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勇者に捨てられた死霊術士~彼女が最強に這い戻るまで~  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ
第3章「帝国の賢者」

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第18話「キャニスター弾」

この、

「外道がぁぁぁぁあああ!!」


 帝都中の───……そして、エミリア達が殲滅した帝国軍が再び起き上がり立ち向かってきた!


「ひゃははははははははは!! 見ろッ、これが私の死霊術だぁぁぁああ!!」


 ヒラリヒラリと舞うようにして、ロベルトが死体の群れに飛び込んでいく。


 そして、まるで死霊の軍勢の主のように振る舞うと───。


「征けッ。私の愛しいアンデッドたち! 逝くのだぁぁあ!!」


 ズルリズルリズルリ……。

 死してなお酷使される帝国軍。


 彼らに何の同情もしていないが、死霊術を名乗られるのは業腹ものである。


「ふ………………。くだらない男───」


 そんなものがアンデッド??

 ……所詮、こんなものは紛い物。


「いいわ。相手してあげる──────。何十、何百の敵を受け入れるくらい、とっくに経験済みよ」


 私が欲しい?


 …………だったら、


「抱いて見せなさいッッ!!」


 いでよ!! アメリカ軍──────!!


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!


 地面からせり出した魔法陣。

 騒音をたてながら、海兵隊が大砲を転がしつつ現れる。


傾注(アテンション)!!』


 美しい敬礼を決めた海兵隊の砲兵。

 彼らの押す大砲は───、


※ M3、37mm対戦車砲 ※


 口径37mm

 全長3、92m

 全幅1、61m

 全高0、96m

 重量413Kg

 初速884m/s

 最大射程6、9Km

 弾種、

 徹甲弾、榴弾、キャニスター弾、曳光弾


※      ※      ※


 それは、対戦車砲。

 太平洋戦線で散々日本軍に痛い目を見せてきた戦車キラー。

 そして、大型散弾(キャニスター弾)により、歩兵を惨殺した恐ろしい兵器でもある。

 

 ゴロゴロと重々しく、黒々とした砲口をとみせる無骨な対戦車砲。


 その威容に、初めてロベルトが驚愕に目を見開いた。


「な、なななな、なんですか、それは?!」


 魔法陣の中から次々に現れる海兵隊。

 彼らはらズラリと37mm対戦車砲を並べると、その砲列をもって死体の群れに照準を付けた。


「彼ら? ふふふ。彼らは、私の愛しいアンデッドのなれの果て───いいえ。新しい私の死霊たち…………愛しきアメリカ軍よ!」


「あ、アメ───??」


「───語るに及ばず!」


 ただ、知れ、

 ただ、見よ、

 ただ、聞きなさいッ!!


「そ、そんな子供だまし」


 そう思うの……?

 ならば、知りなさい───。


 鉄火の威力を!


 すぅ……。

「───撃てぇぇえ(ターキー)!!」

『『『発射ぁぁあ(ファイヤぁ)!!』』』


 ──────ドンッッッッ!!


 ドン、ドン、ドン、ドンッッッッッ!!!


 計5門になる砲列が一斉に火を噴き、死体の群れに突き刺さる。


 ボンッ!!!


 発射弾薬は37mm砲用のキャニスター弾(大砲用散弾)!!

 その中身は……………!


 ──ザァァァァア!!


 と、『無数の弾子』がばら撒かれ───憐れな死体どもを薙ぎ払う!!


「ひぃ!?」


 ロベルトにギリギリ届きそうな範囲で、死体の群れが放射状にぶっ潰され、グッチャグチャに潰れていく!!


 頭部とか、ホムンクルスとか、もうそんなもの関係ない!


「あははははははははははははは! さぁ、大賢者さん。──────私が欲しいんでしょ? ねぇ、まぁだ~?」


 自らの手で体をさすり、薄い身体のラインをマント越しに強調してみせ、熱い吐息をはく。


 うふふふふふふふ……。


 私はここよ。

 ここにいるわよ?


「さぁ、さぁ、さぁ、さぁぁ───欲しければ、抱いてごらんなさい! ここまで来れば、愛してあげるわ!」


 大賢者ロベルトぉぉぉおおお!


 あはははははははははは!!

 あはははははははははは!!


「ま、まだです!! まだまだまだまだぁああ!! 行け、アンデッドども!」


「違う違う違う───違うわよぉぉおお、大賢者ロベルト」


 ロベルトとエミリアが言葉の応酬をしている間も、アメリカ軍は黙々と大砲を放つ!!


 ドン、ドン、ドン、ドン、ドンッッッ!!


 たかが、37mm程度の砲弾だ。

 砲手にかかる負担も少なく、反動も駐退機で完全に吸収できるので、発射速度がやたらと速い。


 無数の死者の群れに、無数の弾子が食い込んでバラバラにしていく。

 それは、もはや作業だ。


「な、何が違う! 私の死者の軍勢だ!! 私の死霊術だ!!」



 違ぁぁぁぁあう……。



「それは、」

 そんなものは──……。



 ───ただの人形だ!!!



「だ、黙れぇぇぇええ!!」



 憤怒の表情でロベルトは言い放つと、懐からさらにホムンクルスを取り出すと空中にばら撒いた!!


「見なさい!! わ、私の研究成果を───!」


 バラバラと振りまけられたホムンクルス。

 そいつが、腹に抱いていた卵の様なものが粘糸を撒き散らしながら無数の子虫を放つ。


「汚い粘液……」


「ははは! 余裕で居られるのも今のうちです───。この瓦礫の下には、無数の死体が埋まっている! お前の卑怯な攻撃のお陰でな!! 私のホムンクルスは、」



 ───死体にも寄生できるのです!!



 ガラガラガラ……!!


「うーあー…………」

「ぐるるるるる……」


 なるほど、死体だ。

 艦砲射撃によってバラバラにされた死体だ。


 多少五体満足な奴もいるが──────。


「………………アメリカ軍相手に、数で対抗しようだなんて───」


 なんて、おバカな子。


「だ、黙れ、黙れぇぇぇぇええええ!!」


 行けッ!!

 私のホムンクルスども!!


「そう…………わかってるじゃない?」


 所詮──────人形(ホムンクルス)だってことがね!!


「違うっっっ!! 死霊術だぁぁぁああ!」


 ふ……ほざけ。

 そんな死霊術なら──────!!


 すぅ……。

「───薙ぎ払えッッ」


『『『了解ッ(アイコピー)閣下(マム)』』』

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