3話 森の欠片
「今更なんだけどさ、その信仰の欠片? が何処にあるか知ってるの」
「知らない。から、今から聞きに行く」
「戻るの? 随分手間をかけるね」
「まさか、そんな事しないよ。この森には居るじゃないか、長老が」
あぁ、あの人の事ねとスライムくんは納得してくれたようだ。小さな沢を超え途中休憩を挟み僕達は無事に長老の元へとたどり着いた。
「おはようございます、長老様」
「おはよう、お爺ちゃん」
「おぉ、バケツくんにスライムちゃんじゃないか。何か用かな、水やりは昨日済ませて貰ったし……」
「いえいえ、ちょっと知恵を借りたいだけです。信仰の欠片、という物が何処にあるか知りませんか。四つ必要なんですけど」
「……え、一つじゃないの」
「四つ必要なんだって。代金として」
「……解呪に必要じゃなさそうだね」
「むーん、どうやら困ってるみたいだが。生憎その欠片とやらの場所を五つしか知らないくてのう……」
「十分ですよ。長老様、教えてください!」
「一つは儂が持ってるんじゃが、残りの四つは……城と海と…巣の火山と……」
「後の一つは?」
「はて、何処にやったか。すまないが、今儂が出せる駄賃は欠片一つじゃな……」
「有難う御座います、長老様!」
「早速一つ手に入れたね、後三つ。順番に巡って行こう!」