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勇者に捨てられた死霊術士~彼女が最強に這い戻るまで~  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ
第3章「帝国の賢者」

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第19話「USA!!」

 すぅ……。

 ───薙ぎ払えッッ

『『『了解ッ(アイコピー)閣下(マム)!!』』』


 ズドンッッ、

 ドン、ドン、ドン、ドンッ!!


 新たな死者の群れもなんのその!!

 アメリカ軍が鎧袖一触でどんどん弾をぶっぱなし、死体の群れの数を減らしていく。


 対戦車砲の周りには、硝煙臭い薬莢が大量に散らばっているが、まったく故障もなく撃ち放題。


 ドン、ドン、ドン、ドンッ!!

  ドン、ドン、ドン、ドンッ!!

   ドン、ドン、ドン、ドンッ!!


 待ち構えている対戦車砲列に、ただボンヤリ歩いて向かう死者に敵うはずもない!


 一応、弓やら槍やらで反撃しようとしているらしいが、射程に入る前に大粒散弾に引き裂かれてグッチャグチャ!!


「な、なななんあ、なんですか! なんなんですか! なんなのだ、それはぁぁぁああ!!」


 動揺するロベルトであったが、対してエミリアは不敵な笑み。


「あは? これぇ?」


 スゥっ───、

「───キャニスター弾よッ!!」


 はぁぁぁああ?!?!


 そ、そんなの、

「おかしいだろうがーーーーー!!」



 ドカーーーーーーーーン!!


「しるか、ぼけっ」


 エミリアの冷たい突き放しの後。

 ザァァァァ……と、降り注ぐ大粒散弾が死者を、もう一度死者に……。


 死体は死体に変わり、二度と動かない。


 その死者たちを前に軽く瞑目したエミリアは、

「さぁ。もう、眠りなさい───……帝国軍の兵士たちよ。死者の魂まで、断罪しようとは思わないわ」


 帝国兵とはいえ、いまやもう愛しき死霊たち──────……貴方たちにも冥府が待っているよ。


 ───そこに、お帰りなさい……。


「まだだ!! まだだ!! まだだぁぁあ!

 帝国軍10万は不滅だぁぁぁああ!!」


 うーーー、あーーー、うぅーーー!

 ぐるるるる、ぐぅぅぅうーーーー! 


 ズルズルズルズルズル……。


 ロベルトの背後から、何体もの死者の群れが現れる。


 そして、瓦礫の下から顔を出す。


 なるほど、確かにキリがない。


 ……だけど、

「───アメリカ軍相手に物量?」


 そう、だけど───だ。


 ふふふ。


「───ふふふふふふ」


 ふふふふふふふふふふ。

 あはははははははははははははははははははははははは!!


「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」


 心底オカシイと笑うエミリア。


 それを顔を歪めながら、憎々し気に睨むロベルト。


「こ、この売女め! な、なな、何がおかしいのです!」

「おっかしいわよぉ────あははははは」


 ギリギリと歯ぎしりするロベルトを、クスリと笑って挑発。


 だぁぁって、そうでしょ??


「私ね───……物量勝負なら負ける気がしないもの」


 呆れた物量を誇るアメリカ軍。


 ()の者たちの戦術理論(バトルドクトリン)は常に数の優位。


 物量の優越がなくして、戦いなどあり得ない───。


「おいで……愛しのアメリカ軍よ───」


 ズズズズズ───!!


 魔法陣より出でる無数の軍勢!

 そう、無数に!!



 ギャラギャラギャラ……。



 深緑のボディを煌めかせるのは、スチュアート軽戦車!

 かの戦車はが騒々しい音とともに、



 ザッザッザッザ!!



 その背後からは、火炎放射器を担いだ工兵たちが群れを成して、



 ゴロゴロゴロゴロゴロ……。



 そして、追加の対戦車砲が砲兵と共に何門も!!



 アメリカ軍。

 アメリカ軍。


 ───アメリカ軍!!!



 どこから、どこまでもアメリカ軍!!!


「───な、なんななななななな、なんですかそれは!?」


 あはは、見てわからない?

「───アメリカ軍(世界最強の軍隊)であるッッ!!」


 ……ドォン!!

 と、腕を組んだエミリアの周囲を───ズラッと埋め尽くすアメリカ軍の兵士達!


「そ、そんなの……。そんなの───」




 そんなの──────!!!



 さぁ、

「───終わりよロベルト。さぁさ、かかっておいでなさい」


 エミリアの言葉に答えるように、ビュン!───と矢が放たれ、彼女を貫かんとするもッ!


「ぬるい」

 パシィと、それを受け止め投げ捨てる。


 そして、


 発射地点に向かってアメリカ軍が一斉砲撃!


『『『発射ぁぁあ(ファイヤァァア)!』』』


 スドドォォオオオン!!

 あっという間に紅蓮の炎に包まれる死体の群れ。


 とくに、矢を放った着弾点は念入りに更地に変えられる。


 ふふふふふ!

「……一発の矢には、千発の銃弾で答えよう!」


 ダダダダダダダダダダダダダダダン!!


「───10発の魔法には、万発の砲弾で答えよう!」


 ズドン、ズドンズドンズドンズドン!!!


「───百人の騎士には、十万の兵士(GI)を送りこもう!」


『『『『『U・S・A!!』』』』』


 平伏せ、帝国の愚者どもよ───!!


 『『『U・S・A』』』

『『『『U・S・A!!』』』』


 U・S・A───!!!



「U・S・A!!」



 謳いながら、ロベルトを睥睨するエミリア。


 そして、驚愕のためか体をガクガクと揺らすロベルト……。


 驚いたかしらロベルト?


 これがアメリカ軍。

 私の──────新し


「そ、そんなの───」


 ん?




 そんなのって─────────!!!





「──────いいッ!!」


 ニコォと微笑むロベルト。

 いつもの細目がさらにキュウと細くなりキツネのようだ。


 そして(のたま)う。

 

「いい!! いい! いいぞ、エミリア!」


 ───いいなぁぁぁ!!


「───いいなぁぁぁあ!! それ、それが、欲すぃぃぃぃいいい!!!」


 ロベルトが目を輝かせて恍惚とする。


 あぁ!

 あぁぁ!!


 あぁぁぁぁッ♪♪♪

 

「エミリア!! エミリア!! あぁぁぁ、エミリア!!!」


 愛しい、愛しい、愛しいエミリア!!


「あぁぁぁ、好きだ!! 君が好きだエミリア!!」


 欲しい、欲しい、欲しいエミリア!!


「ああああああ、どうすればいい?! どうすれば手に入る───!!」


 愛している、愛しているよエミリア!!


「何でも出そう───。何でもしよう!! だから君に、愛を囁かせてくれッ!!」


 耳元で、ベッドで、永久に語り合いたい!!


「好きだ好きだ好きだ好きだ!! あの夜に君と会った瞬間───恐怖とともに、私はアナタを愛していたんだ!!」




 エミリアぁぁぁぁぁぁあああああああ!!



 万感の思いを込めた大賢者告白に、エミリア・ルイジアナはたった一言。




「………………きもッ」

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