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終末への想像力  作者: 小島 剛
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しおれた花

 哲学者の鷲田清一さんが、華道に通じた人のところに行ったときに、室町時代の生け花の作例集を見せてもらったことがあるという。

するとその中にしなびて、枯れかかっている水仙を活けたものがあり驚いたというのである。

実際に見てみたいものだな、と思うが、室町時代より伝わる文献のことだし、そうやすやすとみられるものでもないだろう。

私はその作例の絵を見ていないが、非常に示唆的なことだと思った。

現代人ならまずやらないことだろう。

枯れかかり、しなびた花を活けるより先に「先生、これ、しおれてますよ」といって、その意味を理解できないと思う。

だが、もとより咲くものなれば枯れもする。

そこからは、晩秋や老い、病い、そして死すらもイメージすることができるだろう。

全くもってここに異常なことはない。

自然を表現するのが華道の一つの眼目というのなら、このような自然を表現できなくなっているかのように思われる現代の生け花のほうに重大な欠落がある。

異常なのはこれら当たり前に存在することを受容できない現代人の心性の方であろう。


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