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可哀そうな人

 まあそんなこんなでここに来たわけだから、最初この赤髪美人のお姉さんに何でここに来た、と聞かれたときお酒が欲しかったからと答えた俺は間違っていない。邪魔だとでもいうように長い赤髪を頭の上のほうでまとめた彼女は俺がため息を何度もつくのを聞きながら、忌々しそうに体にへばりつくマントをはらっていた。肩にボタンのようなもので留められた真っ白いマントに汚れ一つない白の服装。王国の印が縫われたジャボなどは、この国の騎士の格好らしい。


「本当のことを教えてはくれないか?」

「だから、さっき言ったじゃないですか」

「そんなわけないだろう。宴の邪魔をしに来たんじゃないのか?そんなまるでうちの国王のような……」

「え?いや、すべては本当のことです。あの魔王は我々の体調や迷惑などは考えず、ただただ自分の欲を満たすために一人で

王国に突進して来いというほど馬鹿お方なんです」

「そうだな、その上市民に対しても面倒を起こし、最終的にはすべて部下のせいにするという本当にこの世界のくずのような、」


 うんうん、っと頷きながら勝手に話を進めている。いつの間にか彼女もまた彼女自身の話を始めていた。


「今でさえももしかしたら俺が酒を持ってくるのも待ちきれずにこの城までのこのこ歩いてきてるかもしれませんし、」

「ああ、変わった魔物の肉が食べたいと私を使いに出しておきながら山のふもとで待っていたのはまだ浅い思い出の一つだな」

「「ん?」」


((もしかしてこの人/此奴……かわいそうな人なのでは?))



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