最期の悪あがき
そう彼の目の前にいたのは尻餅をついた女の子だったのだから
見た目は13才程度で弟と同じ位だろう。幼さは残るもののピンク色の髪は絹みたいでもう少し大人になって街を歩いていたら必ず声をかけられる美しさを感じる。
しかし何故こんな所に子どもが?普通に考えてあり得ない。それにさっきから気になっていた彼女の左目に巻いている包帯が気になる。
そんな事を考えていると彼女は髪を弄りながら立ち上がり
「もう、だれだよ〜ちゃんとお仕事位はしてよね」
と大声で叫んだ。するとそれが合図だったかのように黒い服を着た子ども達が何処からともかく飛び降りその内の一人が
「そんな事はどうでもいい。それよりも早くしろバチルが敵の増援が来ていると言っている」
「ふ〜ん、だったらバイバイしないとね、さよならおじさん」
そう彼女は言うと腰に下げていた日本刀を取り出し彼の首元に当てた。
彼は考えた、しかしこれしか方法は無い
「待て、いや待ってください。金ならいくらでもあります。ですから命だけは助けてください」
嘘だこれは咄嗟に考えた嘘である。しかしそれしか彼が生き残る方法は無いと考えたうえでの方法だ。
すると彼女は仲間達と顔を見合わせて苦笑いを作り
「僕たち、お金とか興味ないんだよねぇ
ただ単に仕事をこなすだけだよ」
と彼女のは嗤った。その笑みはまるで獲物が罠に掛かったかのような笑みだった。
彼はテレビなどの捕食シーンなど対して興味を持たなかった。それはそうだ人類はこの世の頂点に立っている。普通にしていれば襲われる心配はないと。
しかし現実は違った。彼の目の前にいるのは子ども形をした悪魔だ
だから彼は考える。彼は決して頭は良くない。どちらかといえば下の方だ。しかし彼は今まで生きてきた中で一番頭を使った。
(どうする?どうすればこの場から脱出することが出来る?勝てるか?ここにいる子ども達に、いや無理だ100人いた兵士を一瞬にして倒したんだ無理に決まっている。それに子ども達を殺すことなんてできるわけがない。)
と、彼は不意に彼女が首元に付けているブレスレットをみた。いや、ブレスレットというには少し違うだろう。どちらかといえば首輪みたいな物だそれに子ども達全員が首輪を付けている。
援軍が早く来る事を望み彼は時間稼ぎをする。
「いや待ってください。そのブレスレットみたいなのはなんなんですか?それを教えてから私を殺してください」
しかし、彼は時間稼ぎで言った言葉を直ぐに後悔することになる。彼らはそれを聞いたと同時に暗い顔になったからだ。
いや、一人だけ違った。彼女だけが怖い顔をしていた。
(な、なんで怒っているんだ?何か間違えた事を言ったのか?)
「お前の最期の言葉はそれだけか?ならば死ね、そして自分の愚かさを知るがいい!」
直ぐに撤回しようとした。しかし叶わなかった。彼女の方が一段と早く日本刀で彼の首を斬ったのだから
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2話目です。結構小説を書くのって難しいんですね