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共に断罪処刑される悪役宰相は私の最推しです!!  作者: 無月公主


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15.真実の暴露、隠された血筋

私達三人は、シュエット王国の兵士を次々と眠らせていった。ウルスウドラの素早い動き、ラーカンの冷静な判断、そして私の剣術が見事に噛み合い、計画は順調に進んだ。眠らせた兵士たちの制服を奪い、私達はシュエット王国の兵士になりすますことに成功した。


制服を身にまとった瞬間、私達は完全にシュエット王国の一員として振る舞った。ウルスウドラの赤い瞳は冷酷に光り、まるで本物の兵士のような威圧感を放っていた。ラーカンはその冷静さを一層際立たせ、まるで任務を遂行する熟練の兵士のように振る舞っていた。そして私は、王女としての威厳を隠し、兵士の一員として静かに行動を共にした。


夜の闇が私たちを包む中、私たちは王都へと向かって歩を進めた。月明かりが薄く照らす街道を進みながら、周囲の動きに敏感に耳を澄ませた。見張りの兵士が立っているのを見つけると、私は剣に塗り込んだ薬を使って素早く近づいた。剣先が彼の首に軽く触れると、彼は静かに地面に倒れ込んだ。心臓が早鐘のように打ち始めるが、私は深呼吸をして冷静さを取り戻した。


「次は私がやります。」


ラーカンが前方の兵士に向かって静かに進み出た。彼の動きは影のように静かであり、兵士たちは何も気づかずに次々と眠りに落ちていった。ドラは冷酷な目で周囲を見渡しながら、私たちの進行をサポートしてくれていた。


こうして私達は、誰にも怪しまれることなく王都へと進んでいった。道中、兵士たちの会話に耳を傾けながら、シュエット王国の内情を把握することも怠らなかった。幸いにも、私達が三人で行動しているため、怪しまれることはなかった。むしろ、敵地での連携の良さが際立ち、周囲の兵士たちからも信頼を得ることができた。


王都に到着すると、シュエット王国軍に対してまるで暗殺者のような立ち振る舞いで全ての軍を眠らせていった。ドラは、いつの間にか自分の部下たちを呼び寄せてくれていて、スムーズに王国を制圧することができた。王宮の廊下を静かに歩きながら、私たちは王の部屋に近づいていった。緊張が高まる中、心臓の鼓動が耳に響く。


「ティアナ、気をつけて。」


ドラが低い声で言い、私の背後を見張っていた。


「分かってるわ。」

私は小さく頷き、王の部屋の扉に手をかけた。その瞬間、ドアが静かに開き、私たちは中に入った。


しかし、部屋に入った瞬間、私は大きな誤算に直面した。王の顔はバルサザールに瓜二つだった。少し老けてはいるが、その声すらもバルサザールそのものだった。驚きのあまり、私はその場に座り込んでしまった。


――どうして?どうしてこんなにも似ているの?


「何者だ!」


王が鋭い声で叫び、兵士たちが一斉に剣を抜いた。私たちは互いに目配せをし、戦闘態勢を整えた。ウルスウドラの赤い瞳が一層鋭く光り、ラーカンは冷静な目で状況を見据えていた。


「ティアナ、しっかりしろ!」ドラが私を見下ろし、低い声で言った。


「王女殿下!!」ラーカンも心配そうに声をかけてきた。


しかし、兵士たちは王を守ろうと私に襲い掛かる。それをウルスウドラとラーカンが必死に抵抗した。


ドラの剣が光り、素早い動きで次々と襲い掛かる兵士たちを倒していく。ラーカンも冷静に剣を振り、的確に兵士たちを無力化していった。私たちの周囲には激しい戦闘の音が響き渡り、一瞬も気を抜けない状況が続いた。


