28 覚悟
自身のユニークを最大限発揮する試作品をマシューから入手したジェームズ。その力を何に使うのかは身に付けた己次第…
一方、その頃地上のとある建物内では
「お待たせしました」
仮面を被った黒服男 ワットが人型ライフのホッパーライフの部屋へ行き、ユニーク持ちの訓練生捕獲の報告をしていた
「ああ、ご苦労だった アントは死んだか」
「はい、この目で確認いたしました」
「お気楽主義だったのが仇となったな バカめ」
「…」
「死体はどうした」
「人間達に奪われてしまいました」
「…まあいい」
「それより、今回捕獲したユニーク持ちはどうなるのでしょうか」
「貴様が気にする必要はない 出ろ」
「……っ失礼しました」
ワットは部屋から出てしばらく歩き仮面を外した。深呼吸をし眉間を押さえた
「ワット?大丈夫か?」
声をかけたのは、仲間のウィッチ、フー、ウェア、ワイ達であった
「大丈夫だ 報告をしてきただけだ」
「そうか、しかし今回捕獲した人達は…」
「大方、あのマッドサイエンティストの実験動物として使われるのだろう…」
全員が静まった
「皆が気に病むことではない…これは大勢を助けるための小さな犠牲なのだ さあ戻ろう」
~2025年~
「今日の入院患者さんは6名で、その内手術があるのは5名あります。順に呼ばれていきますが決定時間が分かれば伝えます 忙しくて人も少ないですが頑張っていきましょう」
「はい」
病棟師長からの申し送りがあった
この時代では数年前から新種のウイルスの爆発的な感染により、世界中で猛威を奮っており時には死者も出てしまっていた。だが、対策も徐々に発見され死ぬウイルスではなくなった。
何度か再流行したが数年後には一般的に、季節病くらいの感覚になりつつある。だが、医療従事者にとってはまだまだ油断できないのだ。
病院で流行してしまえば、免疫力がない患者にとっては驚異そのものである。なので、感染拡大を防ぐため神経すり減らし従事している。
「新種のウイルスがまだあるのに、こんなに入院患者病棟に入れて良いのかね」
「仕方ないだろ?入院取らないと、加算やらお金が稼げないんだ 大人の事情ってやつだ察しろ」
本日使用する点滴を準備しながらボヤく 丈とその同期の健太であった
「お金もっとくれれば良いのによ~」
「聞いてなかったのか?来年度からだけど基本給上がるぞ」
「まじで!?よっしゃあ!」
「点滴溢れてるぞ」
「おっとと」
健太は、急いで点滴台をペーパーで拭き取り証拠隠滅し周りを確認した
「産休や病欠の人で最近勤務人数減ったなー」
「病欠はともかく産休はめでたいことじゃないか」
「そうだけど~ おれも結婚したいよ~」
「健太はまずちゃんと彼女を作るところからだろ」
「そういう丈こそ彼女いないだろ!」
「おっと、点滴準備は終わったようだ さて患者の所に行こうかな」
「…逃げたな」
丈は支度をしてそそくさとナースステーションから出ていった
その日の業務が終了し、少し定時から時間が過ぎてしまったが帰り支度をして退社した丈
帰宅ラッシュから少し時間が過ぎ電車内にスペースはあったが椅子には座れず、つり革を掴みながら電車に揺られ今日の健太との会話を丈は思い出していた
電車から降り改札を通り人だかりをすり抜けて出口まで歩いた
「彼女か…女の子と遊ぶのは何の感情も湧かないが、いざ彼女になってほしいと思った途端変な緊張するからイヤなんだよな…彼女欲しいし子どもみたいけど」
ブツブツ独り言を話ながら出口へ出た すると、
「おーい、丈くーん!」
丈を呼ぶ声に振り返ると1人の女性が手を振り駆け寄ってきた
「お待たせ 仕事が忙しくて遅れちゃった」
「もー!今日頼ませてくれたら許してあげる」
「得意分野だな」
「わぁ!楽しみ!」
2人は人混みの中へ消えていった
~XXXX年~
「キャプテンって乾いてます?」
「は?」
訓練後のストレッチをアイビーとしていたキャプテンこと丈は突然の質問に虚をつかれた
「なんだよ急に」
「だって、浮かれた話聞かないし それっぽい話聞き出しても哀愁?みたいな表情で話すから」
「確かに キャプテンのそういう事情は気になるわ」
丈とアイビーの隣にはアリスもストレッチをしており、2人の話に混ざってきた
「アリス、女の子がこういう話に参加するんじゃない」
「親か」
「それでそれで?」
「まったくしつこいな…あんまり思い出したくはないことだからなー 時間を無駄にした感じもあるしあの頃は楽しかったなと思わなくもないし」
「あー、なんかクズ男の空気が漂ってきた…」
「でも、1人だけ…唯一愛した女性がいるよ」
「この前言ってた恩師?」
「それはまた違うよ 似ているけどね…恩師とその女性は俺の人生を大きく変えてくれた」
「また哀愁くさい…」
「聞いてきてそれはないだろ?はい!これで終わり!所でアリスの浮いた話はないのか!?」
「ないわよ!」
「じゃあヨルはどうだ!?」
「ひぇ!?私ですか!?」
「答えろーー!」
ありがとうございました。
丈の愛した女性の話を早く書きたいんですが、そこへたどり着くためには色々イベントがあって暫く書けない…




