47.運命
※バルサザール視点です。(注意:微エロ)
私は自白剤を使い、彼女の本心を聞け満足した。他にもセインタール公爵がどのような仕打ちをしていたのかを聞こうとしていたが、もはやどうでも良くなってしまった。
「わかりました。あなたの言葉を信じましょう。嬉しいですか?」
「嬉しい。」
――私に理解されて嬉しそうだ。私もアナタが嬉しいと嬉しいですよ。
「時に、何故私に自白剤を盛ろうなどと考えたのですか?」
「それは…あなたの本心を知りたかったからです。あなたが何を考えているのか、私には見えない部分が多すぎたの。あなたの計画や思惑、私に対する気持ちを確かめたかったの。」
――計画?私がなにか企んでいるとでも思っていたのでしょうか?
「私の本心を知りたかった?それが理由ですか?」
「はい、そうです。あなたのことをもっと理解したかった。あなたが何を考えているのか、何を望んでいるのか、それを知ることで私もあなたに寄り添いたかったの。」
――今、アナタと私は同じ気持ちなようですね。
満足した私はその後、質問を続けた。好きな色や食べ物、どのようにして育ったかなどを。
「そろそろ時間です。」スティグルが静かに告げた。
すると彼女は自我が戻ったように「い、いや…いや…。」と呟いた。子供のように泣きじゃくっている彼女をみて酷く辛い気持ちになった。これは恨まれそうですね、私も同じ目にあう必要がありそうだ。
「スティグル。同様の薬を用意なさい。」
「承知しました。」
スティグルは静かに頷き、手早く作業台に向かい、同じ薬を慎重に調合し私に手渡した。私は片膝をついてしゃがみ、彼女と同じ目線になるように顔を近づけた。
「今度はあなたの番です。」
「え…。」
私は手渡された薬を彼女の手に持たせ、その手を優しく包み込んだ。
「どうして…私にこれを?」
「あなたは私の本心を知りたがっているのでしょう?私もあなたの前で全てを明かします。ただし、同じ方法で。」
「どう飲ませるかは…先程お教えしたでしょう?殿下。」
彼女の愛らしい性格なら、きっと同じように私に口移しで薬を飲ませるだろうとふんでの発言をしてみた。案の定彼女はまんまと私の口車にのり、ゆっくりと唇を重ねた。彼女の可愛らしい控えめな舌使いに満足してしまう。
やがて、自白剤の効果が私に及び始めた。「質問しても…いいですか?バルサザール」
「はい、なんなりと。」
「どうして私に自白剤を?」
「あなたの本心を知る為にです。」
「どうして?」
「あなたを…愛しているからです。」
「いつから?」
「あなたが奇行をはじめたあたりからです。」
「え!?日が浅いのね…。」
――日が浅い…?確かにアナタにそう言われるとそうなのかもしれませんが、流石にその言葉は傷ついてしまいますね。
「はい。」
「私のどこを好きに?」
「あなたの強さと脆さ、その両方が私を引きつけました。あなたは突然人格破綻した王女の中に入り、その体の罪や責任を果たそうとしている。それが非常に魅力的でした。」
――普段から、このように素直な口であれば…。
「強さと脆さ…?」
「はい。あなたは表面的には強く振る舞っているが、内心では多くの苦悩と戦っている。その隔たりが私には非常に魅力的に映るのです。」
「あなたは…本当に私を愛しているのね。」
「はい。あなたがどれほど苦しんでいるか、どれほど強くあろうとしているかを知っています。そして、あなたのその姿に心を奪われました。」
「殿下!時間がありません!恋愛ごっこしている場合じゃないでしょう?他に聞くことがあったのでは?」スティグルが焦った声で言った。
――おや?もう少し愛を囁いていたかったというのに。
「バルサザール、あなたは未来で悪役宰相として悪の政治をとったの。それで私を操り人形にして、一緒に断罪処刑されちゃうの。ねぇ、バルサザールは何を企んでるの?お父様を毒で殺そうとしたのはバルサザール?あなたの真の目的は何!?」
――なんだ?何を言っている?私が悪の政治?そんな馬鹿な。
「最初は、自分の実力でどこまで権力を得られるか腕試しがしたかった。次第にその権力で自分の素性を探るようになった。自分はシュエット王国の王子かもしれないということに辿りついたのです。王族を見ていると、宰相という立ち位置がどれほど楽かがわかりました。私は貧しい農家で育ったので、国の人達が幸せであればいいと思い、より良い政治を目指していました。もし、私が未来で悪政をとったとすれば、誰かにハメられたのでしょうね。私はエヴァレーン王国をこよなく愛し、今では日は浅いですが、王女殿下を心から愛していますから。」
「バルサザール…あなたは本当に…」
「はい、殿下。私はあなたを心から愛しています。そして、エヴァレーン王国を守りたいと思っています。さて?聞きたいことはこれで全てですか?」
――おや、途中から自白剤は切れてしまいましたね。彼女の聞きたい事を答えられたでしょうか?
