナーがしっかりしているのはいいことだが、学生があんまり気を使うな。というか、ゲームの中でも会社員みたいな対応されるのはちょっと嫌だ」
「そうっすか。じゃぁ、そういう風に」
ゲームの中でくらいリアルを忘れさせてくれ。と、頭を抱えてうずくまるキッド。
苦労しているんだな。と、ソートはそんな彼の姿に同情しつつ、社会の厳しさに思わず身を震わせる。
そんなソートを見て苦笑いを浮かべるのは、バーテン服を着た老人だった。
「キッド殿。未来ある若者をあんまり怯えさせるものではありませんぞ?」
「ザ・マスターさんですか?」
「いかにも。私もキッド様と同じくマスターとおよびください、ソート様。昔はしがないバーテンをしておりましたので、こちらでもいいお酒を出しますよ? 成人した際には、ぜひともうちの店で一杯奢らせていただきたく」
ガチバーテンかよ!? と、バーテン特有の綺麗な立ち居振る舞いを見せつけてくる老人に、ソートは本気で感心した。
体感がぶれておらず、動さの一つ一つに無駄がない。接客業のために磨かれた熟練の身のこなしがそこにはあった。ソートがゲームで鍛え上げた、荒々しいガンカタの身のこなしとは雲泥の差である。
そして、
「きゃるるーん! 私はルミア・キャルル! アイとユウキと正義の使者! 《魔法少女世界》の創世神なノラッ! 悪は絶対許さないぃイイイイ!」
「……………」
「ソートさん。挨拶挨拶!」
「えぇい、極力視界に入れないようにしていたのにっ!」
フリッフリの衣装とイカレタ言動。先端に星があしらわれたロッドを振り回す変人――ルミアの姿を直視し、ソートは盛大に顔をひきつらせた。
――ま、まぁ世の中にはいろんな趣味の方がいらっしゃるし。もしかしたら魔法少女に憧れる中学生くらいの学生かも。
「はははは、流石のソート殿も戸惑っていらっしゃるな。やはり三十路の魔法少女には無理が――」
「あ゛あ゛?」
瞬間、何もない海の海流が濁流へと変わり辺り一帯の砂を巻き上げる。
それが収まったころには、アイアンクローをかまされた侍モドキ――ソード万次郎がルミアにアイアンクローをかまされて吊るされていた。
どう高めに年齢評価しても、最大で中学生程度の背丈しかない女の子が、腕に血管浮かばせながら成人男性を片手一本で持ち上げる光景はまさしくホラー。魔法少女に憧れる子供が見たら、失禁間違いなしな光景であった。
「なんか言ったかよ、万次郎?」
「な、何も言ってないでござる……」
「よし、次からは口に気を付けなぁ」
――ヤンキーやん!? と、ソートは心の底から震え上がった。
そんなソートをしり目に、やっとこさルミアの拷問から解放された万次郎という侍は、落ちた編み笠をかぶり直し、腰に下げた刀へと触れる。
――ん?
「失礼。挨拶の前に少し腕試しをば……」
「っ!?」
ゾッと背筋に走った寒気に従い、ソートは即座にティアマトを抜き放ち、本能に従い発砲した。
同時に、音速と錯覚するほどの速度で抜刀された刀身がソートに襲い掛かるが、見事側面を射抜いたティアマトの弾丸が、抜刀途中に刀の軌道を捻じ曲げソートに刀がかる程度で攻撃を終わらせる。
全身から冷や汗を流しながら、ギリギリの回避であった現状に荒く息を吐くソートに対し、刀を抜き放った万次郎は至って平然とした顔で納刀。
そしてニッコリと屈託のない笑みを浮かべ、
「いやぁ、やはりソート殿はあのソート殿であったか! VR業界の異端児にして、TSOの《技巧の爺》、幻戦の《斬撃の万次郎》、ユニーク・ヒーロー・オンラインの《焦土の天空王》とならぶ、BSOの《銃型のソート》!! おはつにお目に懸れてうれしいでござる! どうだろうか? この試練が終われば本気で一度殺し合いを」
「御免蒙る! テメェ、《弐チャン掲示板》のバカ共が囃し立てていた《VR四天王》の一人かっ! あんなふざけた選出基準の四天王に選出されてうれしいと思ってんのかっ!」
選出理由――《あいつら強さが頭おかしいから、ぜひともネット業界で吊るし挙げて、ピーンと来たら囲んでぶっ殺せるようにしておこうぜ!》というもの。
あんな決まりができたからこそ、俺は本格的にBSOを引退する羽目になったのだ。どこにいてもヤード単位で賞金稼ぎが攻めてきては、流石のソートも逃げるほかない。
GGYも「グランドクエストも終わったから」ということで、ゲームを引退するという形でこの追求から逃げたらしいが、天空王とソード万次郎は魔法なんて異常な存在があるゲームだったからか、情け容赦なくそいつらを迎撃したと聞く。
大戦染みた戦いを単独で演じ、しかもそれに勝利した二人は、その時新しいあだ名が与えられた。
《殲滅天空要塞》と《八百万狩り》という、何とも香ばしい二つ名を……。
