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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都決戦編

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IEP-76 圧倒的な力の差

「ぐっ!?」


直後。

アレックスは吹き飛ばされて地面に転がった。

あまりにも速い斬撃を防御しきれなかったのだ。


「キュウウウウッ!!」

「無駄」


シュネーが飛ばした数発の氷弾を、ユーレックスは片手だけで完全に静止させる。

そして、アレックスの傍に現れた。


「......く」

「情けない」

「.....そうだな」


ブレイブバーストを使ったところで、遠く及ばないのはアレックスも理解していた。

奇跡を期待したところで、無駄だ。


「努力の差か」

「そんな事は....ない」


ユーレックスの剣技は、特定の流派のものではない。

帝国であれば帝国剣技が、王国であれば王国剣技がある。

しかし、アレックスにはその斬撃に、我流特有の粗さと、誰かの技を真似たような不整合さを感じ取っていた。

自分なんかより遥かに努力しているのだ、目の前にいる女性は。

そういった意味を込め、アレックスは称賛を送った。

だが、ユーレックスはそれを素直に受け取ることはなかった。

再びアレックスが立ち上がり、先ほどと同じ事が繰り返された。


「特異点が多すぎる。このままじゃ....ユレル! まだ終わらない!?」

「待ってて。この雑魚、意外とやる」


ユレルの方も苦戦していた。

何故か?


「――――連舞!」


シャズがその真価を発揮し、結界を削りつつユレルに迫っていた。

それをヘルメスが支援する。


「邪魔! グラビリオン・ハザード!!」

「ブレイブレジスト!!」

「墜死!」


ユリアの上に回り込んだシャズが魔石を放り投げ、それを刺突で砕いてから、自由落下に任せて刺突を繰り出す。


「そんなもの、避ければ――――」

「スマイト・アビリティⅢ! 〈シールド・スマイト〉!」


直後、ユレルの周囲を光の盾が取り囲む。

Shieldではなく、Sealed。

先程石板に触れたときに、ヘルメスが習得した新たな力であった。


「死ねぇええっ!!」

「弱いくせに...っ」


直前でシールドが消え、ユレルの結界に短剣が突き刺さる。

結界が歪んで破損し、シャズは素早く短剣を抜いて退く。


「ママ.....私、恥は晒さないわ! 〈万界(グローブ・)翔剣砲(スフィア・)雷撃陣(カノンベース)〉!!」


直後。

ユレルの周囲を完全に覆う様に、複数の複雑な立体魔法陣が構築される。


「あんな魔法陣.......見たことがない」


アレックスであれば、ダンタリアンやリンドの使う魔術等で見たことのある立体魔法陣だが、平和な帝国でそのようなものを見れる筈もなく、ヘルメスは困惑する。

直後。


「死んで」


それらすべての魔法陣が、ヘルメスとシャズの方向を向く。

一拍置いて、魔法陣から剣のような魔弾が飛び出す。


「シングル・スマイト! デュアル・スマイト!」


ヘルメスはスマイトの盾で防ごうとするが――――

魔弾はスマイトの盾を一瞬で貫通し、回避しきれなかったヘルメスの右肩に突き刺さった。


「がっ........く....!」

「姫様ァッ!! 護陣ッ!」


〈暗殺者〉のスキルで、シャズはヘルメスを守ろうとする。

だが。

圧倒的に”格”が違う。

防御スキルは一撃で貫通され、シャズはその腹に魔弾を受けた。


「――――シャズ!」

「弱いくせに調子に乗るから、そうなる」


シャズを抱きかかえるヘルメスを嘲笑するようにそんな言葉が掛けられ、

二人の周囲に魔法陣が包囲するように展開された。


「......弱かったら、調子に乗ってはいけないのですか」

「調子に乗ったツケは自分で払うものでしょ。ママもそう言ってたもの」

「.........ママとは、誰の事ですか」


ヘルメスは浮かんだ疑問を口にする。


「勿論、ママはユ――――」

「ユレル!」

「......ごめんなさい、流れに干渉はできないの。だから――――死んで」

「いいえ。まだ死ねません――――アレックス!」

「ああ!」


ヘルメスはシャズを抱きかかえ、アレックスと共に背後へ跳ぶ。


「強いですね、敵は」

「そうだな.....正直、勝てる気がしないな」


最強の剣と魔法。

底の知れない謎の力。

通らない攻撃、積み重なっていく傷。


「だが、俺たちは勝たなければいけない」

「ええ」

「......その勝利が、何を齎すかも知らないくせに!」

「ユレル。.....知らなくて当たり前だけど、この時空は特異点が多すぎる。最悪にはならないかもしれない」


謎の会話をする相手を見据え、ヘルメスは剣を突きあげた。


「アレックス、勝つも負けるも、全て私たち次第ですよね?」

「連帯責任か? 当たり前だな、一人のせいにしても、死んだら意味がない」

「では、行きます! ブレイブ....ヒール!!」


スマイトの剣先から緑の光が弾け、アレックス、ヘルメス、シャズ、シュネー全員の傷が癒えていく。

完全回復という訳ではないものの、失ったはずの体力まで戻ってきていた。


「いつの間に、こんな力を」

「アレックスも得てるはずです......戦況がよくなるかは、分かりませんが」

「ああ....無理そうだな。出来る限りやってみるが」


アレックスは二人と一匹を庇う様に前に立つ。


「まだ戦うの?」

「ああ.......生憎、無駄でも頑張るのが、俺の主義だ」

「また、そうやって....」


アレックスのその言葉を聞いて、ユーレックスは痛々しい表情をした。

だがアレックスは気にせず、剣を構えなおし、叫んだ。


「ブレイブアーマーッ!!」


アレックスの体を覆う様に、半透明の非実体装甲が展開される。

それはまるで、アレックスが突然大男に姿を変えたかのような異質さであった。


「行くぞ」

「ええ!」

「はい!」

「キュウ!!」


そして三人と一匹は。

再び立ち向かう。


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