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三国志演義

三国志演義・赤壁大戦~三江の大殲滅~【孫呉の章・後編】

作者: 霧夜シオン

はじめに:この台本は故・横山光輝氏、及び、吉川英治氏の著作した三国志や各種

     ゲーム等に、作者の想像を加えた台本となっています。その点を許容で

     きる方は是非演じてみていただければ幸いです。

     なお、人名・地名に漢字がない(UNIコード関連に引っかかって打てな

     い)場合、遺憾ながらカタカナ表記とさせていただいております。何卒

     ご了承ください<m(__)m>


     なお、上演の際は漢字チェックをしっかりとお願いします。

     また、金銭の絡まない上演方法でお願いします。

     

     ある程度はルビを振っていますが、一度振ったルビは同じ、または他の

     キャラのセリフに同じのが登場しても打ってない場合がありますので、

     注意してください。

三国志演義・赤壁大戦~三江の大殲滅~【孫呉の章・後編】


作者:霧夜シオン


所要時間:約60分


必要演者数:8人(8:0)

        (7:1)


※これより少なくても一応可能です。時間計測試読の際は人で兼ね役しました。


はじめに:この台本は故・横山光輝氏、及び、吉川英治氏の著作した三国志や各種

     ゲーム等に、作者の想像を加えた台本となっています。その点を許容で

     きる方は是非演じてみていただければ幸いです。

     なお、人名・地名に漢字がない(UNIコード関連に引っかかって打てな

     い)場合、遺憾ながらカタカナ表記とさせていただいております。何卒

     ご了承ください<m(__)m>


     なお、上演の際は漢字チェックをしっかりとお願いします。

     また、金銭の絡まない上演方法でお願いします。

     

