MANSTER
●『MANTRAL』との差別化には成功しているが、全体的に方向性が見えない印象が。
【収録曲】
1.CHILD LOCK
2.SPIN!
3.MATTO LIFE
4.カメカメレオン
5.ナンバー
6.ブギーマン
7.ファンタジスト
8.MANSTER
9.ロリポップ
10.マイガール
11.PBJ
12.BABY I LOVE YOU
13.ヴァルハラ
14.KING M
Galileo Galileiが2024年に同時リリースしたアルバムのうちの一作。まず、冒頭を飾る『CHILD LOCK』の時点で「何だこれは?」と思った方は少なくないのではないでしょうか。彼らにしては激しめなロックナンバーになっていますし、メロディアスな面はほとんど見られず、歌詞も不穏。今作が『MANTRAL』(同時リリースしたもう一作)と異なる作風であることが、分かりやすく伝わってきます。
ただ、今作全体がそういう楽曲をメインにしている、というわけではありません。続く『SPIN!』は疾走感のあるエレクトロナンバーですし、『カメカメレオン』はトロピカル、『ファンタジスト』や『マイガール』はドリーミーな雰囲気が強調されています。最後の『KING M』はオリエンタルで儀式めいた感じで、全体的に見ると、あえて統一感が無いように仕上げたところでしょうか。
これで楽曲自体のインパクトが強ければ、その「統一感の無さ」を楽しんで聴けたのかもしれませんが、個人的にはそこまで至らない印象で、「方向性が見えない」というマイナス面が目立ってしまったように思えます。ある意味『MANTRAL』との差別化には成功しているものの、「やっぱり彼らには、ノスタルジックな雰囲気の方が似合うな……」と感じられた一作でした。
評価:★★★