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プロローグ
以前書いていた物を加筆・修正した改稿版となります。
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私たちの生き方には二通りしかない。
奇跡など全く起こらないかのように生きるか、
すべてが奇跡であるかのように生きるかである。
── ノーベル物理学者 アルバート・アインシュタイン
放り出されたビー玉が突然コロコロと数十個一斉に転がった。
命を吹き込まれたように、転がり続けていく。
それからだった。
桐生ジョーイの記憶が突付かれる。
遠い昔の埋もれていた過去。
そこから目覚め出す。
それは意図されたことだったのだろうか。
やがてそれは連鎖して次々と事件を引き起こしとぎれることなくやってくる。
「アスカ」というどうしても忘れられない女の子の名前と共に。
忍び寄るものは謎をばらまき、そこに巻き込もうと罠を仕掛ける。
自分は一体何者なのか。
そしてあの時の記憶はなんだったのか。
それを探る鍵となるのがビー玉だった。
失われたビー玉。
桐生ジョーイは転がるビー玉を追いかけてしまった──。