     ある程度はルビを振っていますが、一度振ったルビは同じ、または他の

     キャラのセリフに同じのが登場しても打ってない場合がありますので、

     注意してください。



●登場人物


周瑜しゅうゆ・♂:あざな公謹こうきん

     呉の前主、小覇王孫策と同年代の若き英傑。孫策の臨終の際に軍事を託

     される。今回の戦いにあたって水軍大都督として全軍を指揮、劉備と同

     盟を組んで曹操打倒にあたる。

     非常な美青年で美周郎とあだ名される。

     妻に当時絶世の美女、江東の二喬と謳われた小喬をもつ。

     音楽にも堪能で当時の歌にも、「曲に誤りあり、周朗(周瑜)顧みる」

     という歌詞があるほど。


魯粛ろしゅく・♂:あざな子敬しけい

     本格的に頭角を現したのは孫権の代から。周瑜に推挙され孫権に仕える

     。演義では割と周瑜と諸葛亮の間でオロオロしているイメージがあるが

     、正史では豪胆かつキレる頭脳を持つ。     


カンたく・♂:あざな徳潤とくじゅん

      呉の参謀官の一人。黄蓋こうがいと共謀し、曹操そうそう)や自軍に潜り込んできた蔡仲さいちゅう

      兄弟に巧みに近づき、欺く。

      三国志の世界で割とターニングポイント的な役割を持った人物。


黄蓋こうがい・♂:あざな公覆こうふく

     孫権そんけんの父親、孫堅そんけんの代から仕える最古参の将軍。

     周瑜しゅうゆとしめし合わせて苦肉くにくの計を自ら引き受け、偽りの降伏を曹操そうそうに申

     し入れる。


甘寧かんねい・♂:あざな興覇こうは

     もと劉表りゅうひょう黄祖こうそに仕えていた武勇に優れる元・錦帆賊きんぱんぞくの頭目。カンたく

     と協力し、自軍に間者かんじゃとしてもぐりこんできた蔡仲さいちゅう兄弟をあざむく。


韓当かんとう・♂:あざな義公ぎこう

     黄蓋こうがいと同じく孫権そんけんの父親の代から呉に仕えている重鎮じゅうちんの一人。

     孫権そんけん軍の主力として活躍する。


蒋幹しょうかん・♂:あざな子翼しよく

     三国志演義では割と道化的な扱いを受けている。

     わざと盗ませた偽りの軍事機密を持ち帰って曹操そうそう蔡瑁さいぼうを処刑させたり

     ホウとうを連れ帰って連環れんかんの計を成功させる片棒を担いだりと目も当てら

     れない。しかし、正史ではそのような記述はなく、ただ周瑜しゅうゆを引き抜く

     よう曹操そうそうに命じられて単身赴たんしんおもむいて面会するも、周瑜しゅうゆの忠誠心の高さを知

     り、何も申し出ることなく去ったとある。


蔡仲さいちゅう・♂:三国志演義における架空かくうの人物。蔡瑁さいぼうおいとして登場、蔡和さいかと共に孫権そんけん

     軍に偽って降伏するも周瑜しゅうゆにはあらかじめ見抜かれていた為、都合の良

     いように利用された挙句あげく、最後は曹操そうそう軍の本陣の背後に迫ったあたりで

     甘寧かんねいに斬り殺されている。


蔡和さいか・♂:三国志演義における架空かくうの人物。蔡仲さいちゅうと同じく蔡瑁さいぼうおいとして登場、

     共に孫権そんけん軍に偽りの降伏をするも周瑜しゅうゆにいいように利用され、最後は戦

     の神々に供える生贄いけにえとして周瑜しゅうゆに処刑されている。


ホウとう・♂:あざな士元しげん

      諸葛亮しょかつりょうと並び称される賢人けんじんで、道号は鳳雛ほうすう。故郷の荊州けいしゅう滅亡後は

      呉に移り住んでいた。周瑜しゅうゆに協力を求められて快諾かいだくすると、自ら提案

      した「連環れんかんの計」の成就じょうじゅの為、単身曹操たんしんそうそうに近づき信用させることに成

      功する。


諸葛亮しょかつりょう・♂:あざな孔明こうめい

      臥龍がりゅううたわれる賢人けんじん劉備りゅうびの軍師として曹操そうそうに対抗するべく孫権そんけん

      同盟、孫権そんけん曹操そうそうを戦わせるに至る。

      後に中国史上屈指の名宰相めいさいしょうとして名を残す事になる。


孫権そんけん軍部将・♂♀不問:今回はわりと登場が多い。


ナレーション・♂♀不問:雰囲気を大事に。


※演者数が少ない状態で上演する際は、被らないように兼ね役でお願いします。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ナレ:曹操そうそう蔡瑁さいぼうおいである蔡仲さいちゅう蔡和さいかを用いて埋伏まいふくの毒のけいを仕掛け、対する

   周瑜しゅうゆはこれを逆手さかてに取ろうと知略ちりゃくの限りを尽くす。

   いずれ劣らぬ希代きだい智将ちしょう達は、見えぬ火花を散らし合っていた。

   そして周瑜しゅうゆはさらなる一手を相談すべく、とある人物を招く。


孫権軍部将:申し上げます、大都督だいととく鳳雛ほうすう先生が訪ねて参られました。


周瑜:うむ、これへ丁重ていちょうに通せ。


ナレ:案内されてきたその男は、鼻はひしゃげて黒疱瘡くろぼうそうあとの目立つ、人品じんぴんの卑し

   げな風貌ふうぼうであったが、その眼光は静かに事象じしょうを見通す輝きを秘めていた。

   すなわち、臥龍がりゅう諸葛亮孔明しょかつりょうこうめいと並んで鳳雛ほうすううたわれるホウとうあざな士元しげん

   である。


ホウ統:お呼び出しに応じてまかり越しました。

    ホウとうでござる。


周瑜:ようこそ参られた、ホウとう殿。まずはお掛けあれ。

   ・・・最近はこの近くの山にお住まいとか。


ホウ統:いかにも。

    荊州けいしゅう曹操そうそう蹂躙じゅうりんされた際この地にのがれ、山中さんちゅういおりにて日々を過ごし

    ています。

    して、本日の用件は曹操そうそう軍との戦いについてですかな?


周瑜:そのとおりです。

   どうか、我が呉に力をお貸しいただけまいか?

   客将きゃくしょうとして粗略そりゃくには致しませぬ。


ホウ統:曹操そうそうには故郷を踏みにじられました。喜んで協力いたしましょう。


周瑜:おお! 百万の味方と感謝いたします! 実は曹操そうそう軍から蔡仲さいちゅう蔡和さいかの兄弟

   が偽って降伏こうふくしてきたのは、すでにご存じですな?


ホウ統:うむ。しかしそれよりも先日、黄蓋こうがい殿を軍律違反ぐんりついはんの罪で処罰なさったと

    聞き及んでいますが、もしやあれも苦肉くにくの計では?


周瑜:さすがはホウとう殿、まさにご推察の通りです。

   蔡仲さいちゅう兄弟を逆用ぎゃくようし、こちらからも偽りの降伏者こうふくしゃを出すことで、曹操そうそうに目に

   ものを見せようというわけです。その仕込みはほぼ終わっているのですが、

   いかんせん、決定的な決め手に欠けているのが現状です。

   先生ならばこの場合、いかなる策を用いられますか?


ホウ統:そうですな・・・やはり火計かけいしかありますまい。


周瑜:なるほど・・・先生もそうお考えでしたか。

   しかし、一艘いっそう二艘にそう敵船てきせんを焼いたところで効果は無きに等しい。

   曹操そうそう軍の船を一か所に集めた状態でなければ・・・。


ホウ統:ふむ・・・それならば、連環れんかんの計を用いるがよろしいでしょう。


周瑜:連環れんかんの計! それは、どのような?