「その金髪に紫色の瞳…まさか、エヴァレーン王国の王女か!?なんの真似だ!?同盟を結ぶという話ではなかったのか!!」王の声が怒りに満ちていた。


「お待ちください…」


私は声を上げたが、その時、扉が勢いよく開かれ、若い男性が入ってきた。その姿はバルサザールにそっくりだった。


「父上に何を!?今すぐ離れろ!!」若い男性の声が部屋に響いた。


彼の登場に一瞬の静寂が訪れたが、兵士たちは依然として剣を構えたままだった。私はその若い男性に向き直り、冷静さを取り戻そうと深呼吸をした。


「待ってください!話をさせて下さい!!」


「話だと?」


私はどうしても今心の中にある疑問を拭いたかった。


「あの…。王子は…他にはいませんか?例えば…拉致された…とか…。」


「むぐっ・・・なぜそのことを…。」


王の顔には驚愕が浮かび、その反応から私の推測が的中していることを確信した。王の顔は一瞬硬直し、彼の目にかすかな動揺が走った。


「いらっしゃるのですね?」


王は深く息をつき、しばらくの間黙り込んだ後、重々しい声で答えた。


「あぁ、いたとも。生まれたその日に攫われた。表向きには死産ということにしたが、何年かは探し続けた。だが、見つからないのだ。」


「あの…心当たりがあるので、一旦、攻撃を止めてもらえませんか。」


私は真剣な眼差しで王を見つめた。心の中では、この瞬間に全てがかかっていると感じていた。若い男性は王に視線を送り、王は再び深く息をついて頷いた。


「攻撃を止めよ。話を聞こう。」


兵士たちは剣を下ろし、周囲に緊張が解けた。私の肩からも一つの大きな重荷が下りた気がした。


「ありがとうございます。」


私は感謝の意を込めて深く頭を下げた。ウルスウドラとラーカンも剣を下ろし、警戒を解いた。彼らの表情には未だ緊張が残っていたが、それでも私たちの側に立ってくれていることが心強かった。


「心当たりがあるというのはどういうことだ?」

王は疑念を抱いたまま私に問いかけた。彼の声には微かな希望が含まれていた。


「実は…」私は少しためらいながらも続けた。

「我が国には、バルサザールという名の宰相がいます。その方があなたの息子である可能性があるのです。」


若い男性と王の表情が一瞬にして変わった。驚きと戸惑いが彼らの顔に浮かんだ。私の言葉がもたらした衝撃が、彼らの心に深く響いているのがわかった。


「それが事実ならば…」


王は言葉を失い、しばらくの間黙り込んだ。彼の目にかすかな涙が光るのを見て、私の心もまた揺れ動いた。


「確認するためにも、彼をここに呼びましょう。」私は提案した。自分の声がわずかに震えているのを感じたが、必死に冷静さを保とうとした。


王は深く息をつき、重々しく頷いた。


「その提案、受け入れよう。」


その瞬間、部屋の空気が一変した。ドアが勢いよく開かれ、乱れた髪をかき上げながら肩で息をしているバルサザールが現れた。彼の登場に、全員が驚きと緊張で固まった。


「その必要はありませんよ。」バルサザールの声が静かに響き渡った。


王の顔には驚愕の色が浮かび、彼は信じられないものを見るようにバルサザールを見つめた。目の前のバルサザールの顔は、自分と瓜二つだった。


「まさか…」


王は言葉を失い、しばらくの間その場に立ち尽くしていた。


王は震える声で答えた。

「バルサザール…。」


その瞬間、バルサザールは私に向き直り、無言のまま私の頬を叩いた。頬に走る痛みと共に、私は驚きに目を見開いた。バルサザールが私に手を上げるなんて、夢にも思っていなかった。


「どれだけ心配をかければ気が済むのです!!一人でこんな…!!こんな無謀なことをなさって…。」


頬に残る痛みを感じながら、私は心の中で彼の行動の意味を考えた。バルサザールが将来悪政を取る理由って、もしかしてシュエット王国のためだったのかもしれない。どこかで自分がここの王子だって気づいて、その責務を果たそうとしていたのかもしれない。今ここでその秘密を暴いてしまった私は、彼にとって駒としての価値がなくなったのだろう。だから私を叩いたんだ。


私は目を伏せながら、バルサザールの怒りと悲しみを受け止めようとした。しかし、その一方で、彼の行動の背後にある真実を知りたいという思いも強くなっていた。彼の心の奥底にあるものを知りたくて、理解したくて、でもそれができないもどかしさが私を苛んだ。


「バルサザール…」私はかすれた声で彼の名前を呼んだ。

読んで下さってありがとうございます!

お手数かけますが、イイネやブクマをいただけたら幸いです。モチベに繋がります( *´艸`)

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