26 渇望
ユニーク持ちの訓練生を狙い、実戦訓練を終えた輸送機を襲撃したアントライフ。それを阻止しようとアイディール部隊が応戦するが技量の差で押されてしまった。そこに、現れたのはマシューとビータでありknockdownシステムを使い、アントライフを倒すことができた。
だが、そこに人間なのにライフに協力している5人組がユニーク持ちの訓練生を連れ去ってしまった。
「あの5人どこに消えた?」
「俺の探知圏内にはいない」
ビータが辺りを探知機能で探すが見当たらなかった。
「なんで人間が…」
「大丈夫か?キャプテン!」
丈は、傷を負った身体を起こし岩にもたれかかった。マシューはknockdownシステムの装甲を解除し、丈の元へ駆け寄る。
「なんとかな…でも」
丈が見つめる先には、訓練生と教官の亡き骸があった。
「くそっ…」
丈の頬には一筋の涙が滲んでいく。
「もうそろそろ迎えの輸送機が来る。とりあえずユートピアに帰って療養しよう」
丈に肩を貸し起き上がらせるマシューであった。
ユートピアへ帰還した丈達であった。着陸したすぐそばで救急班が待機していた。
「キャプテン!すぐに治療を…!」
「俺よりも重傷者を優先に治療してくれ…歩ける」
ヨルは肩を銃弾が貫き、ジェームズは全身に傷を負ってしまっている。
「わ、わかりました!」
救急班は2人を担架に乗せ運んでいった。
「大丈夫ですか!?キャプテン!」
そんな丈に駆け寄るのはエヴァであった。
エヴァは丈の身体を支えようと脇を掴むと、
「痛たたた!」
「あ!ごめんなさい!」
負傷したメンバー達も続けて治療室へ向かった。
数日後、あの襲撃事件からの生還者は、全員無事で回復へ向かっていた。ヨルとジェームズはまだベッドで療養中であった。
ユートピア中央の建物では、レナードに治療がある程度終わった丈達は今回の襲撃事件の概要を報告していた。
「…そうか、そんなことが起こっていたのか」
「はい、より詳細はジェームズから伺った方が良いかと…」
「わかった…君たちもしっかり休んでくれ」
「失礼します」
レナードがいた部屋からでて廊下を歩く丈達
「しかし、奴らの…ライフの目的は何なんだろうな」
「確かに…明らかにユニークの存在に気づいているし、共通言語も話せて意志疎通できる…今までも謎だったが接近してみれば余計に謎が増えたな」
「強かったな…あの銃使いの人型ライフだけじゃないよな…多分」
「ああ、一枚岩ではなかったな…あの5人組もだいぶ気になるが、大きな影が潜んでいる気がする」
さらに数日後…ヨルとジェームズは安静期間も過ぎ自由に生活を送ることができていた。
その2人と丈達、さらにユートピアに住む民たち全員が集まり、今回の襲撃事件で亡くなった訓練生と教官の弔いを執り行っていた。
身を寄せあう人、涙ぐむ人、何か悟ったような眼差しの人等いた。
遺骨はユートピア上空から空にまくという風習があり、訓練生と教官達の骨は何処へいくかは風の赴くままである。
「オレ達もっと強くならないといけないなー」
「…ああ」
「訓練生達の無念を晴らさないと…」
デイビス、アイビー、アリス、ヨルは遺骨が空を舞う様をみながら決意を固めていた。
「でも、どうやって強くなれば良いのでしょう…」
「……」
頭に包帯と右腕を三角巾で吊っているジェームズも弔いに参列の後方だが、参加し歯を食いしっていた。しばらくしてそこから離れ、ある場所へ向かった。
バタンッ!
扉を大きく開け目的の部屋へ入った。
「扉壊れちゃうよ」
声のする方には、機械を組み立ててながら話すマシューがいた。
「あんた、弔いは?」
「初めは参加したよ。だけど、私にはやることがあるからね」
「…」
「それで?なにか用かな?」
「…力が欲しい」
「え?」
「ライフを一匹残らず殺すための力だ」
「訓練生のみんなのためにかい?」
「違う…死んだ奴らは弱かっただけだ。連れ去られた奴らは助けないのは癪だ」
「ふっ!素直じゃないね…そう言うことにしておくよ」
手を止め組み立てていた機械を持ち、立ち上がったマシューであった。ジェームズのいる場所まで歩き手に持っている物を見せた。
「これは?」
「君が私の所へ来ることは予測していたよ。だから準備していたんだ」
「!?」
「knockdownシステムの試作品をいじっただけだけどね」
それはブレスレット型の試作品であり、触ろうと手を伸ばすがマシューは手前へ引いた。
「今すぐには渡さないよ」
「なんでだ?」
「データが足らないし、仮説をたてて作成しただけで実践には乏しい…何より今の君の身体じゃこの負荷には耐えられない」
ありがとうございました。
死者の弔いとジェームズの新たな力でした。
どんな力が手に入るのでしょうか




