23 襲来
アントライフ 貴族風の服装で猟銃を装備している。人型ライフ
ジェームズ 感情次第で身体能力が変動する"ユニーク"(スキル的な)を持っている
マシュー 発明家
ビータ 謎の自律ロボット
「楽しませてくれよぉ?」
アントライフは嬉々として猟銃を撃ち続けた。子どもが新しいおもちゃを与えられ、それで夢中になり遊ぶように。
一方、墜落した訓練生の輸送機には1人の男が意識朦朧とした中、這いずって外へ出た。
「はぁはぁ…ここは?」暗闇から出たことにより、明るい外は眩しく目が眩んだ。ボヤけた視界は次第に元に戻り状況の把握をしようとした。その男は、ジェームズであった。墜落の影響で全身に怪我を負っており這いずるのが精一杯になっていた。
目の前で行われているのは、地面にこびりついた血と、銃声が鳴く光景であった。
ジェームズは徐々に何故こうなっているのかを思い出した。
今から数十分前、
「今回の標的の疾走型のライフ2体だ。焦らず訓練通りの動きをするように」
「はい!」
教官の指示に訓練生一同は返事をして、出撃の準備をしていた。
「おい、お前ユニーク使いこなせてるか?」
「全然だよ、うまくコントロール出来ねーよ…アイディール部隊の人達やっぱりスゲーよな」
「アイビーさんなんか、飛べるもんな」
「おい!真面目にやれ!」
訓練生の何人かで雑談をしながら準備しており、教官に叱責された。
『目標地点付近に到着』
「よし、2班に分かれライフを倒すぞ」
「はい!」
教官が先に降下し、それに訓練生が続く形で上空から目標地点までパラシュートで降りた。
ライフ討伐は途中まで順調に進んでいたが、ライフは誘導するように移動をしていった。
「逃げながら場所を変えているぞ、深追いしすぎるなよ」「はい!」
銃を使う訓練生が多く決め手に欠ける戦闘だったが、1人がその銃弾を避けながらライフの元まで走っていった。
助走をつけ右手を強く握りしめライフにその拳を叩き込んだ。ズドォン 鈍く重い音を立ててライフは行動不能となった。
その拳を叩き込み、手を痛そうにさすっていたのはジェームズであった。ジェームズもユニークが発現していた。その能力は、
『感情の振り幅により身体能力が向上する』
というものであった。
感情の高ぶりが大きければ大きいほど、パワー・スピード・ジャンプなどが限りなく上昇していく。
訓練生の中で唯一、武器がなくてもライフと張り合える人物である。
「ムカつくけどやっぱり強いなアイツ」
2体のライフは負傷者が出たが、倒すことができた。
「よし、回収班を呼んでユートピアへ帰還する」
教官の号令により輸送機へ乗り込もうとしていたが、
ドン!ドン!ドン!
複数の銃声がきこえ、その方向へ振り向いた先には無惨に倒れている訓練生がいた。
「お、お前達!」状況が飲めずにいた教官の足を撃ち抜かれ、その場で倒れこんだ。
「くぁっ!」
撃たれた足を押さえ止血しながら、撃ってきた方角をみると、ゆっくり歩きながら銃を構えている謎の人影が見えた。
「お前達、全員ここから離れろ…」
「ですが、教官を置いていけません!」
「言うことを聞け…!!」
近くまで近づいてきた人影は、訓練生達に話しかけた。
「あー、ユニーク持ってる奴はどれだ?」
「…」
貴族のような出で立ちの謎の人物の急な問いかけに、誰も答えられなかった。
ドンッ!
その人物は少しため息をつきながら、近くに倒れていた1人の訓練生を撃った。
「なっ!」
「まぁ、聞かなくても誰かはもう把握してるけどな」
「貴様っ!何をしている!」教官は苦しみながらも怒りをあらわにした。
その謎の人物の正体はアントライフであった。内ポケットから、吸入器のようなものを取り出し口に咥え思いっきり吸った。
「スゥッ!ハァ~ 気持ちいいねぇ~」先ほどまでと違い、とろけるような声に変わり、話を続けた。
「30人中6人のユニークとやらを持っているだろう?ユニーク持ちは貰っていく。だが、後の余りは…俺の娯楽ために死んでくれ」
「!?」
そこらかはアントライフの独壇場になっていき、立ち向かうものもいたが、なす術なく全滅に近いほどに打ちのめされた。
ジェームズ途中で意識を失いそこからの出来事は覚えていなかった。
ジェームズは、アントライフに襲われたことを思い出した。「あの野郎っ!」
動こうとするが怪我により思うように動けなかった。
ただ、アイディール部隊との戦闘をみるしかなかった。
『死角を取るぞ』
『了解!』
アイディール部隊の猛攻に焦ることなく、アントライフは対処をしていった。
「さっきまで面白かったけど、ネタ切れかぁ?」
「ぐわっ!」
「強すぎる…」
「訓練生達が襲われ、アイディール部隊でも対処しきれないそうだ。私の"宝"が危険だ加勢してきてくれ」
その頃、ユートピアではレナードが誰かに加勢の依頼をしていた。2人の人影が立っていた。
「Yes.」そこにはマシューともう一人いや、もう1体の姿があったのだ。
部屋から出たマシュー達は廊下を歩きながら、「これが初実働だ。頼むぜビータ」
マシューと一緒に歩いているのは、人間と同じフォルムで装備を身に付け顔は額に2本角があるロボットであった。
「了解した」
ありがとうございました。
マシューと謎の自律ロボットのビータが動き始めましたね…
ジェームズのユニークは、能力の限界がない所にロマンがあって自分は好きです。