当然のごとくソートよりも間違いなく強い。というわけで万次郎は、であったとしても喧嘩はしたくない、VR最強の名を冠する狂戦士なのだ。
「ちなみに万次郎さんはソート君が負けた時、次にシャルルトルムくんにぶつかってもらう予定の大本命さんよ?」
「こいつだけでよくねぇ!?」
「いやぁ、拙者シュミュレーションゲームは初めてでしてな。単独で攻め入って斬り殺せというならまだしも、異世界侵略には制限も多く……。というわけで、拙者が有利に戦うための場を用意するためにも、時間稼ぎは必須だったのでござるよ~」
いやぁ、面目ない! と全く悪びれもなく頬をかく万次郎に殺意を覚えつつ、
「ま、まぁ……今回は出資してもらう側だし、俺が負けても次があると知れたのは悪くない。おかげでちょっと肩の荷が下りたからな。だからさっき斬りかかってきたことは水に流す!」
「流していただかなくていいでござるよ? むしろ積極的に、やらないか?」
「流させてくださいお願いしますっ!」
許す方が許される側に土下座かますという、何とも珍妙な光景をソートが作り出す中、
「み、みなさ~ん。お茶が入りましたよ~。ゆっくりしていって」
どこからともなくお茶をくんできたシェネが、海底で土下座をかますソートを見て氷結する。そして、
「マスター……私の時はあんなにプライドって言ったのに」
「うるせぇ! 世の中には絶対ケンカしたくない連中の一人や二人はいるんだよっ! というかお前はそのお茶どこで手に入れた!? 遊びに来た息子の友達をもてなすお母さんかっ!?」
「は、はぁ!? 粗忽なマスターが粗茶の一つも準備できないから、私が苦労してお茶を用意したんでしょうが! 褒められるいわれはあっても、マスターに文句言われる筋合いはないんですけどっ!」
「粗忽物で悪かったですねぇ!?」
ギャーギャー喚きながら掴み合いを始めるソートとシェネ。もはやいつも通りの光景ではあるのだが、大多数のAIと同じ、自分を立ててくれるAIを持つ四人は驚いたようにその光景を眺めたのち。
「ず、ずいぶん変わったAIを連れておられるのでござるな……」
「あ? そうか? AIって大体あんな感じじゃね?」
厳しく禁煙を言いつけてくる自分のAIを思い出しつつ、唯一驚いていなかったキッドは驚くほかのメンバーを、首をかしげて眺めていた。
…†…†…………†…†…
「ご、ごほん。御見苦しいところをお見せいたしました。私はマスター・ソートのサポートAIのシェネと言います。以後お見知りおきを。ところで皆さん、皆さんのサポーターは?」
「あぁ、うちの世界の管理運営もしないといけないしな。あいつらにはうちのマイルームに残ってもらって、世界の監視をしてもらっている」
「他のマイルームを尋ねるときの常識ですよ? 時間がある以上は、世界を回して少しでも時間を進めるのが吉ですからね」
「なるほど……勉強になります!」
あれ? そういうことなら、マスターにしょっちゅうほかの創世神のところに遊びに行ってもらえばいいのでは? と、シェネは少し悪だくみを始めるが。
「まぁ、うちは今十二の試練中だしな。それが終わるまでほかのマイルーム訪問はできそうにないな」
「……………そうですね」
「何でちょっとがっかりしてるんだよ!?」
ソートの言葉によって、そのたくらみが水泡に帰した瞬間に絶望。おざなりな態度で詰問してくるソートをいなしつつ、他の創世神にも見えるように巨大化したウィンドウを展開した。
「では、今回の試練についてのレクチャーを行います。今回の試練は《軍の試練》。その名の通りどこからともなく表れた軍勢を、要塞都市で迎撃する試練です。今回の主人公はこの迎撃戦を指揮する隊長格の人物になる予定ですね」
「攻め込んでくる兵隊の種類は?」
さすがはβテスターと言ったところか。シェネの解説に対する質問はよどみなく行われた。手を上げたのはシャノンで、その質問に答えるべくシェネは一つ頷いた後、
「不明です」
「「「「「…………………」」」」」
他のメンツが絶句するのを見て、そっとため息をついた。
そりゃまぁこうなるわなと。
「おい不明って、お前らが作った試練だろう」
「えぇ」
「設定とか細かいことは決めなかったノラッ☆?」
「まったく」
「ではどのような試練と設定されたのですか?」
「それに関してはそちらに配布した資料をご覧ください」
同時に、創世神たちの前にウィンドウが開き、軍の試練の設定内容が提示された。
曰く、
《なんか、軍勢っぽいのを迎撃する感じで?》
「「「「いい加減すぎるっ!?」」」」」
「俺に作家の才能求めないでよっ!?」
「「「「「だとしてもこれはひどいっ!」」」」」
普通ならばもっとこういろいろと設定されているものであると、他の五人は力説した。