ホウ統:曹操そうそう軍の船を全て一か所に集めた状態で、鎖をもって船同士をつなぐように

    持って行くのです。さすれば火攻ひぜめを受けた時に容易に逃げられず、まと

    めて焼き払う事が可能でしょう。


周瑜:ふうむ・・・しかし、曹操そうそうがその手に乗るでしょうか? 敵も知謀ちぼうけて

   いますからな・・・。


ホウ統:普段ならば難しいかもしれませぬ。・・・が、今ならば可能でしょう。


周瑜:? それは、何故ですか?


ホウ統:うわさによれば、いま曹操そうそう軍内では水上に慣れない北国ほっこくの兵士達が船酔いを

    起こして満足に働けず、また疫病えきびょう流行はやり始めているとか。

    そこへ私がいつわって味方し、先の策を進言すれば・・・。


周瑜:!! 先生みずからが動いてくださいますか! ならば事は成ったも同然で

   す! しかし、ただ訪ねるのでは怪しまれはせぬでしょうか・・・?


孫権軍部将:お話の最中、失礼いたします。

      大都督だいととくのご学友の蒋幹しょうかんが再び訪ねて参りましたが、いかがなされます

      か?


周瑜:なに、蒋幹しょうかんがまた来たと?


ホウ統:ほお・・・・。

    周瑜しゅうゆ殿、絶好の機会が向こうからやってきましたな。この蒋幹しょうかんを再び使っ

    ては?


周瑜:うむ、渡りに船とはまさにこの事だ! あのような去り方をして、再び我が

   軍の内部を探りに来るとは・・・笑止な!

   先生、では先生のいおりの近くに蒋幹しょうかん幽閉ゆうへいし、わざと配下に見逃みのがさせますの

   で・・・。


ホウ統:うむ、後の事は私にお任せあれ。

    ではこれにて・・・。


周瑜:よし、蒋幹しょうかんをこれへ通せ。


孫権軍部将:ははっ。


      【三拍】


      大都督だいととく蒋幹しょうかん殿をお連れしました。



蒋幹:やあ周都督しゅうととく、先日は―――


周瑜:【↑の語尾に被せて】

   何しに来たか、蒋幹しょうかんッ! 親友面しんゆうづらをしてこの周瑜しゅうゆだまそうとするつもりか!

   ?


蒋幹:え? だまそうと・・・? ははは、何を馬鹿な事を・・・そんな悪辣あくらつな事を

   するものか。いや、それどころではないのだ。先日のもてなしにむくいる為、

   自分の探り得た一大事を教えようとこうしてまたやって来たというのに・・

   ・


周瑜:フン、なんじの浅はかな考えなどは見えすいているわ!この周瑜しゅうゆ降伏こうふくを勧めに

   来たのであろうが、そうはいかぬぞ!


蒋幹:何故今日はそんなに怒りっぽいのだ? 短気はいかん。また親しく一献酌いっこんく

   交わそうじゃないか。その上でじっくり語りたいこともある。


周瑜:ええい厚かましい奴め、これほど言っているのにまだわからんのか!

   なんじごときの才知さいち弁舌べんぜつに、この周瑜しゅうゆを心変わりさせる力などあるものか!

   先日はつい旧交きゅうこうじょうに心を許して酒をみ交わし、寝所しんじょを共にしたが、

   後になって見れば不覚にも軍の機密が失われておった!

   なんじが持ちだして逃げたのであろうが!!


蒋幹:な、何を馬鹿な・・・冗談じゃない、軍の機密など持ち出しておらん!

   なんでそんなことをしなくてはいけないのだ・・・


周瑜:【↑の語尾に被せて】

   やかましいッッ!!

   おかげで折角せっかく我が軍に内応していた蔡瑁さいぼう張允ちょういん曹操そうそうに処刑されてしまった

   。今またこれへのこのこやって来たのは、最近我が軍に降伏こうふくした蔡仲さいちゅう蔡和さいか

   に対して何か手を打つよう曹操そうそうに命じられてきたのであろう。


蒋幹:ど、どうしてそう頭から疑ってかかられるのか?


周瑜:まだ言うか! 蔡仲さいちゅう兄弟はすでに我が軍に固く忠誠を誓っている!

   再び曹操そうそう軍へ戻るものではないわ!


蒋幹:そ、そんな


周瑜:【↑の語尾に被せて】

   黙れ黙れッッ!! 本来なら一刀両断に斬り捨ててくれるところだが、昔の

   よしみで命だけは助けてくれる!

   我が軍が曹操そうそうを打ち破ってその首を取るのもここ数日の内だろう。その間、

   この辺につないでおくのも足手まといだ!

   誰かある!


孫権軍部将:はっ! お呼びでございますか!


周瑜:こやつを西の山の小屋にでも放り込んでおけッ!

   曹操そうそう軍を壊滅させた後、鞭の百回でも喰らわして北へ追い放してくれる!!


孫権軍部将:ははっ! さあ立てッ! 歩けッ!!


