67 Not as good as courtesy
季節や種類関係なく花だけが置いてある空間がある。
その空間に1人、ベンチに座り花の匂いを目を閉じて感じているヨルがいた。
「今日もいい匂い…」
至高の時間に思わず笑みがこぼれ、鼻唄を口ずさみながら見回していた。
「ほう、ここが…」
声が聞こえ、見るとビータがマシューへの土産を持ちながら入ってきた。
「ビータさん?」
「やはりヨルがいたな、ここの守り番なのだろう?」
「そんなことはないけど…」
ビータはユートピアの民に綺麗なところはないかを聞いた時の候補の1つとして教えてもらっていた。それで帰る前に立ち寄ろうとしていた。
「キレイだな」
「うん、ビータさんにも分かってもらえて良かった」
「地上にはこんなところは無かったからな」
「建物と荒野ばっかりだったからね…もっと探せばキレイなところあると思うよ」
ビータは歩きながら花を見ていた。ヨルへ何の花かを聞くため、自然な流れで付き添うように一緒に歩いていた。
「ヨル、この花はなんだ?」
「それはリバイバルフラワーだよ」
「なにか、惹かれるものがある…」
「私も好きなんだ、キャプテンも前に見てたよ」
リバイバルフラワーは枯れることなく、季節を幾度の超え咲き続ける花である。見た目は白くチューリップほどの大きさである。
ビータはしゃがみリバイバルフラワーを見つめていた。
「本当に人みたいだね」
「色々学び吸収しているからな」
「凄いね」
「何を言っている、ヨルも十分凄いだろう」
「え?」
「これまでの戦闘データを見た。ヨルがいなければ危ない場面も多く、アイディール部隊は何度も助けられていた。戦闘以外でもヨルがいることで良いこともある。誇っていい」
ヨルは、まさかの返答に何の会話してたっけ?と一瞬なってしまったが、本心で言ってくれていると思い無性に嬉しくなった。
「…ありがとう」
「礼には及ばない」
その後、ヨルとビータはベンチに座り雑談をした。オススメの場所や物はあるかやマイブームは何か等、ほとんどがビータの質問責めであった。
「そういえば、キャプテンって最近見ました?」
ヨルの質問に少し考えたビータ。
「いや、見ていない」
「そっか、帰還してからあまり見てないからどうしてるんだろうって思って。ライフの出現もないし意外と会う機会が無くて」
「マシューが言うには、ユートピアについて1人で探っているのだろうと」
「1人で?危ないよ、何か手助けがいるよね…」
「それと、1つキャプテンに会ったら謝っといて欲しいことがある」
ビータが立ち上がり、人差し指を立てた。
「え?」
「地上で、キャプテンと同じ顔を見たとうっかりレナードに話してしまった」
「え?」
「すまない」
「え?」
「…ごめんなさい」
ユートピアの中にある資料室では、薄暗い明かりに照らしながらユートピアの歴史を液晶画面で閲覧している人物がいた。それは、キャプテンこと丈であった。
「ユートピアの歴史はそんなに違和感は感じないな」
椅子にもたれ掛かり一息をつく。
「隠し方が上手いのか、気づけないだけか…」
液晶画面を閉じて資料室を出た。
「後探していないのは…」
考えている丈の視界にレナードの秘書のシモンズが映った。
「あれはレナードの秘書の…後をつけてみるか」
ありがとうございました。
久々の主人公の登場でしたね。
第3章解明編 次回で残り3話ですが、一気に真実に解明されますのでお楽しみに。




