50 幸せという名の罪
丈/キャプテン 主人公
アリス アイディール部隊メンバー
マシュー 発明家 ノックオーガ
ビータ 自律型ロボット
TakeFive ライフの味方の謎の5人組
布施のユニークにより、東西南北に散らばった丈達
生きることを諦めた人達で溢れかえっている避難所に1人の少年と母親がいた。少年はライフに抗う人達の姿を目撃し皆に伝えようとしたが、ライフの襲撃によりほとんど全滅していた。ホッパーライフは生きていた母親を殺せば生かす と少年へ伝えた。そこから小さな少年の歯車が狂いだす…
「私が死ねばこの子は生きられの?」
「ああ、だが我々の支配下で働いてもらうがな」
「そう…」
「え?え?なんで?撃たないよ?」
困惑する少年だが、母親は何かを決意し流した涙を手で拭い少年を見つめた。
「撃ちなさい」
「なんで!?一緒に幸せに生きるんでしょ!?やだよ!」
「生きなさい…生きていればきっと!あなたが幸せになる時が来る…!今はちょっと苦しいかもしれないけど、人は1人で生きるなんてことないの!誰かと幸せを掴み取りなさい!」
「そ、そんな…!」
「時間切れだ」
ホッパーライフは撃つように少年を急かした。
ガタガタ
少年が持つ拳銃は重く、涙と手の震えで照準が定まらない。
「ここの部分をスライドさせ、引き金を強く引け」
ホッパーライフの指示通りにスライドさせ、引き金に指を置いた。
「早くしなさい…!」
母親は目を閉じ頭を下に向けた。
「うおぉぉおーー!!!」
ドォン!!
1発の銃声が響いたと同時に、大きな反動で腕が後方に引っ張られその後しりもちをついた。その時のお尻の痛みなんか感じることは無く、ただ目の前で起きたことの気持ちの整理をしなければいけなかった。
「お母さん…」
少年の前には赤い血が広がり、手に血がついた。
「上出来だ、約束通りだついてこい」
ホッパーライフに無理やり連れていかれ、悲しむ時間は無かった。現在の人類の状況を聞かされたのだ、死ぬか家畜となるかの2択の世界であったが、少年はそれらを指揮するポジションに置かれた。
ホッパーライフ曰く、同族に飼われる方が絶望が増すそうだ。
少年はその日から体術を鍛えられ、擬似的なユニークの血清を投与された。その後、似たような境遇で集められた4人にも出会いTakeFiveと呼称された。
その時点で自分の名前を捨て仮面を被り、少年はワットと名付けられた。その他 ウィッチ、フー、ウェア、ワイと共に管理する側になったのだ。
5人はライフに魂を売ったフリをして、生き残っている人類を少しでも死なせないようにと裏で手を打っていた。
大勢を助けるためには少数を切り捨てるというトロッコ問題のような選択を毎日のように繰り返し、早10年の歳月が経過した。ライフの侵攻を減らすように策を打ち死者数は激変した。
自分の自由を犠牲に皆の幸せを守るため、仮面の下で歯を食いしばり耐えてきた。そんなある日、人型ライフ達が我々を裏切ったユートピアの民を襲うと計画が立ち上がり、そこから計画が狂い始めた。
ユニークを保持した訓練生を連れ去り、しばらくすると訓練生を取り返しにユートピアの精鋭が地上へ降り立った。そのせいでライフの活動が活発になり、これまで守ってきた人類が革命を起こさんと戦いを始めようとしているのだ。
しかも、部外者にも近い奴らに我々がやっていた大勢を助けるために少数を切り捨てるという、苦渋の決断を両断し全ての人を助けようと、これまでの行いを全否定されたのだ。
時間は現実に戻る。
「…平穏を保ってきたのに、首を突っ込むんじゃない!」
ワット達の心からの叫びが丈達に響く。
「君たちがどれだけの思いで、どれだけの覚悟でこれまでやってきたかは知らない。だが、俺たちも守りたいもの助けたいものがある…邪魔すんじゃねぇよ!」
「っ…!ここで潰しあうか?」
「いや、それとこれは別だ。君たちと一緒に奴ら(ライフ)と戦う」
「!?」
丈の驚きの提案に一同が困惑した。
「ちょっとちょっと、キャプテン?あいつら敵なんだよ?」
後ろで聞いていたアリスは、丈/キャプテンの提案に否定気味な反応を見せた。
「その意見に私も賛成だよ、キャプテン」
既に臨戦態勢に入っていたマシュー/ノックオーガ。
「我々が協力?何のメリットが?」
ワット達もお互い見合せた。
「敵?メリット?何を言ってるんだ」
「?」
「俺達、同じ人だろ?一緒に戦う理由はそれだけで良いじゃないか」
「ふっ…バカバカしい…!」
ワットは、呆れてものも言えなかった。人にまだこんな奴がいたなんて…
「答えはすぐには求めないし聞かない、姿で見せてくれ」
「まったく…キャプテンったら」
そう伝え丈達はTakeFiveの間を抜け先へ進んだ。その歩を誰も止めることはなく、ただ立ち尽くした。
「さて!まずはデイビス、アイビー、ヨル、ジェームズを見つけ布施に宣戦布告しに行こう!」
「おう!」
ありがとうございました。
お互いの覚悟のぶつかり合いでした。
第二章は後10話!