私は彼女の手を取り、その手の甲に優雅にキスをした。「さて、これで両想いになったわけですが、問題はアナタが本当に面倒な行動を起こしたおかげで私がシュエット王国の第一王子となってしまったということです。」
「えーっと。ごめん…なさい?」
「謝罪は不要です、殿下。状況は複雑ですが、私が何とかするとしましょう。ただ、次回からは私に相談し計画的に行動するようお願いしたいものです。」
「わかった。これからはもっと慎重に行動する!」
彼女の素は、平民のようですね?今度是非、彼女の世界についてゆっくりと聞きたいものです。
「アナタの素は本当に平民のような言葉使いですね。」
「あはは…。すみません。」
私は彼女の笑顔に安堵し、優しく彼女の手を握りしめた。
―――――――――
―――――
そして現在…
「バル…?」
気が付けば彼女の部屋で一夜を明かしていたようだ。窓から差し込む陽の光が部屋を温かく照らしていた。
「おはようございます。」
「おはよう…寝てないの?」
「少しだけ。どうやら思いにふけってしまったようです。」
彼女は私の言葉に微笑みを浮かべ、柔らかく応えた。
「何を考えていたの?」
「あなたのこと、そして私たちの未来のことです。あなたが私の心の大半を占めていることに気づきました。すべてを捧げても悔いはないと…。」
「バルは大袈裟だなぁ。」
彼女は微笑んで、私の言葉に少し照れた様子を見せた。
「少しだけ不安なんです。あなたが元いた世界に帰ってしまうのではないかと…。」
「うーん。どうだろう?私の世界では行ったきりの物語ばっかりだから、大丈夫だとは思ってるけど。」
「そのような物語が流行っているのですね?」
「うん、大流行り!でも、まさか自分がそれに該当しちゃうなんて思ってもみなかったけど、でも、きっと神様がバルと出会わせてくれたんだと思うの。」
「そうかもしれませんね。あなたが現れなければ、セインタール公爵の悪事に気付くことはなかったでしょうし。」
「そっか、じゃあ、やっぱり運命だね。」
「ふふ…。」
彼女にそっと手を伸ばし、優しくその頬に触れた。彼女の肌の温もりを感じながら、私は彼女の額に軽くキスをした。
「バル…。」
彼女の囁きに応え、次は頬に唇を落とし、そのまま首筋へと移動する。
「徹夜したんでしょう?」
彼女の問いに対して、私は首筋にもう一度キスをしながら答えた。
「疲れ果てて眠るのも悪くないと思いまして…。」
彼女の肩に手を置き、その肩にも優しくキスをした。
「仕事熱心な宰相様はどこへいっちゃたの。」
「とうとう愛が上回ってしまったのかも…しれませんね?」と彼女の耳元に囁き、耳たぶに軽くキスをした。そして、彼女の背中に手を回し、その背中にキスを落としながら、彼女をしっかりと抱き寄せた。
「好き。バル…。愛しても愛しきれないくらい。」
その時、欲望が抑えきれなくなり、彼女のドレスのボタンを外し、その下に隠された美しい肌に触れた。彼女は私のシャツを引き寄せ、私たちは互いの服を脱ぎ捨てた。
「全く…アナタは私を煽るのがお上手ですね。」
彼女の体に唇を這わせ、その反応に興奮を感じながら、彼女の甘い声が部屋に響いた。そして、私たちはお互いの体を求め合い、欲望を解放し続けたのだった。
読んで下さってありがとうございます!
お手数かけますが、イイネやブクマをいただけたら幸いです。モチベに繋がります( *´艸`)