蒋幹:しゅ、周都督しゅうととく、誤解だ! 周都督しゅうととく・・・・!


周瑜:(よし、これで後はホウとう殿にかかっているな・・・。)


ナレ:周瑜しゅうゆ配下の部将達は蒋幹しょうかんを引っ立てて山中さんちゅうの小屋に幽閉ゆうへいした。

   それからしばらくの後、対岸の曹操そうそう軍の様子が騒がしくなったとの知らせが

   周瑜しゅうゆの元へもたらされた。


韓当:申し上げます、大都督だいととく

   曹操そうそう軍が何やらまた大規模な工事を行ったようです!


周瑜:なに、工事だと?


韓当:はい、どうやら曹操そうそうは船をも要塞化ようさいかしたようです。大船おおぶね同士を鎖や板で

   もって繋ぎ合わせ、まるで一つの巨大な船を思わせるような状態にしつつあ

   ります。


周瑜:ほう・・・そうか・・・!

   (よし、ホウとう殿が見事やり遂げたようだな・・・! 上手くいったわ!)


韓当:周都督しゅうととく、お喜びのようでございますが、敵のこの動きのいずれに吉報きっぽうが・・

   ・?


周瑜:ふふ、我が策がちゃくちゃくと実を結びつつあるという事だ。

   後になってみればわかる。


韓当:は、はあ・・・さようでございますか。


周瑜:(だが、最後の一手・・・風が・・・風向きさえ何とかなれば・・・。

   しかしこればかりは自然の力だ。年を越えるまで何とか時間をかせがねば

   ならんが・・・それでは黄蓋こうがいやカンたくらの降伏こうふくが偽りと露見ろけんする可能性も・

   ・・。)


孫権軍部将:申し上げます! 敵船団が現れました! 


韓当:なに、どれ程の規模か!?


孫権軍部将:はっ、どうやら小舟ばかりで二、三十艘さんじゅっそう程度の部隊です。


周瑜:たかの知れた小部隊よな。おそらく功を焦ったやからだろう。

   彼奴きゃつらを打ち砕き、功を上げる者はいないか!


韓当:この韓当かんとう周泰しゅうたいが参ります!


周瑜:うむ、存分に手柄を競うがよい! 


魯粛:都督ととく、背後の山から戦況をご覧になられては?


周瑜:よし、魯粛ろしゅく、貴公も共に参れ。

   ・・・っぬう、今日はずいぶんと風が強いな・・・!


ナレ:韓当かんとうはただちに周泰しゅうたいと共に十数艘じゅうすうそうの船を出し、左右から迎撃した。

   攻め寄せて来たのは曹操そうそう配下の焦触しょうしょく張南ちょうなんを主将とする一団だったが、

   韓当かんとうらに手ごろな餌食えじきとしてあっという間に二人とも討ち取られ、

   部隊は壊滅した。


周瑜:はははは! この程度では肩慣らしにもならんか!

   皆、いくさ幸先さいさきは良いぞ!


魯粛:さすがは韓当かんとう殿! 鮮やかな手際てぎわですな。

   周泰しゅうたい殿も敵の二将を討ち取る見事な活躍ぶりです!


韓当:よし、皆よくやった! 勝鬨かちどきを・・・む?

   あ、あれは!?


周瑜:うっ、あの水面みなもを真っ黒に埋めてやってくるのは・・・曹操そうそうの本隊か!

   ?


   (なんという数だ・・・昼の光の下で見ると、あらためて敵の巨大さが

   わかる・・・!!)


   全軍、すぐに迎撃態勢げいげきたいせいを・・・む?


韓当:ぬうう、この少数と小舟こぶねでは蹴散けちらされる! すぐに下がって味方と合

   流するのだ!


孫権軍部将:!? か、韓当かんとう様! 敵が急に引き返していきます!!


韓当:何ィ!? 

   ・・・はははは! 先鋒せんぽうの軍を叩きつぶされて怖気おじけづいたと見えるな!

   (命びろいしたか・・・あのまま進んでこられたら我らが踏み潰されて

   おったわ・・・勝てるのか、あの敵に・・・?)


ナレ:巨大な黒い塊に見えた曹操そうそう軍の本隊船団は、そのまま総攻撃を仕掛けてくる

   かと思われた。しかし、何故か急にその動きを鈍らせると、元の北岸ほくがんへ引き

   返し始めたのである。


周瑜:おお見よ! 敵は先鋒せんぽうを討たれて意気消沈いきしょうちんしたと見えるわ!

   引き上げていくぞ!

   (さすがは曹操そうそう軍、恐るべき大船団・・・この周瑜しゅうゆ、水軍を操る事すでに

   十年だが、まだこれ程の軍容を水上で見た事がない。

   ともかく助かったわ・・・こちらはあくまで火計かけいで対抗せねば、兵力では

   とうてい太刀打たちうちできんからな・・・。)

   【旗が折れるSE】


   !? うわッ!!


