俺と夢の子
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気付けば俺は夢を見ていた。
隣には…"他人"がいたのに。
何故だか心地よくて。
安心してしまっている俺がいた。
それが不思議で不思議でたまらなくて、今日1日中頭からずっと離れなかった。
本当に"他人"なんだろうか。
もしかしたらどこかで会っているのでは?
そんな考えがよぎる。でも、確かに会ったことはないはずだ。
夢に出てきたのは、茶色の長い髪をした女の子。
歳は16〜17といったところだろうか。
藍色のセーラー服と薄手の紺色のカーディガンに身を包み、俺の隣で静かに微笑んでいた。
特に特徴的だったのは腕の赤いリボン。
そして首に付けられた十字架のついた赤いチョーカー。
何度考えても俺はこんな子は知らなかった。
『約束。叶えようね』
あの子は約束という言葉を口にした。
もちろん会ったことなんて無いのに約束などするはずもない。
やっぱり聞いた方がいいよな。
「お前…誰?」
『何言ってんの~私のこと分かんないとか言い出さないでね?笑』
「ごめん。分からない」
口調的に知り合いなんだろうけど、どうしても俺は思い出せなかった。
『じゃあこうしたら分かるでしょ?』
そう言って彼女は俺を抱きしめる。
そして…
『群青色って素敵だよね』