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アルテリア魔法学校で最下位合格した男の話  作者: 霧雨
第一章 入学編

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23/202

#22 勧誘

三人で属性談義に花を咲かせていた、その時だった。


トレーを片手にした影が、迷いなくまっすぐこちらへ向かってくる。


「――やっぱりここにいたか、玲磁れいじ


篝火かがりび すばるだった。


落ち着いた雰囲気だが、火属性特有の“芯の強さ”が滲む。

女子の視線もちらちら飛んでくるが、本人はまったく気にしていない。


俺は軽く片手を上げ、手招きする。


「よ。座れよ、空いてるぞ」


「ああ、お言葉に甘える」


昴は自然に席へ腰を下ろし、

その瞬間、ひのでと目が合う。


二人ともすぐに気づいた。


「あ、寮の同室の……!」


「おう、切追きりょう。初日ぶりだな」


二人は軽く笑い合う。


朝が説明するように話す。


「さっきも言ってたけど、俺と昴、寮で同室になったんだよ。

 この人、めちゃくちゃ片付け早いし、生活リズムも整ってるし……なにより火属性なのに“落ち着き”の塊なんだよ」


昴は苦笑する。


「火は暴れる属性と思われがちだが、制御してこそなんだ。

 切追、お前はすぐ寝るから静かで助かってるよ」


「うっ……それ褒められてんのかな俺?」


遥花はるかがくすっと笑い、空気は柔らかく和む。



昴は俺の方へ身体を向けて、本題を口にした。


「そうだ玲磁。ちょうどいいから伝えておく。

 合体魔法研究部がったいまほうけんきゅうぶ、正式に申請を通した。

 仮承認も出たし、あとは部員集めだな」


朝が目を丸くする。


「え、もう通ったの?早すぎない?」


昴は肩をすくめた。


「玲磁の思いつきは、思いつきで終わらせたくなくてな。

 俺も興味があったし、どうせなら一緒にやりたいと思った」


俺は照れ隠しのように視線をそらす。


「いやあ、副部長が優秀すぎると助かるわ」


「なら部長も働け」


「はいはい」


朝が笑い、遥花も思わず口元を押さえた。



昴は二人を見渡し、

あくまで紳士的に、押しつけにならない口調で言う。


「二人とも、もし興味があれば――だが。

 合研部、来てみないか?

 属性の組み合わせを研究するから、どの属性でも歓迎だ」


朝が指を組んで考え込む。


「うーん……正直、興味はめっちゃある。

 光と時の組み合わせとか普通に見てみたいし。

 だけど、俺……もう決めたんだ」


俺たちが待つように視線を向けると、


朝はふわっと柔らかく笑った。


魔法芸術部まほうげいじゅつぶに入る。

 あっちの世界で、もっと光の“表現”をやりたい。

 美術も音楽も魔法も混ざってるし、俺にはあそこがしっくりくるんだ」


昴は納得したように頷く。


「切追には似合ってるな」


「うん。なんか分かる気がします……」


遥花も嬉しそうに言う。


朝は照れたように頬をかく。


「こういう感じで“自分の本音を言える場所”ってさ、意外とないからね。

 だから芸術部、たぶん向いてるんだ。

 でも――合研の発表とかあったら絶対見に行くよ」


玲磁が笑った。


「おう。観客として来いよ」



昴は次に、遥花を見た。


さくらさんはどうだ? 興味がなければ無理にとは言わない」


遥花は少し迷ったが、

胸の前でそっと手を握りしめ、言う。


「……やってみたい、って気持ちはあります。

 誰かの役に立てればいいなって、ずっと思ってたから。

 でも……ちゃんと考えてから返事したいです」


昴は優しく頷く。


「それでいい。急かすつもりはないからな。

 気が向いたら、いつでも来てくれ」


俺も続けて言う。


「遥花が来たら、部の雰囲気も明るくなるだろうな」


「そ、そんなこと……!」


遥花はまた耳まで真っ赤になった。


朝が茶化すようにひそひそ声で言う。


「玲磁、言い方ストレートすぎ。そりゃ照れるって」


「そうか?」


「そうだよ」



四人は、昼休みの終了ギリギリまで、

属性の話や部活の話で盛り上がり続けた。


光、火、土、時――

相性も違い、出自も違って、価値観も違う。


だが、不思議なほど自然に混ざり合っていた。

登場人物の多い小説を書いていて、気をつけなきゃならないのが一人一人の性格です。


違和感のあるようなことを言わせたり、やらせたりしてはいけない。


このあたりは、過去のやり取りを読み返したり、データベースと照合したりとそこそこ気を使います。


キャラ崩壊、ハタから見たらめっちゃ萎えますからね…

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