魯粛:ああっ、し、周都督しゅうととく!?


ナレ:地面に刺して立ててある司令部の大旗おおはたが、折からの強風に激しくあおられてい

   た。しかしついに大きな音を立ててへし折れると、かたわらの周瑜しゅうゆに倒れたので

   ある。


周瑜:うっ、うぐぐぐ・・・・!


魯粛:周都督しゅうととく!! お気を確かに!!


周瑜:【声を落として】

   大事ない・・・それよりも魯粛ろしゅく、ひそかに諸葛亮しょかつりょうを呼んできてくれ。


魯粛:わ、分かりました。

   ともかく部屋へお運びするのだ! すぐに医者も呼べ!

   もし都督ととく御身おんみに万一のことがあったらなんとする!


   【四拍】


魯粛:都督ととく諸葛亮しょかつりょう殿をお連れしました。


諸葛亮:都督ととく大事だいじございませんか?


周瑜:おお、諸葛亮しょかつりょう殿。近くへ・・・。

   魯粛ろしゅく、貴公を除いてみな、下がってくれ。


魯粛:はっ。

   ・・・特に外傷らしきものはないのですが、薬湯やくとうを飲もうとすると吐き気が

   突き上げ、身体を動かすと頭が混乱すると申されて・・・。


諸葛亮:都督ととく、何がご不安なのですか? わたくしの見るところ、お体にはこれと

    言って異常は見られませんが・・・。


周瑜:不安・・・不安は何もないが・・・。


諸葛亮:ならば立てるはずでございます。


周瑜:いや、枕から頭を起こそうとしても、すぐ目まいがするのだ・・・。


諸葛亮:それすなわち心の、気のやまいというものです。都督ととくを悩ましているものを

    取り除く為、わたくしが良い薬を差し上げます。


魯粛:そ、そのようなものがあるのですか?


諸葛亮:ありますとも。

    一服いっぷく用いれば、たちどころに快癒かいゆいたす事、間違いございませぬ。


魯粛:おお、ではぜひお願いいたします!


周瑜:願わくばそれがしの、いや、国の為に一服いっぷく投じていただきたい。


諸葛亮;承知しました。紙と筆をお貸しくだされ。


    【三拍】


    どうぞ、都督ととく


周瑜:!!

   (曹操そうそうを破らんと欲すれば、すなわち火計を用いるべし。

    諸事用意万端しょじよういばんたんに備われど、ただ東風とうふうくるのみ。)


諸葛亮:いかがですかな? これが都督ととくやまい根源こんげんでございましょう。


周瑜:【溜息】

   さすがは諸葛亮しょかつりょう殿。見抜いておられたか。

   しかし、今は十一月ゆえ北西の風しか吹きませぬ。

   もし火を放ってもこちらには向かい風、我が軍にも被害が及ぶ可能性がある

   。

   事すでに急を要すれども、天候は意のままにならぬ。

   一体いかがすればよいかと、日々悩んでいた次第です。


諸葛亮:それならば私に良い方法があります。

    昔、若年じゃくねんの頃に異人いじんい、八門遁甲はちもんとんこうの書物を伝授されました。

    それには風や雨を操る秘法が書いてあったのです。

    もし都督ととくがお望みであらばその書を用い、我らにとって追い風となる東南

    の風を起こすよう祈ってみますが・・・?   


周瑜:なに、そんなことが可能なのですか!?


魯粛:都督ととく、ここは諸葛亮しょかつりょう殿に秘法をこころみていただいては・・・?


周瑜:うむ。

   諸葛亮しょかつりょう殿、ぜひやってみていただきたい!


諸葛亮:わかりました。

    来たる十一月二十日に天を祭れば、三日三晩みっかみばんの間に東南の風が起こりま

    しょう。

    祭壇さいだん南屛山なんぴょうざんの上にきずいてくだされ。


周瑜:承知した。魯粛ろしゅく、すぐに兵を動員し、昼夜を問わずとりかかってくれ。


魯粛:ははっ。では諸葛亮しょかつりょう殿、祭壇さいだんが出来ましたらお知らせします。


諸葛亮:分かりました。

    では、今日はこれにて・・・。


    【三拍】


魯粛:都督ととく諸葛亮しょかつりょう殿はああは言いましたが、本当に可能なのでしょうか?


