76 未来へ繋がる技術
小西丈/キャプテン 主人公
西条ゆきな 過去編ヒロイン
ゆきなを食事に誘ってから一時間以上経ち、ようやく彼女は集合場所に到着した。さぞ服装などに悩んだのだろうと予想してみる丈。
スカートを履いている。服装に無頓着そうな彼女なりの精一杯のおしゃれをしてくれたのだろうと思い、嬉しくなった。
「お待たせしました!」
「おはよー、全然待ってないよ」
息が乱れ髪が乱れ、少し色っぽくも見えた。
「じゃあ、お腹空いたし食べに行こうか」
「はい」
「あ、安心してね。ご飯食べたら解散にするからね」
ゆきなは心を透かされたのかと思うほど、不安を言い当てられた。
「あはは」
「なんでご飯に誘ってくれたんですか?」
「ええーそれ聞く?まぁゆきなちゃんのことを知りたいからかな?」
「え?」
胸の奥が痛くなった。心臓が高鳴り鼓動を打つのが聴こえてしまうくらいの。
「話しやすそうだし、なんとなく雰囲気が似てる気がするんだよね」
「似てる?」
「んー、見えているものは違うけど、一枚めくると同じ的な?」
飲食店に入り、丈とゆきなは様々な話をした。身の上話や世間話、お互いの仕事の話だ。身構えて来ていたゆきなにはいい意味で、拍子抜けな楽しい時間が流れた。
「へぇ~ゆきなちゃんは研究者なんだ。頭いいんだね!」
「そんなことないよ、たまたま向いていただけだよ」
「何を研究してるの?」
「んー、人を未来へ行かせること?」
「え!?タイムスリップってこと?」
「違うよ、秘密だからあんまり詳しくは言えないんだ」
「そかそか、実現できるといいね!完成したらそれ使ってみたいかも」
「ほんと?この研究は倫理的な問題あるから助かるよ~」
「え…?」
「嘘だよ笑」
微笑むゆきなをみて少しときめいた丈。
「ゆきなちゃんは笑顔が似合うね」
「やめてよ、そんなことないよ」
食事は終わり約束通りそこで解散となった。また2人で会おうと約束をした。ゆきなは親以外とこういう風に笑って話すのが久しぶりであった。
休日が明けた。ゆきなは出勤をして朝からある会議に出席した。その内容はゆきな達が研究していることについてだ。
「では、会議を始める。さっそくだが進捗状況はどうだ?」
「はい、もう数ヵ月で第一号は完成になります」
「そうか、だが被験者が募れるかどうか…」
ゆきな達の研究は、人体冷凍保存である。現代医療では治すことが不可能な病気がある場合に、治せることが出来る未来まで冷凍されているものがある。だが、それには不確定要素が多い。
そこでゆきなの担当は、それをどう克服するか。解決策としてゆきなは、冷凍される前に特殊な細菌を投与して身体を芯から凍らせずに、恒常性を保たせる方法を提案して採用された。
そうすることで、冷凍されただけで復活できないという要素を理論上解決できる。
解凍された後も後遺症を残さずに活動を目的としているが、それに応募するような人がいるのかというところで膠着していた。
ありがとうございました。
2人の距離が縮まっていき喜ばしい限りですよ。
さりげなく、少しずつ現代編に繋がる情報が出てきますね。




