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Bee and The Whales

●冷えているようで熱く、ポップなようでそうとも言い切れないアルバム。

【収録曲】

１．ヘイヘイ

２．死んでくれ

３．色彩

４．ノーキャスト

５．ピーターへ愛を込めて

６．ファーザー

７．I Like You

８．汐（しお）

９．君の季節

１０．愛なき世界

１１．Bee and The Whales

１２．ギターバッグ

１３．花束と水晶

１４．あそぼ

　Galileo Galileiの活動再開後初となるアルバム。どことなく影のある雰囲気はBUMP OF CHICKEN辺りを彷彿（ほうふつ）とさせますが、サウンドは全体的にかなり柔らかめといった印象を受けました。『ピーターへ愛を込めて』ではエレクトロサウンドを中心に聴かせたり、『愛なき世界』や『あそぼ』ではブラックミュージック的なアプローチを見せたりと、様々な音楽性を見せながらもどことなく「冷えた」空気感があり（北海道・稚（わっか）内（ない）で結成されたバンドというイメージのせいかもしれませんが）、分かりやすくメロディを聴かせるというよりも、そういった「雰囲気」を表現することに重点を置いているように思えます。

　ただ、その一方で、歌詞に関しては「君の隣にいる時だけが　死ぬほど美しい色彩になって」（色彩）や「気がつけば　君なしじゃいられない」（I Like You）、「一度死んでゼロになって　また恋をしなおしてみたい」（花束と水晶）等と、結構情熱的なものが随所に見られます。中でも、『色彩』に関しては比較的メロディアスに仕上がっていることもあって、個人的にはかなりツボにはまりました。

　メロディアスな面をもっと強調して欲しいところがありますが、そういった分かりやすい方向性で行かない辺りが、ある種の「彼ららしさ」と言えるのかもしれません。ポップな面を覗（のぞ）かせながらも、「売れ線」からある程度距離を置いた作風のアルバムといったところでしょうか。

評価：★★★★