#10 いざ、測定
「よし。では出席番号順にいきましょう。
121番、桜 遥花」
遥花が「は、はいっ……!」と前に出て測定。
410
「うん、遥花は平均より上だね。胸を張っていいわ」
「よ、よかった……!」
遥花はほっと胸をおさえて笑った。
なんか、見てるこっちまで安心するな、この子。
続いて魅亜。
660。
「…!?」
「マジで!?」
周囲がどよめく。
沙羅先生も腕を組んで頷いた。
「やはり素質は高いわね、魅亜。あとは実技さえ怖がらなければ、本来の力を出せるでしょう」
魅亜は耳まで赤くして笑っていた。
それにしても、“実技さえ怖がらなければ”ってなんだ?今日が初対面の俺には知る由もないが…ま、いいか。
続いて理紅虎。
300。
「フェンリルと一緒に鍛えれば、伸びる伸びる」
「頑張ります」
どこか飄々としてるな。自分の実力も伸び代も理解できているような反応。
それから瑞翔。
256。
「うわ、低っ……いや、知ってたけど……」
「君はそのままコツコツ伸ばせばいい。焦る必要はない」
「は、はい」
瑞翔はなんか普通だな。反応といい、先生からのコメントといい、一般的な男子高校生にしか見えない。安心する。
そして虹矢。
10。
「…………」
測定器がぶっ壊れたのかと思ったが、虹矢は肘をつきながら言った。
「ちっ、やっばまだ10かよ。くっそー、もっと上げてぇのに…!」
こいつさっき、885を出したいって言ってたよな。嘘には聞こえなかったし、本当に真っ直ぐなやつなんだな。まあ笑ってる奴も何人かいるけどな。
…俺が言うのもなんだが、どうして受かったのか不思議なくらいだ。
「あなたはそのままでいい。努力は絶対に裏切らないわ」
沙羅先生の声は妙に柔らかかった。
「これで最後ね。
150番…天竜 玲磁」
……来た。
俺は測定器に手を置く。
どうせまた入学試験の実技の時みたいに、“評価不能”とか出るんだろ、と思いながら。
ビーーーッ!!!
「うわっ、なんだこの音」
今度こそぶっ壊れたか?と思ったが、動作自体は正常…なのか?
-100
「は?」
「マイナス…?」
「魔力でマイナスっていくの……?」
周囲がどよめく。なるほど、やっぱマイナスおかしいよな。
沙羅先生は目を細め、ため息をついた。
「…玲磁くん。あなた、やっぱり普通ではない…」
「先生、その言い方怖い」
「怖いのは私の方よ。マイナス値が出るなんて聞いたことがない。ある意味、一番厄介だわ」
じわ……っと、背中が冷えた。ても、そのあと沙羅先生は小さく笑った。
「心配はいらない。
あなたはここから、ちゃんと伸びるタイプだから。
期待しているわ」
心臓が一瞬だけ跳ねた。
なんだその声……ずるいだろ。
初めて玲磁の異常性が描かれるシーンです。
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