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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
序章

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Ep-11 新しい仲間?と美味しい晩御飯

(11/10)軽微な修正と追記。

晩御飯の時間が来た...のはいいのだが。

食堂の前で先ほどの男が俺に土下座してきた。


「さ、先ほどはすいませんでした姉御!」

「え?」

「姉御の凄まじいほどの技の数々、恐れながら鑑賞させていただきました!是非とも私めを姉御の舎弟にしていただきたく...!」

「ああ、そういうこと...」


そう、あの男...アスキーとか言ったかな?

はチンピラ風だったのだが、その気質までチンピラだったのだ。

俺に叩きのめされた後、護衛を率いて甲板にいる俺をリンチしようとしたらしいが、

その時に俺のスキル練習と雷龍化を見てしまったようだ。

それで俺の舎弟になりたいと...

俺を神とでも思ってるのかね?


「迷惑だからどいてくれる?」

「ははっ!姉御の命令とあらばっ!」


正直そういうの慣れてないから放っとくことにした。

なんか数人の護衛がこっち睨んでるけど俺は関係ないから!

向こうは神の如き力を持った綺麗な女の人にご主人様が仕えたいと言ってるのを蹴ってるように見えるけど、

実際は中身男が気持ち悪いストーカー男を拒否してるだけだから!


「はあ、晩飯のメニューは...」


確かここの晩飯は注文形式だったはずだ。

ゲーム時代も優秀なバフアイテムを選んで購入できる場として人気だった。

とりあえず俺は”赤”のコース料理を頼むことにする。

コースは全部で3つあり、

攻撃力主体のバフアイテムが貰える”赤”のコース、

防御バフ主体の”青”のコース、

経験値増加や獲得オルク増加の”黄”のコース。

赤ならば肉料理、青ならば野菜、黄ならば海鮮料理の組み合わせとなっている。

海鮮料理を出せるとはゲーム世界とはいえやるな!

多分代替インベントリの魔法袋とかで輸送してるんだろうな。

とはいえ、今日の気分は肉かな...海産物はやっぱり、海のそばで食べたい。


「ご注文は何になさいますか?」

「”赤”で」

「承りました。しばらくお待ちください」


しばらくすると、隣の席がうるさくなってきた。

そちらのほうを見やると、アスキーと他の客が言い争いをしている。


「席を譲れだあ!?俺たちが食ってるんだぞ?」

「黙れ!土臭い下民どもが。貴様らのような下賤な者はこの場にふさわしくない...諦めて、俺に姉御の隣の席を譲れ!」

「何やってんだドアホ!」

「あ、姉御!?」


俺はこいつを見誤っていたようだ。てっきり、舎弟になるふりをして近づいて油断したところをボコるのかと思ったが、マジで俺に心酔し始めているようだ。

冗談じゃない。憎まれるのは嫌いじゃないが、崇拝されるのは変な感じだ。

こちらから崇拝や尊敬を向けるのは良いが、向こうから尊敬や崇拝の念を向けられるのは慣れていない。正直うぜえ。

なので、ぶっ飛ばして止めることにした。


「いい加減にしろ!お...私の舎弟としてその態度をとることは許さん!まずはその態度から叩き直してやる!」

「あっ、姉御、やめっ、アッー!」


別にBL要素はないよ?

男と女の戯れさHAHAHA。

ちょっとぶん殴って天に昇らせてるだけだよ。


「っ、貴様!アスキー様に何を!」

「うるさいなあ、人に迷惑を掛ける舎弟なんていらないんだよ」


人がおいしい晩飯を堪能しようという時に隣の席で騒ぎやがって。

一緒に食ってやってもいいけど、人様に迷惑を掛けるのはいただけない。

他人に平気で迷惑を掛ける性格は、俺のもとに付くなら改善してもらわないと困る。

そうして俺はアスキーを殴り続け、それは前菜が運ばれてくるまで終わらなかった。


◇◆◇


「ワイン片手に料理を堪能...ああ、結局叶わなかったな...」


俺は一人寂しく肉料理をいただいていた。

結局転生しようが世界が変わろうがまだまだ酒は飲める歳ではない。

しかしジュースは肉にはどうしても合わない。素材の味を潰してしまうだろう。

よって俺は、一人寂しく、しかも酒無しで肉料理を食べることになったのだ。

...まあ、ファンタジー世界でこんな料理を食べられるのもこの世界の設定を作った人たちのお陰なんだがな。


「はぁ...」

「どうしましたかな?姉御」

「どわぁああああ!?」


一人寂しい食事に溜息をついた瞬間、真横から声が掛かった。

俺は驚いて椅子ごとひっくり返った。

け、気配を感じなかった...


「だ、大丈夫ですかな、姉御...?」

「大丈夫だ...それよりお前、その口調は?」

「ああこれのことですかな?私はあなたによって正しい姿に導かれたのです!言葉遣いから正すなど造作もないことです」


ああ、やっぱり殴りまくったので脳細胞がイカレちゃったか...

可哀想ではあるが、どうやって直せばいいかもわからんから、放っておこう...


「ああ...そうなの。じゃあとりあえず、部屋に帰ってくれない?」

「姉御の命とあらば!」


そう言うが早いかアスキーは凄まじい速さで食堂を出ていった。

はあ、いつもこいつのせいで雰囲気が破壊されるなあ...

俺はステーキを平らげてデザートをいただく。

そういえばゲーム中のフレーバーテキストではステーキはグレートファングボアの肉、サラダは野菜型魔物から、スープの出汁は昆布もどきとアークブラッドチキンという魔物の肉を使っているらしい。普通に高級品である。

平民が食べられるような食事ではないが、そもそもこの船は片道だけでもそこそこのお値段が掛かる。そして、食事は任意で付けられ、追加料金が発生する。

この食事を食べられるのは、富裕層か経費で落とす移動者くらいのものだね。


「デザートは...ゲーム時代散々見たな。バニラアイスか」


クリティカルダメージを増加させるアイテムなので、ボス戦の際散々食った想い出がある。

エインネック戦の時にも食べていた。ただ、VRゲームは味覚の再現までは出来ないので、

味わうのはこれが最初だ。

口に運ぶと、ザ・バニラな味が口に広がる。

冷たくてうまい。...がそれだけだ。

俺は甘いものはあんまり興味がないので、こういうものは久々に食うな程度の気持ちだった。食べ終わった俺は、しばらく外の風景を眺めつつ(と言っても雲しか見えないし暗闇だが)アンニュイな気分に浸った。


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