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Re:Change! 異世界戦記 ~俺はもう一度やりなおす~  作者: 神山
第三章 過去編

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71 運命を変える出会い

小西丈 主人公 看護師

西条ゆきな ヒロイン 研究職

 ~本編より遥か昔~


 アパートの寝室にアラーム音が鳴り響く。ベッドには布団を蹴り飛ばした後がある寝相の悪い女がいた。

 西条ゆきなは3回目のアラームでようやく目を覚ました。髪は長く強風にさらされたかのようなボサボサの状態だ。うーと唸りながら目を擦り、ボヤけた視界でメガネを探した。

 とぼとぼと寝室を後にして洗面台に向かう。昨日飲んだ酒で顔が浮腫んでおり少し萎えた。顔を洗い歯を磨いて、髪をブラシでときヘアゴムでまとめた。

 着替えを済ませ、野菜ジュースを飲みながら家を出た。


 勤務先に着いたゆきなは、ロッカーに荷物を入れて白衣に着替えマスクを着用した。

「おはよう西条くん」

「…おはようございます」

 軽く会釈で返し椅子に座った。その部屋は棚には薬品が並んでおり、近くには顕微鏡など機器が揃っていた。

 ゆきなは研究職に就いていた。40.50歳が多い職場だ。だからと言うわけではないが身だしなみに気を付ける必要はない。もともと無頓着であった。

「西条ちゃん、元気にもうちょっと笑いなさいよ」

「素材は良いんだから身だしなみに力いれたら?」

 と、同じ職場のおばさん達によく言われることがあるがそんなことゆきなには何一つ響かなかった。


 ゆきなは、レジ袋を提げて暗いアパートに帰宅した。

荷物を机に置き手を洗いながらふと鏡を見た。

「今日も笑わなかったな…」

 ジェネレーションギャップもあり、職場では仕事の話以外は話が合わず極力コミュニケーションを取らず過ごしていた。

「私ってなんで今の仕事してるんだっけ?」

 研究職に就いた当初は元気に話しかけていたが、怒られることも多くなり、何となく自分がやりたかった事と違う気がすると思い始め、辞めるという選択肢を取れず無気力に日々を過ごすようになってしまった。死にたいとかそういうことはないが、明日を生きるのが億劫になり始めた。


 ゆきなの唯一の楽しみは、酒を飲みながらゲームをする事。最近ハマっているのは、ハンターになりモンスターを狩ること。興味本位でボイスチャットをつけてやるようになってからは、チャット仲間との話が楽しくこれでしか楽しみを見出だせなくなっていた。

「回復薬!回復薬!あ~助かる~」

「よっしゃー!素材揃った!」

 ゲームのおかげで自分の感情を出せることが増えた。それと同時に飲酒量も増え、居酒屋でひとり飲みをするようにもなった。

「おぇ、飲みすぎたかな~」

 ゆきなは今日もひとり飲みを終えて帰ろうとした時、視界が暗くなり意識が無くなった。

 次に目を覚ますとストレッチャーの上で寝ていた。腕には点滴が入っており、まだ頭が痛く重い。目覚めたことに気づいた看護師が医師を呼んでいる声が聞こえた。

「気分はどうですか?」

「んー、頭がいたいです…」

「飲みすぎですね…脱水気味なので点滴をしていますが、このまま入院して様子を見ましょう」

 医師の話をぼんやりと聞いていたため、そこから意識が途切れ途切れで病棟へ着いたことに気づかなかった。

「西条さん」

 ゆきなは肩を叩かれていることでようやく目を覚ました。目を開けると視界が悪く見えにくいが、白い服を着た男の人が話しかけているのが分かった。

「え?」

「お、ようやく起きましたね。これはたくさん飲みましたね」

 声で若い男の人だとわかった。年代が同じ異性と話すのは何年ぶりかと噛みしめていたゆきなにその看護師が話し始めた。

「ここはどここわかりますか?」

「んん、病院?」

「そうです、お酒を飲みすぎて入院になりました」

「えへへ、お恥ずかしい…」

 ゆきなは異性との会話できる優越感と恥ずかしさで照れながら答えた。

「入院に伴いこの同意書に本人のサインがほしくて」

 看護師が紙を見せてくれたが、メガネがないとボヤけて見えないゆきなは、メガネはどこにあるかを尋ね、床頭台に置いてあったメガネを受け取った。

 メガネをかけてふと看護師の顔を見ると、整った顔の所謂イケメンが笑顔で接してくれていたことに驚愕し顔が赤くなった。

「西条さん?」

「あわわ、なんでもありませんっ!」

 ゆきなは分かりやすく動揺して布団で顔を隠した。その様子にイケメン看護師は少し笑っていた。

 そこからは看護師の顔を見ることができず、同意書にサインを書き、入院の説明をイケメン看護師の胸もとを見ながら聞いて頷いた。

「説明は以上ですが質問はありますか?」

「だ、大丈夫です」

「わかりました、入院期間は2日になります。僕は西条さんの担当ですが、今日夜勤なのでこれ以降会わないんですよねっ」

 そう笑いながら話しているイケメン看護師の言葉に少しショックを受けた。

(え、拝めるのは今日だけ…?)

「それでは」

 イケメン看護師は挨拶をして部屋を出ていってしまった。辛うじて名札で名前を確認はできた。胸の鼓動の高鳴りを落ち着かせるために深く呼吸をした。目をつむると自分の挙動を思いだし恥ずかしさで布団を叩いた。

「小西さんか…」

ありがとうございました。

過去編が開始されました。今まで本編で、名前や偽物が出てきていたゆきなですが、ようやくどんな人物で丈との関係性を描くことになりました。

 本編の通り、この出会いで幸か不孝か丈の運命が大きく変わります。

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