怖い先輩
部活終わり。今日も疲れたなとか思いながら防具などを片付ける。ここ最近は練習にも慣れてきて考える余裕も出てきて、自分が少しずつ周りについていけてると感じ始めていた。
ただ、同級生とか先輩と仲がいいかといえばそうとも言い切れなかった。ちゃんと話せてはいるけど、腹を割って話すような…高笑いしてしまうような仲では無い気がする。
というのも自分自身が踏み込めていないというか、心を許し切れてないってのがあると思う。まぁきっと慣れていくだろう。
片付け終わり、着替えようと部室へ向かう。
「おい」
「はい!」
すると呼び止められる。その人は自分の中では……『怖い先輩』という印象だった。
恰幅な横幅に太い腕。怖い目つきに高圧的な態度。一年生の中で一番怖い先輩はといえば三年生を出し抜いて先輩の名が上がる。
先輩の名は「佐藤 修斗」。呼び止められ駆け足で先輩の元へ向かう。先輩は、睨みつけるようにジロジロと見てくる。
さも、思い当たる節があるだろうといわんばかりなほどに
だが、そんなの無い
「あの……何のようですか?」
おずおずと聞くと
少し溜めたのち
「先生の道着、それと雑巾掛け。着替える前にしとけ」
えぇー?とついつい顔に出す。いや頑張っても顔に出てしまった。
「おい、返事は?」
「はい!!」
そう言って駆け抜ける。
他の一年とかにそんなこと言う場面あまり見たことない。そりゃ、怖い先輩だが何故か自分だけすっごくきつい。
あれ、やれ!とか挨拶ちゃんとしろ!っと気づけばすぐ言われ、結構精神的に来ていた。
同じ電車の先輩にそれとなーく聞いてみても「気に入ってるんだろ」としか言わない。後、結構ドSで、ある先輩に対する扱い。
思いっきり叩いたりだとか蹴るだとか(今思えばツッコミ?)でいつ自分がああなるのか不安で不安でしょうがなかった。
ーーーーーー
次の日だが
朝練で電車でいつも早く着いていただから電車組。すでに修斗先輩は先についており、部室で寝転がっていた。
自分は起こさないようにそーっと前を通り、そそくさと逃げようとするが……
「おい!……朱!こい!」
「はい!!」
呼び戻された。
「ちょっと筋肉痛やばくてよ。ちょっと揉んでくれねぇか」
「分かりました」
即答し、早速親指を押し込んでみる。するとグニュっとやわらく背中にめり込んでいく。
グニュグニュっと押していく。背中から腰、足と順に
その頃には汗だくになりながらマッサージは終了してもう朝練が始まろうとしていた。三年生も面白おかしく見ていた。
助けてくださいよ。
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