周瑜:分からぬ。分からぬが、東南の風が吹かなければ、我が呉は滅ぶ。


ナレ:その後、南屛山なんぴょうざん昼夜突貫ちゅうやとっかんで作らせた祭壇さいだん諸葛亮しょかつりょうがこもり、祈祷きとうを始め

   た。

   周瑜しゅうゆ魯粛ろしゅくは東南の風が吹き次第、いつでも動けるよう将士を待機させてい

   た。その最中さなか黄蓋こうがいがひそかに報告に訪れた。


黄蓋:都督ととく二十艘にじゅっそうの船に干し草、枯れしば硫黄いおう煙硝えんしょうを満載し、青布あおぬのでしっかり

   とおおい隠し、水上での動きに特に慣れた者ども三百名を配置したぞ。


周瑜:おお、用意は万端ばんたん整いましたか。では東南の風が吹き起こり次第、陣を脱出

   したていにして曹操そうそうの陣へ向かってくだされ。我らもすぐに後を追って総攻撃

   に移ります。


黄蓋:承知した。

   甘寧かんねいやカンたくも上手くやっておるようじゃ。

   我が国の興廃こうはい、この一戦にある。

   では、風向きが変わるのを待っておりますぞ。


周瑜:うむ。カンたくはおるか。


   【二拍】


カン沢:お呼びですか、都督ととく


周瑜:陣中の慌ただしい気配をさとられぬよう、甘寧かんねいと共に蔡仲さいちゅう兄弟へ酒を飲ませて

   おいてくれ。・・・今生こんじょう最後の酒をな。


カン沢:! 承知しました。ではさっそく。


    【三拍】


    おう、甘寧かんねい、ちょっと耳を貸してくれ。

    【声を落として】

    東南の風が起きるまでの間、蔡仲さいちゅうらに気づかれぬようにしてくれとの事

    だ。


甘寧:そうか、いよいよだな・・・よし。

   おう、同志たちよ。


蔡仲:おお、これは甘寧かんねい様にカンたく様。いかがなされました。


甘寧:うむ、いつこの陣を抜け出して曹丞相そうじょうしょう様の元へ参るか、そろそろ相談して

   おこうと思ってな。


蔡和:確かに、さようでございますな。


カン沢:まぁ酒でもみ交わしながら、ゆっくり語ろうじゃないか。


蔡仲:それは結構な事でございますなァ。


甘寧:うむ、ここで大手柄おおてがらを立てて、それを手土産てみやげ曹丞相そうじょうしょう様に認めてもらわな

   ければな!


蔡和:はい、ここで成功すれば、我らの立身出世りっしんしゅっせは約束されたようなものでござい

   ます。


甘寧・カン沢・蔡仲・蔡和:はっははははは・・・!


ナレ:それから一日、二日経ち、ついに三日目の晩になった。

   いまだ東南の風は吹かず、周瑜しゅうゆの顔には焦りの色が浮き始めた。


周瑜:まだか・・・まだ風は吹かぬか!

   諸葛亮しょかつりょうめ、かくたる自信もなくあんなことは言い出したのではあるまい

   な・・・!


魯粛:しかし、諸葛亮しょかつりょう殿ほどの人物がそんな事を軽々しく言うとは考えられませぬ

   。

   もうしばらく見ていてご覧なされ。


周瑜:むむむ・・・すでに我が君も本隊を率いて長江ちょうこうをのぼって来ておられる。

   このままでは・・・・・むっ?


魯粛:こ、これは・・・・風が・・・!


周瑜:生ぬるい風・・・東南の風だ・・・!

   まさか本当に・・・諸葛亮しょかつりょうとは人か、魔か。天地造化てんちぞうかの変を奪いあざむくとは

   ・・・黄巾こうきんの乱の張角ちょうかく漢中かんちゅう五斗米道ごとべいどうにも通ずるものがある・・・!

   今のうちに始末しておかねば、天下に災いをなすかもしれぬ。


ナレ:周瑜しゅうゆは身の毛をよだてると、丁奉ていほう徐盛じょせいを呼んでひそかに何か命令をさずけた。

   彼らは水陸の兵を五百引っさげて南屏山なんぴょうざんへ急いだ。


魯粛:都督ととく、今のは何ですか?

   ! まさか・・・諸葛亮しょかつりょう殿を殺しにやったのではありますまいな!?


周瑜:・・・・・見よ、この天変てんぺんを。天候まで自在に操るような男をこのまま劉備りゅうび

   の元へ帰したら、必ず将来の災いになる。


魯粛:ッ、しかし・・・。


ナレ:しばらくして丁奉ていほう徐盛じょせいが帰還し、すでに諸葛亮しょかつりょうが迎えの船に乗って逃げ

   去ってしまったむねを報告した。


周瑜:くっ・・・逃げられたか・・・。

   しかし、曹操そうそう軍を目の前にひかえていてすっかり忘れていたが、今思えば、

   この時期には何日か風向きの変わる日が確かにあった。

   諸葛亮しょかつりょうめ、それを知っていたのだ。八門遁甲はちもんとんこうなどというのは、おそらく作り

   話なのだろう。


魯粛:では、諸葛亮しょかつりょうは・・・。


周瑜:うむ。我らを揶揄やゆするつもりだったか、あるいはおのれに神秘性を持たせたかっ

   たのか・・・それは分からん。

   だがいずれにせよ、ああいう事をさも出来るかのように振る舞い、周りを信

   じさせるのも才能だ。ゆえに我が呉にとっては脅威きょういなのだ。

   ある意味、曹操そうそうよりもな・・・。


魯粛:都督ととく、過ぎた事は仕方ありますまい。今は目前もくぜん曹操そうそう軍を打ち破るべきで

   す!

