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3人目
「本当に抑えきれなくなったときはともに王を倒そう。」
「……そうですね、約束しましょう」
そううなずいたとき、またドアが少し開いて、ぎいという音を立てた。
「物騒な話してるわねえ、聞かれないようにしなさいよ~?」
彼女は注意をしながらも、楽しそうに頬を緩めて笑みを作る。片方の肩に寄り掛かるうねった金髪をくるくると器用に回しながら、こちらへと近づいてきた。どうやら彼女もこの国の戦闘員のようで、親しそうに目の前の赤髪と談笑を始める。
「それにしても面白い組み合わせねえ。白国騎士団長と魔王軍の隊長が手を組むなんて。向かうところに敵なしなんじゃないかしらー?」
「そういうのではない」
「そうだぞ」
「俺たちは心の苦しみを分かち合う、」
「心の友なんだ」
意気揚々と言えば、それも彼女にはおかしかったようで、ふふっと笑っていた。
「そのようですねー」
「何が可笑しい」
確かに異様な組み合わせではあるな、なんて納得しながらしばしの間お茶会のようなものを楽しんでいれば、三度目のドアの音で今度は自分がよく知る人物が出てきた。