バンドの名前が決まらない!(日常)
とある高校の軽音学部。そこで新たにバンドを組んだ男女四人は、チーム名が決まらないまま、学園祭を迎えようとしていた。
ボーカル兼副リーダー担当の陽向は遂に、バンド名の案出しを行うことにした。
「うーん。みんなの名前をとるのは?」
提案したのは、ベース兼リーダー担当の湊である。
「難しい気がするんだが……」
気難しい顔で言うのは、ギター担当の圭太である。
「なら、好きな食べ物にしない? しゃぶしゃぶとかどうだ?」
ドラム担当の智紀の提案に、全員が固まった。何を言おうか考えている彼らを他所に、彼女だけが寿司や焼肉、さらには塩辛などと言い出した。
「ローマ字にしたらかっこよくなるんじゃない?」
陽向はノートを見ながら呟く。思わず圭太は言った。
「おいおい、血迷ってねえか」
「調べてみたら、同じ名前のバンドさんあったよ」
パソコンを見ながら呟く湊に、圭太は思わず親指を立てた。湊は頷くと、陽向を見る。陽向は頭を抱えて言った。
「……このままじゃ無名バンドになっちゃう……」
湊は顔を上げる。
「無名バンド……いや、無名楽団なら漢字四文字でカッコよくない?」
メンバーたちは顔を見合わせると、そうかもしれないと頷いた。
こうしてバンド、無名楽団は誕生したのである。