   もうあらゆる準備は整っているではありませぬか。


周瑜:うむ・・・そうだな。

   魯粛ろしゅく、急ぎ諸将を集めよ!

   我らの勝機しょうきは、この風の吹いている間だけだ!!


魯粛:ははっ!


ナレ:機は熟した。

   このわずかな戦機せんきはずしては、呉に勝利はない。

   本陣の幕営ばくえいに主だった将軍たちが慌ただしく集まると、周瑜しゅうゆは彼らを見渡

   し、おごそかに声を発した。


周瑜:諸将よ! いよいよ決戦の時だ!

   これより作戦をさずけるゆえ、ぬかりなくつとめられよ!

   まず甘寧かんねいなんじはかねてからの予定通りに蔡仲さいちゅうおとりに使い、曹操そうそう降伏こうふくする

   と称して北岸ほくがんに向かうのだ。烏林うりんの地へ上陸したら、曹操そうそう軍の兵糧ひょうろうを焼き払

   え!


甘寧:心得た! して、蔡和さいかの方はどうします?


周瑜:別に使い道があるゆえ、残してゆくがよい。

   後詰ごづめには呂蒙りょもう凌統りょうとうを向かわせるゆえ、縦横無尽じゅうおうむじんに暴れてくるのだ!


甘寧:ははっ! よぅし、待ちに待った決戦だ! 腕が鳴るぜ!


周瑜:太史慈たいしじ合肥がっぴ曹操そうそう軍を攻撃後に、赤壁せきへき曹操そうそう軍本陣へ進撃するのだ。

   董襲とうしゅう潘璋はんしょうはそれぞれ兵三千を預けるゆえ、漢川かんせん方面へ突撃せよ!

   そして黄蓋こうがい


黄蓋:おうッ!


周瑜:老将軍の後には韓当かんとう周泰しゅうたい蒋欽しょうきん陳武ちんぶを続かせる。

   かねてからの秘策ひさく、確実に遂行すいこうされよ!


黄蓋:承知つかまつった! いよいよ曹操そうそうめに一泡ひとあわ吹かせてやれるわい!


周瑜:程普ていふは私と共に旗艦きかんに乗込み、後陣こうじん右備みぎぞなえは丁奉ていほう左備ひだりぞなえは徐盛じょせいに命ずる

   。我が君は南屏山なんぴょうざんに本陣を置かれる予定だ。

   魯粛ろしゅくはホウとう殿と共に本陣の留守を守れ。


魯粛:ははっ、都督ととくのご武運を祈っております。


周瑜:我が呉の興亡こうぼうはこの一戦にかかっている!

   おのおのの奮戦を期待する!


周瑜・ナレ役以外全員:おうッ!!!


ナレ:作戦をさずけられた先陣の諸将は勇躍ゆうやくして続々と出撃していった。

   その頃、本陣の留守として残された蔡和さいかは、カンたくの元を訪れていた。


蔡和:カンたく殿、お呼びと聞いてうかがいましたが・・・。


カン沢:おお、蔡和さいか殿。いよいよですぞ。黄蓋こうがい殿や甘寧かんねい殿、蔡仲さいちゅう殿もそれぞれの

    役目を果たされるべく前線へ向かわれた。


蔡和:そうですな。周瑜しゅうゆ達の命運めいうん今宵こよい限り・・・して、我らはこの本陣を奪い、

   周瑜しゅうゆらの退路たいろを断つのですな。


カン沢:ああ、その事なのだが・・・少々、事情が変わってな。


蔡和:? 前線に向かわれた方々から何か知らせでも?


カン沢:うむ。蔡和さいか殿には、別の役目を果たしていただこうと思ってな。


蔡和:別の役目・・・とは?


カン沢:我が呉の勝利の為、出陣の儀式の生贄いけにえになってもらおう!


孫権軍部将:それっ、ひっ捕らえろ! 蔡和さいか! 周都督しゅうととくがお呼びだ!


蔡和:ぐっ、こ、これは!? カンたく殿! どういうことです!


カン沢:まだわからんのか。哀れにもほどがあるわ!

    我らと来てもらうぞ!


    【三拍】


    都督ととく蔡和さいかを連れて参りました。


周瑜:うむ、ご苦労。

   蔡和さいかなんじ曹操そうそうから埋伏まいふくの毒として送り込まれた事は、初めから分かってい

   た。

   いくさの神々に供えるには丁度良い首と、今までなんじどうに預けておいたが、

   それも今宵こよい限りよ。

   なんじに残った最後の利用価値を使わせてもらおうか。

   【剣を抜くSE】


蔡和:そ、そんな、では甘寧かんねい黄蓋こうがい降伏こうふくは・・・!


