光と闇 対なるもの
《光と闇
対なるもの》
彼女は光の存在を憎んだ
光は
闇を産み
彼女の醜くさを
より浮彫りにした
眩いばかりの
光の世界で
ぽつりと
浮かび上がった
己の影が
あまりにも
惨めで
虚しくて…
彼女は叫んだ
『私ハコンナニ醜ク無イ!!』と
彼女は
自分以外の人間を
否定した
周りの目は
彼女を追い詰め
劣等感を与えさせた
誰よりも自分は劣っている…
そんな錯覚さえ覚えた
彼女には
それが赦せなかった
それ故拒絶した
『オ前ラガ居ルカラ…私ハ劣ッテ見エルンダ!?』…と
彼女は全てを
憎み
怨み
否定した
それらは彼女の願い通り
全てが
消え失せた
そして残ったものは
混沌の闇だけだった
何もかもを飲み込む様な
純粋な黒
自分の存在が
闇に溶け込む
自分が存在して居るのかも
わからなくなった
彼女はやっと気付いた
外の光が
眩し過ぎて
自分の影にある
光が
見えて無かったこと…
他人が存在する事が
自分の存在する証であり
独りでは
意味が無いことを…
全てを失い
初めて彼女は思い知った
自分の愚かさを
何かに擦り付けていただけなことを…
彼女は泣き叫んだ
『私ハタダ、誰デモイイ…誰カニ認メテ欲シカッタダケナンダ…!!』
何も無い
暗闇の中
音は溶けていった
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