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お友達と初めての会話

登校時刻にはまだ1時間早いが昨日の万年詰襟陰険メガネから出された課題をやり始めた。


4ヶ月前の入学説明会時に見た物だ。

この2cmの冊子を見なくても頭が覚えてる。



30分経った頃にはノートの白紙は段々と少なくっていった










ガラガラっと扉が開いた。

シーブルーの頭髪が驚いたようにビクッと動いた。


数秒固まっていたが、生徒はそそくさと自分の席に着き、荷物の整理を始めた







登校時間の30分前に登校するのはこのクラスで

(カーティス・ケラー)


僕だけだ



入学してからいままで僕より前に誰かが居るなんてことがなかったから

さっきは驚いちゃった。立ったままじゃおかしいから自分の席に着く





たしか…スエード・ティーセン…だっけ

いつも着崩した制服に女の子の割に短い髪の毛


授業中はほぼ寝ていて、この前の筆記試験では学年ビリだったハズ…

普段周りに居ないタイプの人だからこの学校では悪い意味で注目の的だ


そんな彼女が今ひたすらノートに何かを書き込んでいる



「...」


10分が過ぎた


「...」





声を掛けたいけど昨日のあの女の子達みたいに


「あ?」




って返されたらどうしよう...




「あのさ!」

緊張で声が高くなる。恥ずかしくて思わず顔が赤くなってしまった



僕の変な声に気づいて彼女が振り向いた


こんなに顔をはっきり見たのは初めてだったから怖さと恥ずかしさとで言葉がでなかった


派手な顔立ちじゃないものの整っていて女の子らしい丸めの輪郭。

ややつりがちな目の周りを縁取る睫毛

細い鼻筋に小さい小鼻と色も形も薄めの唇


その唇が動いてやっと意識を戻した


「なに?」


「えっ!?」

急に聞かれたから思わず言ってしまったけど僕が先に声を掛けたんだった。


「あ、いや、その~...」

僕が口ごもっている間彼女は静かに僕を見て続く言葉を待っていた



「僕より早く登校する人がいるなんて驚いちゃって!なにしてるの?」

早口で彼女に伝えた





水色の頭をした同じクラスのえーっと...カーチス?...あーカーティス。

カーティス・ケラー


品行方正いかにも優等生らしい奴でこの前の筆記試験で3位だったって喜んでた。



多分毎朝30分前登校してるんだろう。


あいつ後ろの席だけど気づくぐらいジロジロ見てて

話しかけたそうにしてたけど生憎課題を終わらせたく無視してたら

声をかけられた。


振り向いたら人の顔じっと見てて、こっちから声掛けたら驚かれちゃって








これが初めての私のお友達との会話


まともに会話してないじゃん

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