周瑜:当然、この周瑜しゅうゆの策よ。

   蔡仲さいちゅう甘寧かんねい水先案内人みずさきあんないにんの役目を終えたらなんじの後を追うゆえ、

   一足先にあの世へゆけッ!!

   【蔡和を斬り捨てる】


蔡和:ギャッッッ!!!!


   【二拍】


周瑜:天地、いくさの神々よ、ここに生贄いけにえを捧げます。

   我が呉に勝利をおさずけくだされ。

   ・・・出陣だ!!


ナレ:ここに呉の水軍全部隊すいぐんぜんぶたいが、曹操そうそう軍へ向けて進撃を開始した。

   その頃、甘寧かんねい蔡仲さいちゅうを先頭に立て、すでに対岸へ上陸してい

   た。

   

甘寧:おう、ここが烏林うりんか。


蔡仲:そうです。さ、曹丞相そうじょうしょうのもとへ向かいましょう。

   喜んで迎えて下さるに違いありませぬ。


甘寧:うむ。・・・おっとそうだった。その前に一つ忘れておったわ。


蔡仲:え?


甘寧:蔡仲さいちゅうッ、なんじの役目は終わった!!


蔡仲:げぎゃッ!!!?


甘寧:バカめ! なんじ降伏こうふくいつわりなのは、周都督しゅうととくがとうに見破っておられたわ。

   それッ、敵の兵糧庫ひょうろうこは目の前だ! 火矢ひやを射ろ!!

   敵は手当たり次第に斬り捨てて、存分に暴れろ!!

   かかれェーーーーーッッッ!!!


甘寧・ナレ役以外:【喚声】


ナレ:それとほぼ前後して、長江ちょうこうの水上では黄蓋こうがいひきいるいつわりの降伏こうふく部隊が、曹操そうそう

   軍の大船団を視界にとらえていた。


黄蓋:ふふふ、この時を待っていたわい。目にものを見せてくれるぞ!

   者ども! 曹操そうそう自慢の大船団は目の前に並んで、今宵こよいの襲撃を待っておる。 

   見よ! 敵は狼狽ろうばいしてすことも知らぬ有様ありさまじゃ。

   いかに大きい船であろうと、所詮しょせんもとは木や皮よ!

   火薬船かやくせん、突っ込め!! 突っ込んで縦横無尽じゅうおうむじんに焼き尽くせィ!!


孫権軍部将:これが我らの闘志の炎だ、喰らえ!!


黄蓋:弓兵ゆみへい火矢ひやを射ろ! 曹操そうそう軍に腹いっぱい喰わせてやれィ!!


孫権軍部将:射よ、射よッ者共ッ!! 全てを焼き払うのだ!!


韓当:おお、火の手が上がった! よォし皆の者、突撃だ!!

   曹操そうそうを逃がすなッ!!


孫権軍部将:大都督だいととく! 火です、敵船団から火の手が上がりました!!


周瑜:してやったり!! 老将軍が首尾しゅびよく火計を成功させたぞ!

   見よ、曹操そうそうほこる水軍はことごとく炎に包まれた!

   この機をのがしてはならん! 敵軍を殲滅せんめつし、曹操そうそうの首をあげよッ!!

   進めェーーーーーッッ!!


周瑜・ナレ役以外:【喚声】


ナレ:東南の烈風れっぷうあおられ、人や物は焼けただれ、陸も海も火焔地獄かえんじごくとなった。

   歴史に残り、なが後世こうせいに語られることとなった赤壁せきへきの戦い・三江さんこう大殲滅だいせんめつ

   とは、曹操そうそうがこの一夜で味わった惨敗ざんぱいそのものの事を言う。

   百万と称していた曹操そうそう軍は、この敗北で三分の一以下になったと伝えられる

   。

   数万人の捕虜ほりょ曹操そうそう軍が捨てていった大量の軍需物資ぐんじゅぶっしを得て、孫権そんけん軍は一躍いちやく

   その勢力をのばす。戦勝にく呉へ、劉備りゅうび軍から祝勝の使者がやってきた。

   新たな争乱そうらん火種ひだね荊州けいしゅう領有りょうゆうを巡るその端緒たんしょたずさえて。

   



END




おはこんばんちわー、作者のシオンであります。

・・・1年かけて書き上げた各陣営から見た赤壁の戦い、その孫権軍サイドからのうp第三弾となります。

例によって、間違いなく初心者向けの台本ではないですね、ええ(;´Д`)

もしツイキャスやスカイプ、ディスコードで上演の際は良ければ声をかけていた

だければ聞きに参ります。録画はぜひ残していただければ幸いです。

ではでは!


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