始めの第一歩
あれから一ヶ月経って里桜とは気まずいまま過ごしていた。
「おぃ、優雅、島田と仲直りしろよ」
「うるせぇなぁ、将紀には関係ねぇだろ」
俺に話しかけてきた野郎は盛野将紀だ。
クラスが一緒になったので話すようになった。
「米と里桜は意地っ張りだからね」
こいつは佐々木忠悟。
基本的にヘタレな奴だ。
家が近所で小さいときから里桜と3人で遊んでいた。
まぁ、腐れ縁って感じだ。みんなにも1人はこういう奴いるだろう?
「忠悟は黙ってろ」
「酷ッ!!心配して言ってるのに」
忠悟が心配するようながらか?
「まぁ、忠悟はお前らと一番付き合いが長いから心配なんだろ」
「そういうもんか?」
将紀の考えてることはよくわからない。
いつも先のことを読んでいるかのように話している。
「まだ、里桜ちゃんと仲直りしてないの?」
「ん?あ、綾さん!!」
なんで綾さんがここにいるんだ?
「綾さん、なんでここに?」
「ウチ、ここの生徒さかいいて当たり前や」
初めて知った・・・・・
「ちなみに1組やからたまには遊びに来てぇな」
隣のクラスなのか!?
今まで見たことなかったぞ!!
「おい、米、この可愛らしい人はどなただ?」
出た、忠悟の彼女つくりたい病。まぁ、女好きって事なんだけどな。
「ウチは内田綾ちゅうもんや、よろしゅうな」
「よろしくお願いしますッ!!」
忠悟の奴、滅茶苦茶上がってるじゃねぇか。
「よろしくね」
それに引き替え将紀は落ち着いてるなぁ~
これが将紀がモテて忠悟がモテない違いなのかもな、他にもあるけど・・・・・
「でも、優雅が謝れば済む話しやん」
「う~ん、そうなのかなぁ~。でも、なんで謝るんだ?」
「「「アホか?」」」
酷い!!3人でアホなんて!!
忠悟にアホって言われるなんて!!
「綾~、そろそろ授業始まるよぉ~」
「今行く!!じゃぁ、昼休みにな!!」
綾さんは友達と一緒に教室に戻った。
「綺麗って言うより可愛いって感じだったな」
変態忠悟・・・・・
「まぁ、確かに可愛いですけどね」
「あっ、米もそう思う?」
思うけど俺も変態の仲間入りみたいで嫌だな・・・・
「優雅はとにかく謝る」
将紀にも言われちゃったよ。
でも、なんで謝らないといけないんだ?
「なんで謝るかわからなくても、とりあえず謝れ」
「わ、わかったよぉ~」
将紀には口答えできない感じだ。
「と言うことで、島田ぁ!!優雅がちょっと話しあるって言ってるぞぉー!!」
えぇぇぇぇ!?今?ここで?いきなり?
「ちょ、将紀、どういう事だよ!?」
「だから、今謝ればいいじゃん」
なに、その無茶振り!!
「なによ?」
あらぁ~、里桜さんが来ちゃったよ。
どうしましょう?
「で、話しってなんなのよ」
しかも、ちょっと不機嫌って感じだし・・・・はぁ~、最悪だ・・・・・
しかし男優雅!やらなければいけないことは必ずやる!!
「そ、そのこの前は悪かった」
「この前って?」
「い、一ヶ月前にお前怒らせたじゃん」
「なんで怒ったかわかるの?」
「えっ?」
そんなのわかるわけねぇだろ。
大体俺は将紀にわからなくて謝った方がいいって言われたから
謝ったのにこれじゃぁ、意味ねぇじゃん。
「その様子だとわからないって感じだね」
「そ、その通りでございます」
「はぁ~、これだから優雅は・・・・・」
なんか呆れられたんですけど!
「今日の放課後久しぶりに一緒に帰ろ?」
「えっ?い、いいけど・・・・」
いきなり何を言い出すんだ?
ってか、機嫌直った感じだけど俺なんかしたっけ?
「んじゃ、もう、授業始まっちゃうから、また後でね」
「お、おぅ」
なんか機嫌いいけどちょっと不気味だ・・・・・