表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

リンの言葉

171-175

作者: リン

171記憶の夕べ


まっすぐな道を

蛇行する

曲がりくねった道を

直行する

ぼくの感情を

ぼくは知らない

知らない感情を

ぼくは知っている

記憶の夕べ

未来の真昼

夜は帳を下ろし

迷路な眠り

ボタンの数と穴の数が

合わない

そんな服を着たような

裸婦に似て




172朝、パンを口にするように


階段を登った先に

月がある

朝、パンを口にするように

太陽がある

太陽でも

月でも

無い何かは

川に流されている

水辺で

子どもが遊んでいる

近くで

小魚は

避けている

子どもでも

小魚でも

無い何かは

空で転んでいる




173バターを塗るように


からっぽな空に

感情は満ちて

満ちた空に

感情はからっぽで

カラスと鳩が作曲する

空間的な音楽は

流動性固形物質

バターを塗るように

空は青く

赤い月が出ている

ゴッホが

ごっほんと

咳をする

ゴッホの絵は

売れていない

花売りの

売り子は

歌いながら枯れた花を

売る




174バナナチップス


元気に泣く

悲しく笑う

怒りに任せて方程式の解がある

腹式過呼吸

おやつに

バナナチップスは

入らない

遠足だから

手は近い




175老紳士


白鳥の子は

アヒルに育てられ

成長して

アヒルを醜く見下す

優越感という昼食

午後

雨が降って

白鳥もアヒルも

ずぶ濡れになって

レインコートを着た

老紳士が杖で

雨だれる水面を

コツコツと

鳴らす

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