中継ってこんな感じか?
起きて………起きて………
誰だ?………俺を呼ぶ奴は、もしかしてもう、天国とか何かか?
男?はぼやけた視界に小さな女の子が、男の身体を軽く揺らしていた。
「あ、起きた?おはよう」
「お前は誰だ?……」
「私?私は『ファフニール』、貴方の神様よ」
「は?」
ちょっと待ていきなり過ぎない!?
普通、目覚めてすぐに天使とかに案内されて神様に会うことじゃないん!?
しかも、こんな小さい女の子が神様?
男?が見えたのは、だいたい中学生くらいの女の子が自ら神様を名乗った時点でおかしい。
「どうしたの?」
「え、いや。何も」
「ふーん、まさか私に興奮した?添うでしょ?」
「んな訳ね、まな板が」
「出会って数秒でまな板呼ばわり!?私、一番気にしてたのに」
気にしてたのかよ……
「そ、それより、どう?今の身体気に入った?」
「は?身体?、特に変わって無いだろ?」
「あれ?まだ見てなかった?、はい、鏡」
「え、あ、ありがとう」
男?はファフニールに渡された手鏡を覗きこんだ、そうすると写ったのは、全く他人の顔だった。
男と女の中継の顔。旅人みたいな黒い服。赤色の瞳に黒い髪。
「は、誰だ?」
「誰って、貴方よ」
「はぁ、…………はぁぁぁぁ!?」