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アルテリア魔法学校で最下位合格した男の話  作者: 霧雨
第一章 入学編

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#15 魔法のような泥

 リュウ校長が去ると、グラウンドに再び風が巡り、沙羅さら先生が息をつく。


「……では、気を取り直して続きを行います。

 二四万にしま 虹矢こうや


「お、おう! まかせな!」


 虹矢が前へ出る。

 魔力値は10。だが目つきだけは妙に気合がこもっていた。


「えーっと……とりあえず火の初級魔法を撃つぜ!」


虹矢は両手を前に突き出し、詠唱なのか奇声なのか分からない叫び声を唱えた…。


「<ウおおおォリャーーーーッッ>!」


 ぐにょり。


 小さく湿った音とともに、手のひらからモクモクと煙が立ち込め、泥のような物体がベチャベチャと垂れている。


「おお!出たァァァ!!けどなんだこれ気持ちわりぃ、俺は火を出したつもりなのに!」


 虹矢本人が一番驚いている。周りのみんなは


「うわっ、何これ」


「土属性…にしてはドロドロすぎる。」


遥花はるかちゃんの土魔法とは正反対ね」


 酷い言われようだ。しかし、


「うん。よく頑張った。虹矢こうやくん」


沙羅さら先生は本当に褒めている声だった。


それからも遥花が土魔法を出し、魅亜が緊張しながら小さな火花を散らし、理紅虎がフェンリルを呼び出し――


クラス全体が少しずつ緩んでくる。


沙羅先生が全員を見渡す。


「――よし。

 初日はこれで十分。無理に大きな魔法を出す必要はない。

 魔法は“制御”だから、大きければいいわけじゃない」


 瑞翔みずとが小声で「俺のは小さすぎたけどね……」と漏らしたので「俺は大きさ以前の問題だけどな」と言い、二人で苦笑する。


「今日の授業はここまで。気を抜かずに寮へ戻りなさい」


沙羅さら先生が去り、解散となった。


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