81「仲間想いの良いキャプテンだ。名誉ある死として語り継いでおこうか」
主人公 キャプテン 丈
デイビス アイビー アイディール部隊メンバー
マシュー/ノックオーガ ビータ/ノックワスプ
レナード/ADAMAS
カメレオンライフ
「……テン!」「…プテン!!」
丈は遠のいていた意識の中、周りから聞こえる爆音や何かが崩れる音、自分を呼んでいる声で意識が戻った。
「はっ…!?…何だ…?」
丈は誰かに担がれた状態になっていた。ボヤけた視界にはヒビの入った壁が目に入った。
「ようやく起きたかキャプテン!」
丈を担いでくれていたのはデイビスであった。その横にはアイビーが並走しており、表情からは安堵と何かに恐れていることが読み取れた。
「何が起きてるんだ?」
「俺たちだって何が何だか…!とりあえずレナードから逃げないと!」
丈は寝ぼけている感覚になっていた。先程まで昔のことを思い出しており現実に起こったことがあやふやになっていた。
だが、レナードという言葉を聞いて徐々に思い出してきた。
「そうだ…思い出した」
この日、丈はレナードの秘書のシモンズを尾行していた。だが、シモンズの正体は長年空中都市ユートピアに潜んでいた敵、カメレオンライフであり相対していた。
そして、誘導されるようにある部屋に導かれた。そこにはたくさんのカプセルとレナードがいた。
そこである真実を丈は突きつけられた。それは…
丈がいるこの世界は異世界ではなく、丈が生きていた時代から遥か何百年経った未来の地球であった。
丈は事故で昏睡状態にあった。人体冷凍保存技術により今の時代まで経過していた。
それをレナードは目をつけた。丈の顔を変えて、死んだと思われた生きる伝説のKind Wolfe キャプテンジョージとして蘇ったのだ。
それに、レナードはADAMASに変身し平和を謳い、丈とデイビスとアイビーを始末しようとしていた。
「そうだった…俺は……」
「え!?何か言った!?」
アイビーは爆音のせいで丈の言葉が聞き取れなかった。
「俺を置いていけ…君たちだけでも助かるんだ」
「ふざけたこと言うじゃねーよ!一緒に逃げて助かるんだよ!」
今の丈はいわば、作られた存在に過ぎない。そんな自分をキャプテンと言って付いてきてくれる仲間に、引け目を感じていた。
「お目覚めかな、キャプテン?」
丈達の後ろから声が聞こえた。振り向くとADAMAS/レナードが歩きながら着実に近づいていた。
「レナード…!!」
「仲間想いの良いキャプテンだ。名誉ある死として語り継いでおこうか」
ADAMAS/レナードは掌を地面に当て、周囲をダイヤモンドに変化させていった。
「なんだこれ!?」
「触れれば有機物 無機物関係なくダイヤモンドになる」
徐々に迫り来るダイヤモンド。アイビーは丈とデイビスを抱えた。
「うぉぉりゃぁああ!!!」
血管が浮き出るほどに力を込めて上空へ飛び上がった。
「踏ん張れアイビー!おぉらぁ!!」
デイビスのユニークで、金属を引き寄せ壁に穴を空け外へでることが出来た。
3人は着地のことを考えずがむしゃらに飛び、身体を地面に打ち付けた。
「いってえぇ…」
「あぁぁ…!だ、大丈夫か?キャプ、テン?」
身体を打ったことで痛そうにしていたが、デイビスの言葉には答えることがなかった。
「豪胆だな」
ADAMAS/レナードは3人の行動に感心していると、近くにいたユートピアの民がADAMAS/レナードの存在に気づき騒ぎ始めた。
「え、なにあれ?」
「近くにキャプテン達がいる?味方なのか?」
「雰囲気的にそんなわけないだろ!」
ADAMAS/レナードはそのよう様子に呆れながら、手をユートピアの民にかざした。
「やばい!民を避難させないと!」
「俺が行く!」
アイビーは痛みそっちのけでユートピアの民のところまで飛び、避難を促した。デイビスは近くの金属物をかき集めADAMAS/レナードに攻撃を仕掛けた。
しかし、軽々と受け止められダイヤモンドに変化して砕けた。
丈は乱れた息を整えながら壁にもたれ掛かった。生気を失ったかのような目で目の前の惨劇を見ていた。
その頃、地下のノックオーガ/マシュー、ノックワスプ/ビータVSカメレオンライフは、
「おぉおぉ!上は盛んに遊んではるなぁ!」
どこか楽しげな声で上を見上げていたカメレオンライフ。
「どこを見ている!」
ノックオーガ/マシューの金棒の攻撃を軽やかに避けた。
「レナードはんはスゴいやろぉ?この空中都市ユートピアを動かすためのコアシステムからエネルギーを供給してはる。だから無尽蔵に理不尽なことが出来るって訳や」
嬉々として話し始めたカメレオンライフ。その態度に腹を立てていたが抑えながら戦うマシューとビータ。
「減らず口が!」
ビータが攻撃を仕掛けようとした瞬間、カメレオンライフは手を前に出し、待ったコールをだした。
「あ!ちょい待ちぃや!」
「?」
「楽しい時間はすぐに終わる…これでドロンや!」
そう言い、カメレオンライフは風景と同化し消えていった。
「消えたのか!?くそ!」
「逃がしたか…てか、ドロンはビータがやれよ…」
ありがとうございました。
一応、本編最終章が始まりました!
過去を思い出していた丈が、現実に戻った時は最悪の気持ちでしょうね…
流れが分かりづらい人は70話以前の話を見ていてください!