「日付とか、敵の種類とか……いろいろ決めることあったろうがっ!」
「簡単試練メイドとかしなかったのですか? 《場所》《内容》《討伐系の場合:敵の種類》《挑戦者適正》とかいろいろ決めるところが、項目分けされたものがあったでしょう?」
「なにそれ?」
「あぁ……初日はちょっと不具合が出てそれ使えなくなってたんだっけか?」
「だとしても調べることはできたノラッ☆! 今まで何してのノラッ☆!!」
「いや、シャルルトルムの動向が気になって、掲示板は大抵あいつのことを……」
「どこ行っても迷惑だなあの野郎! そして素人にも不具合で使えなかった機能があるってわかるように、アナウンスの一つでも入れろよ、クソ運営! こういうプレイヤーズサイトを見ない変人だっているんだぞっ!」
おのれクソ運営め! とキッドが気炎を上げるのをしり目に、きょとんとした顔をするソートを、呆れた様子で見つめたシャノンとマスターが一言。
「この試練が終わったら、次の試練の設定の変更を行いましょうソートさん」
「それがよろしいかと。レクチャーは我々で行いますので」
「あっ、はい……」
ようやく自分がWGOの基本事項すらわかっていないのだと悟ったソートは、借りてきた猫のように大人しくなった……。
やはり、相談できる知り合いのプレイヤーは、オンラインゲームには必要不可欠なようであった。
本当にこの人に任せて大丈夫なのだろうか? という、五人の創世神の視線を受け縮こまるソートをしり目に、試練の説明は続いて行った。
…†…†…………†…†…
「とにかく、今回の試練に関してはほとんど何もわからないということがわかりました。ログを読み解いたシェネ殿が何とか場所の割り出しと挑戦者の割り出しに成功したのが、唯一の救いでしょう」
シャノンがさきほどのシェネの説明を総括するのをしり目に、ひとまず復活を果たしたソートは何時もの戦装束に着替え始めた。
青と白の雨用迷彩を纏ったレインコート姿。
それを見た万次郎は満面の笑みになり、
「やってくれるのでござるか!?」
「いや、やらないって……」
「ではなぜ着替えを?」
「なぜって、討伐系のイベントは余計な犠牲が出やすいから、《神霊の杯》で下界に降りて介入するのは必須だろう?」
「え?」
ソートがさも当然と言いたげに放った言葉を聞き、他の五人は何か言いたげに顔を見合わせたが、
「どうするでござる?」
「言った方がいいんじゃ……」
「いや、でも今までは順調に世界を運営しているみたいですし。もしかしたらβとは違う攻略法になっているのかも。試してみる価値くらいは……」
「実際βと同じ方法でシャルルトルム殿に勝てるかどうかは怪しいですしな……」
「それを踏まえての視察なノラッ☆。とりあえず今は黙って見ておくノラッ☆」
「??」
突然集まり相談を介する創世神たちをソートは不思議そうに見つめるが、シェネは何となく相談の内容を理解しているのか、ダラダラと海の中で冷や汗を流す。
そう。彼らはβテスター。だからこそ知っている。
――試練に犠牲はつきものである。万人単位で人が死のうが、それで英雄が一人生まれるのならば、それは必要な犠牲だったのだと割り切る覚悟が必要だと。
結局、他の五人は黙ってソートの方針に従うことにしたのか、それぞれの神器を取出し、ソートに追従する。
その光景を見て、ほっと溜息をついたシェネは、
「今回は干渉者が多いので、私はここでお留守番をして皆さんのナビゲートを行いますね。第一目標は今回の試練の挑戦者予定である、ザバーナさんに会うこと。マスターは彼と合流して、今回の試練を乗り越えられるようアシストしてあげてください。では、ご武運を!」
「おう、行ってくる!」
そしてソートたちは下界に降り立つ。
ソートの世界が始まって以来の、群と群が戦う軍の試練。
神代最古の戦場へと。
…†…†…………†…†…
そんなソートたちを待ち受けていたのは、
「「「「「…………………………」」」」」
「フワフワッ! フワフワっ!! ウォ―――!」
熱心な顔でオタ芸をする、歴戦の戦士であるなどと知らずに……。
「ソートさん?」
「なんだ、シャノン」
「ベータからこのゲームにはあるジンクスがあるといわれていましてね?」
「ほう。どんなジンクスだ?」
「下界の人間は創世神に似るという……」
「あらぬ疑い掛けないでくれませんかねぇ!?」
俺はドルオタ属性持ってねぇよっ! と、憤りながらソートはちょっと泣きそうになりつつ、踊り狂う戦士――ザバーナの肩にポンと手を置いた。
登場人物紹介で終わってしまった……。はたしてこの濃い五人、うまく動かせるのか……今から不安です。
というわけで、軍の試練開幕!
ザバーナのステータスに関しては、気が向いたら書くかも~(白目