53 理想郷の真実
丈 主人公
デイビス、アイビー、アリス、ヨル アイディール部隊メンバー
マシュー 発明家
ビータ 自律型ロボット
ジョージ レジスタンスを束ねる
布施のユニークにより、東西南北に散らばった丈達
アイディール部隊メンバーがようやく揃い、喜び会うのもつかの間。なんと、丈/キャプテンと瓜二つの人物ジョージが現れた。彼の口から何が聞けるのか
・北地区 〈丈 デイビス アイビー アリス ヨル マシュー ビータ ジョージ〉
「ここに来るまでに色んな人に会ったって言ってたよな?なら、こんなことを言ってた人もいたはず。"空の人間"と」
「確かに言ってました。凄く自分達を憎んでいるかのような…」
「そうだ、それが真実だ」
「何故そんなことが?」
「遡ること、40年ほど前になるか。この世界は年々科学技術の進歩により超高度文明へと発展していった。だが、人類の進化スピードにこの世界は耐えられなかった。度重なる気候変動や環境汚染が続き住むのが困難になってきた」
「確かに地上に降りてからも始めてみた機械もあった」
「ああ、それに伴い居住スペースがどんどんなくなり、動物の絶滅や廃棄物による新たな病気になる者も現れ、人類はここを離れ宇宙へ移住しようと計画を立てていた。そのプロジェクトの中核がお前達もよく知っている空中都市ユートピアだ」
「え?ユートピアが宇宙へ行くための?」
「だが、宇宙へ行くための設備が整う前にライフが宇宙から飛来し、人類を駆逐し始めた。それから逃れるためにユートピアを使うことになったって言うわけだ」
「頭が混乱してきた…ジョージさんはなんでそんなに詳しいんですか?」
「元々ユートピアが宇宙へ行くプロジェクトの責任者はレナードなんだ。その後俺もプロジェクトに加わった」
「え!?レナードさんが?て言うことはレナードさんが元凶…?」
「…否定しきれないな、だが責めることも難しい。"あの状況"での最善の策はこれしか思いつかない」
「そんな、でもヒドイですよそんなこと!」
「やめろ、アイビー!」
「だけど…!そのせいで残された人達が…!」
アイビーは涙を浮かべ訴えたが、デイビスが制止した。
「それから年月が経ち、色々あって俺は地上へ来て残された人達を守るためレジスタンスを作ったんだ」
ジョージは淡々としかし、何かを思いつつ話した。
「よし、今日は暗い話はこの辺にしてご飯を食べよう。そろそろ出来る頃だろう」
「は、はい」
そう言いジョージは話を切り上げた。これ以上話すと何かをポロっと言ってしまいそうになったからだ。それは、この先もジョージは誰かに話すことはせず墓まで持っていくのであった。
夕食を食べ、丈達は散らばった後の話を言いあって、過酷さ比べかのように話した。マシューは途中で離れビータの修理に取りかかった。この避難所には他とはちがい、必要最低限の部品がある程度揃っていた。
翌日、太陽が昇り始めたほどに丈は誰よりも早く起きてしまった。疲れもあるがそれよりももう一人の自分の疑問が強く、あまり寝つけなかったのである。
洗面所に向かい、その疑問を拭うように顔を思いっきり洗いタオルで拭いた。だが、一向に消えることはなく脳みそに張りついている感覚であった。それに、ジョージのあの一言が丈を惑わせた。
「ふぅ…『お前は誰だ?』か…確かに今の俺は一体何なんだ?」
丈が鏡を見るとそこには、2025年の丈の顔が映っていた。目の錯覚だと驚きもう一度顔を洗った。すると、元の顔に戻っていた。
(神様が転生の仕方を間違えたのか?しっかりしてくれよ…心臓に悪いんだよ!これからどうする?訓練生を助けないといけないし)
「なんだ、こんな朝から浮かない顔だな」
「あんたか、俺の背後を取るのが好きのようだ」
ジョージが鏡越しに丈の表情を伺う。
「そう言うな」
「考えることが多すぎてな」
「こればかりは仕方がない、自分で考えるしかない」
「ビータ!!」
部屋の奥から大きな声が聞こえる。声の主はマシューであり、徹夜でビータの修復に勤しんでいた。ビータが動き始めることができたが、前ほどの動きはなくサポートロボットくらいの自我しかなく、マシューは少しがっかりしてしまっていた。
「そうか…」
その声に丈は駆けつけ動くビータを見て喜んだが、少し寂しそうなマシューに察してしまった。
「まだ希望がなくなった訳じゃない良い一歩だ」
丈はマシューの肩にてを置き、慰めのような自分に言い聞かせているような言葉を送った。
「ありがとう」
「なんかマシューは、地上に来てから浮かない表情だよな?何かあったのか?」
マシューは地上へ来てから笑うことが少なくなったのを知っていた丈であった。
「それは…」
「なんだよ、話し相手くらいにはなれるぞ」
「そうだね…ずっと秘密にしておこうとしていたけど、この際だ全部を知ってもらった方がいいかな」
マシューは丈の顔をわざと見ないような仕草で話し、違和感を感じた丈は、
「マシュー?どう、、、」
と、言いかけると外から爆音が轟いた。その音と巻き起こる風で避難所が少し揺れた。
「どうした!?」
ジョージが外へ出る音がした。丈とマシューが続いて外へ出た。すると、見張りが慌てた顔でライフの襲撃を告げた。
「迎え撃つぞ!」
ジョージの掛け声に、急いで起きたレジスタンス達が応え武装した。
「私たちも手伝おう」
「ああ、あとさっき言いかけたのはなんだった?」
「いや、また今度でいいよ」
なんだかホッとした顔のようにも見えるマシューは丈から離れた。
「?とりあえず行くか」
ありがとうございました。
まさか、ユートピアが宇宙へ逃げるためのものだったとは…
それに、マシューの言いかけたこととは?




