きついリクリエーション
担任と生徒の自己紹介が終わり。学年で古い体育館にあつまる。自分も合わせた一年生は赤い紐。二年生は緑、三年生は黒い色で分かりやすく分けられている。
そしてクソ長い校長の話だとか生徒会長の話。またまた部活紹介が始まる。
そんな中、眠気に耐えられずについついウトウトとしていた。
ーねちゃダメだ……!
そう警告するも虚しく体育座り顔を埋める。
瞬間、肩を力強くそれはガシッと掴まれ、起こされる。誰?っと横を見ると強面の表情をした中年の男の人がいた。
冷や汗をかきながらジッと表情を見る。というか怖すぎて目を逸らせなかったというのが正解だが
「起きろ」
その一言でもう眠気なんて全て吹っ飛んでもうそれはもうガンギマリだった。それなのに言葉は詰まる。
「はぃ……」
か細い声しかだからなかった。それを見てその男の人は元いた場所に戻る。
ーーあぁ、高校生活が終わったなーー
そう確信するのだった。
それから謎のスーツ男が壇上に立つ。職員にも見えないその人は、何気ない風に話しかけるように話始める。
内容としてーー初めての高校生活、知らない人もいるから近くの人とお互い自己紹介をしようーーというものだ
それはいい考えだとも思ったが、自分から話しかけるのは結構きつい。幸い、近くの人と円になって話す形となったのだが
「私の名前は上原 みくよろしくね。それにしても朱くん、すごいね。初日から怒られるなんて?w」
「まぁ……寝ちゃったからね」
と当たり障りなく答える。
それから順番に紹介していく。
「僕の名前は、橋下 拓磨。そこの上原とは幼馴染だよ。三年間よろしく」
と朝にミクと話してたであろう人物が紹介する。見た目は少しぷっくりしているものの大人しそうな性格に見える。
「私の名前は斎藤 かな。柔道で入ってきました。趣味は映画鑑賞です。」
次は左隣の席だった女子。上原に比べて女子らしいお淑やかさを感じさせる雰囲気。
「山田 鉄です。バレー部に入ろっかなって思ってます。三年間よろしく」
彼も大人しさを感じさせる。というか出会ったばかりでみんなそんな打ち解けて話すということはないというか。みんな大人しいってのが第一印象に過ぎない。
そして、とうとう自分の番に回ってきた。
「えっと……旅路 朱と言います。自分も部活で入ってきました。趣味は音楽を聴く事です」
と少しぎこちない笑顔を貼り付けて発表する。この時も背筋に変な汗が流れる感覚になる。
ーーー記憶にないーーーーー
どうしてか二人一組になれと言われどうしてか自分の周りに人が寄ってくる事もなく、心が折れそうだった。
どうして?ーー
と思った。分からないだろうけど担任の教師がチラチラ見てるような気がした。大丈夫です。覚悟はしていました。
「……ねぇ、大丈夫?朱くん?」
もう、半分ぐらい自暴自棄になりがちだシャーペンの先の方のキャップを回した勢いで駒にして遊んでいた自分はその声に反応する。
パッと顔をあげると話にかけてきたのは別クラスに行っていたあすかちゃん本人であった。
彼女は一人ぼっちの自分を見かねた自分に同郷の仲として話しかけてきてくれたのだろう。顔を覗かせてくる彼女は一瞬、天使なのではと思った。
「心配してくれてありがとう、大丈夫だよ」
そう笑いかけて近くの大きなグループに心を無にし突っ込む。
その時の彼女はなんとも言えない表情であったが、クラスの女子であろう人に呼ばれて元いたクラスに戻っていた。
その後の事は確か頑張って話していたのだがチラっと彼女の方を見ると彼女の周りに男女問わずの人だかりができていた。
あぁ、やっぱり自分とは違った明るくて住む世界が違うのだろうっとわかった。
同時に中学校の頃の記憶でいつも何人ともいる彼女を思い出していた
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