7話 悪魔の食材
「南国気分は味わえるけどさ、あれだね。日向ぼっこの方がいいね」
「贅沢なバケツくんだな。そんなに言うなら泳げるよう努力しなよ」
「カナヅチでいいんだ、バケツに泳ぎが達者なんて特技必要ないだろ」
「そりゃま、そうだけど……」
納得いかないスライムくんを横に、僕は横になっていた場所から起き上がる。ハンモック、今度作ってみようかな。お腹が空いたので、僕達は海の家と書いてある店に寄った。客が一人も入っていない、珍しい店だった。
「いらっしゃい! 初めてのお客さんだ……」
「不吉な言葉だ、ここじゃない所にしよう」
「でも、ここ以外に食べ物を売ってそうな場所はないよ。メニューは……悪魔魚焼き」
「酷いネーミングだ……本当に食べるの、それ」
「意外に美味しいかも知れないし、それ一つ下さい!」
「なんと、初めての注文だ。はりきって作るぞ!」
「不安しかない……」
座って待つ事十五分、生地に覆われた球体が十個登場した。これが、悪魔焼き。なんだか見た事ある、というかこれは……。
「なんだ、たこ焼きじゃないか。悪魔魚焼きって……蛸か烏賊って確か……」
「デビルフィッシュ、そのまんまだね」
名前のせいでこれ売れないんじゃないのとも思ったけど、食べてみる。美味しい、蛸焼きだ。初めのこれを食べようと思った人の正気をこそ疑えるけど、美味しい物は美味しい。
「……ん? 何か挟まって……これは……信仰の欠片!?」
「あ、ごめん。魚の体内に入っていた奴の処理を忘れてしまったみたいだ。お詫びにそれ、あげるよ。初めてだったけど、上手くいってよかった。今度河豚料理に挑戦してみようかな、免許持ってないけど」
「……免許取る所から初めてね、犯罪者になるよ」
何はともあれ、三つ目ゲット。残るは火山の巣……え、海の雰囲気で泳いでないけどこの後に行くの? ちょっとやる気が……でも行くしかない。バケツ頭のままじゃいられないからね!




